ツール・ド・ランカウイ2011の第1ステージは、集団スプリントを若手スプリンターのアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ)が制した。日本人最高は新城幸也の18位。日本人選手はみな同タイムでゴールしている。

マレーシア・ランカウイ島が舞台の第1ステージでアジア最高峰のステージレース、ツール・ド・ランカウイが開幕した。初日ということと、離島での開催ということもあり距離は少なめの94.3km。しかし起伏の連続するコースと、リーダージャージを着たい選手の思惑からレースは激しいものとなった。

全日本チャンプジャージを着る宮澤崇史(日本、ファルネーゼ・ヴィーニ)全日本チャンプジャージを着る宮澤崇史(日本、ファルネーゼ・ヴィーニ) photo:Yuko Satoステージ勝利を狙う西谷泰治(愛三工業)ステージ勝利を狙う西谷泰治(愛三工業) photo:Yuko Sato


ニュージャージで登場の新城幸也(日本、ユーロップカー)ニュージャージで登場の新城幸也(日本、ユーロップカー) photo:Yuko Sato138人の選手たちが全10ステージへの長い道のりへとスタート。序盤はアタックが決まらず、集団ひとつのまま20km地点の第1スプリント地点を迎える。ここを待っていたのは、地元マレーシアのスプリントスター、アヌアル・マナン(マレーシア、トレンガヌ・プロアジア)。昨年ポイント賞に輝いた小柄なスプリンターがまずは1位通過でポイントとボーナスタイムを獲得した。

その後レースは活性化するも、36km地点のこの日最初の山岳ポイントを前にしても決定的な逃げは決まらず。このポイントを獲ったのはメフディ・ソフラビ(イラン、タブリツ・ペドロケミカル)。コエン・デコールト(オランダ、スキル・シマノ)が2位、そして綾部勇成(愛三工業)が3位で通過した。

最初の一時間の時速が47kmとハイスピードで展開したレース。49.5kmの第2スプリントポイントを制したのはまたもマナン。モチベーションの高さを走りで見せつける。

51.kmの第2山岳ポイントはアンドレイ・クラシルニカウ(ベラルーシ、チポトレ・ディベロップメント)が獲得。この山岳ポイントをきっかけに10名の逃げグループが形成される。メンバーは、クラシルニカウ、プチョン・サイウドンミン(タイ、トレンガヌ・プロアジア)、アルバート・ティマー(オランダ、スキル・シマノ)ら。

集団内の土井雪広(日本、スキル・シマノ)と新城幸也(日本、ユーロップカー)集団内の土井雪広(日本、スキル・シマノ)と新城幸也(日本、ユーロップカー) photo:Yuko Satoしかしこの動きも、集団スプリントに持ち込みたいドラパック・ポルシェ勢によって抑え込まれ、再び集団はひとつに。ドラパックには昨年の最終ステージを制したスチュアート・ショウ、ジャパンカップクリテリウムを制したトーマス・パルマー、マレーシアチャンピオンのモハメド・オットマンら強豪選手を揃えている。

61km地点の第3スプリントポイントへ向けてアタックが断続的に続く。クリク・カールセン(アメリカ、チポトレ・ディベロップメント)が1位通過の後も、集団からはどんどん選手が抜け出し、先頭グループの人数がふくれあがっていく。


積極的に逃げグループで走る鈴木謙一(愛三工業、後方)積極的に逃げグループで走る鈴木謙一(愛三工業、後方) photo:Yuko Sato残り20kmで20名ほどの大人数となった先頭集団。ここには宮澤崇史(日本、ファルネーゼ・ヴィーニ)や鈴木謙一(愛三工業)が入ったが、人数が多さから逃げへの協調体制が成立しないまま、残り5kmで集団に吸収されてしまう。集団は新城幸也を擁するユーロップカーが積極的な牽引を見せた。

集団スプリントに持ち込まれた勝負は、イタリア期待の若手アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ)が制し、プロ初戦で初勝利を挙げる快挙を成し遂げた。イタリア国内ではすでに注目を集める若手スプリンターで、2009年にはアマチュアで19勝を挙げている。マキュアンやカヴェンディッシュを尊敬する小柄な若干19歳が、リーダージャージも同時に獲得した。

アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ)が集団スプリントを制すアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ)が集団スプリントを制す photo:Yuko Sato

2位にはパク・ソンベク(韓国、韓国ナショナルチーム)が入り、アジア人総合リーダーの座についている。日本人最高位は新城の18位。他の日本人選手もみな集団内で同タイムでゴールしている。日本人選手の積極的な走りが光った第1ステージ。まだまだレースは始まったばかりだ。

ステージハイライトムービー


ツール・ド・ランカウイ2011第1ステージ結果
1位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ) 2h03'28"
2位 パク・ソンベク(韓国、韓国ナショナルチーム)
3位 ハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ・プロアジア)
4位 ルーカ・バルラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
5位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
6位 アンドレ・シュルツェ(ドイツ、CCCポルサト・ポルコヴィッチェ)
7位 ヒルトン・クラーク(オーストラリア、ユナイデットヘルスケア)
8位 アラン・ブラウン(南アフリカ、MTNキュベカ)
9位 ダヴィ・コメイエンヌ(ベルギー、ランドバククレジット)
10位 ジョエリ・スタラールト(ベルギー、ランドバククレジット)
18位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
20位 福田晋平(愛三工業)
30位 西谷泰治(愛三工業)
41位 盛一大(愛三工業)
50位 宮澤崇史(日本、ファルネーゼ・ヴィーニ)
68位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
69位 品川