2011/02/09(水) - 08:45
2011年2月8日、チャレンジ・マヨルカ第3戦トロフェオ・インカ(UCI1.1)が行なわれ、2つの難関山岳が設定されたコースで3名が逃げ切り達成。ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック)が勝利し、チームに待望のシーズン初勝利をもたらした。
チャレンジ・マヨルカは平坦な2レースを終え、いよいよ山岳地帯に舞台を移す。第3戦トロフェオ・インカは、その名の通りマヨルカ島中部のインカを発着する157kmのレース。後半にかけて山岳が設定されており、ゴール56km手前で2級山岳ソレール峠、ゴール31km手前で1級山岳プイグマヨール峠を越える。
主役になるのはスプリンターではなくクライマーたち。逃げ切りが決まりやすいコースレイアウトだけに、スタート直後からアタック合戦が始まった。
別府史之(レディオシャック)もアタックに加わったが決まらず、47km地点で4名が飛び出すと集団は沈静化する。
最初の1時間の平均スピードが50.2km/hをマークする中、逃げたのはジェイソン・マッカートニー(アメリカ、レディオシャック)、アドリアン・サエス(スペイン、オルベア)、アドリアン・パロマレス(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)、ディミトリ・クレイス(ベルギー、チームネットアップ)。
逃げグループとメイン集団のタイム差は67km地点で9分14秒をマーク。メイン集団を率いたのは地元スペインのモビスターで、最初の2級山岳ソレール峠に差し掛かる頃にはタイム差は3分台に。登りが始まると、逃げグループからマッカートニーが脱落した。
続く1級山岳プイグマヨール峠でパロマレスが独走状態を築いたが、頂上まで2kmを残して吸収。すると続けざまにヘルマンス、シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)、アルカイス・ドゥーラン(スペイン、ジェオックス・TMC)の3名がアタックを仕掛け、集団を15秒引き離してプイグマヨール峠をクリアした。
下り区間でもヘルマンス、トンド、ドゥーランの3名はペースを上げ続け、エウスカルテルが牽引するエウスカルテルを引き離してゴールへ。スプリント勝負で他の2名を下したヘルマンスが勝利した。
ヘルマンスは2009年にトップスポート・フラーンデレンでプロデビューし、昨年からレディオシャックに所属する24歳。昨年ツアー・オブ・ベルギーの最難関ステージで優勝を飾っている。今シーズンは開幕戦ツアー・ダウンアンダーに出場し、アタックを処理するチェック役を勤め上げ、好調ぶりを見せていた。
プロ2勝目を飾ったヘルマンスはレースを振り返る。「プイグマヨール峠でモビスターがトンドのためにペースを上げているとき、他の選手は苦しんでいたけど、自分は調子の良さを感じていた。だから頂上まで1kmを残してアタックしてみたんだ。付いて来たのはトンドとドゥーランだけだった。そこからは3名で協力して集団を引き離した。スプリントは自信が無かったけど、他の2人は自分より疲れ切っていたようだった。」
ヘルマンスはレディオシャックに今シーズン初勝利をもたらした。チームメイトの別府史之もTwitterにて「今日のグッドニュースはチームメイトのベン・ヘルマンスが登りで圧倒的な力を見せつけて3人での勝負で見事勝利した!」と喜びのコメント。
「今日は序盤から何回もアタックして逃げをトライしたけれど決まらず。しかしチームメイトが逃げてくれてハイスピード状況は収まった。登りの前にチームメイトをよいポジションで登らせるために前を引いて登りに入った。2級カテゴリーの登りは問題なく登ったけど、最後の1級の山で遅れてしまった。しかし身体はとってもよく動く。まだこれからでしょう。」と頼もしいコメントを残している。
「今日は一個目の山岳の下りでクラッシュ。グルペットでゴールしました。長い一日だった」と語る土井雪広(スキル・シマノ)は、24分40秒遅れでフィニッシュ。しかしタイムオーバーのため順位はつかなかった。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはレディオシャック公式サイトより。
トロフェオ・インカ結果
1位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック) 4h02'23"
2位 アルカイス・ドゥーラン(スペイン、ジェオックス・TMC)
3位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター) +01"
4位 ムリロ・フィッシャー(ブラジル、ガーミン・サーヴェロ) +45"
5位 セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、ラボバンク)
6位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)
7位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)
8位 ファンホセ・コーボ(スペイン、ジェオックス・TMC)
9位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
10位 トニー・ギャロパン(フランス、コフィディス)
84位 別府史之(日本、レディオシャック) +14'26"
HD 土井雪広(日本、スキル・シマノ) +24'40"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
チャレンジ・マヨルカは平坦な2レースを終え、いよいよ山岳地帯に舞台を移す。第3戦トロフェオ・インカは、その名の通りマヨルカ島中部のインカを発着する157kmのレース。後半にかけて山岳が設定されており、ゴール56km手前で2級山岳ソレール峠、ゴール31km手前で1級山岳プイグマヨール峠を越える。
主役になるのはスプリンターではなくクライマーたち。逃げ切りが決まりやすいコースレイアウトだけに、スタート直後からアタック合戦が始まった。
別府史之(レディオシャック)もアタックに加わったが決まらず、47km地点で4名が飛び出すと集団は沈静化する。
最初の1時間の平均スピードが50.2km/hをマークする中、逃げたのはジェイソン・マッカートニー(アメリカ、レディオシャック)、アドリアン・サエス(スペイン、オルベア)、アドリアン・パロマレス(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)、ディミトリ・クレイス(ベルギー、チームネットアップ)。
逃げグループとメイン集団のタイム差は67km地点で9分14秒をマーク。メイン集団を率いたのは地元スペインのモビスターで、最初の2級山岳ソレール峠に差し掛かる頃にはタイム差は3分台に。登りが始まると、逃げグループからマッカートニーが脱落した。
続く1級山岳プイグマヨール峠でパロマレスが独走状態を築いたが、頂上まで2kmを残して吸収。すると続けざまにヘルマンス、シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)、アルカイス・ドゥーラン(スペイン、ジェオックス・TMC)の3名がアタックを仕掛け、集団を15秒引き離してプイグマヨール峠をクリアした。
下り区間でもヘルマンス、トンド、ドゥーランの3名はペースを上げ続け、エウスカルテルが牽引するエウスカルテルを引き離してゴールへ。スプリント勝負で他の2名を下したヘルマンスが勝利した。
ヘルマンスは2009年にトップスポート・フラーンデレンでプロデビューし、昨年からレディオシャックに所属する24歳。昨年ツアー・オブ・ベルギーの最難関ステージで優勝を飾っている。今シーズンは開幕戦ツアー・ダウンアンダーに出場し、アタックを処理するチェック役を勤め上げ、好調ぶりを見せていた。
プロ2勝目を飾ったヘルマンスはレースを振り返る。「プイグマヨール峠でモビスターがトンドのためにペースを上げているとき、他の選手は苦しんでいたけど、自分は調子の良さを感じていた。だから頂上まで1kmを残してアタックしてみたんだ。付いて来たのはトンドとドゥーランだけだった。そこからは3名で協力して集団を引き離した。スプリントは自信が無かったけど、他の2人は自分より疲れ切っていたようだった。」
ヘルマンスはレディオシャックに今シーズン初勝利をもたらした。チームメイトの別府史之もTwitterにて「今日のグッドニュースはチームメイトのベン・ヘルマンスが登りで圧倒的な力を見せつけて3人での勝負で見事勝利した!」と喜びのコメント。
「今日は序盤から何回もアタックして逃げをトライしたけれど決まらず。しかしチームメイトが逃げてくれてハイスピード状況は収まった。登りの前にチームメイトをよいポジションで登らせるために前を引いて登りに入った。2級カテゴリーの登りは問題なく登ったけど、最後の1級の山で遅れてしまった。しかし身体はとってもよく動く。まだこれからでしょう。」と頼もしいコメントを残している。
「今日は一個目の山岳の下りでクラッシュ。グルペットでゴールしました。長い一日だった」と語る土井雪広(スキル・シマノ)は、24分40秒遅れでフィニッシュ。しかしタイムオーバーのため順位はつかなかった。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはレディオシャック公式サイトより。
トロフェオ・インカ結果
1位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック) 4h02'23"
2位 アルカイス・ドゥーラン(スペイン、ジェオックス・TMC)
3位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター) +01"
4位 ムリロ・フィッシャー(ブラジル、ガーミン・サーヴェロ) +45"
5位 セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、ラボバンク)
6位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)
7位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)
8位 ファンホセ・コーボ(スペイン、ジェオックス・TMC)
9位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
10位 トニー・ギャロパン(フランス、コフィディス)
84位 別府史之(日本、レディオシャック) +14'26"
HD 土井雪広(日本、スキル・シマノ) +24'40"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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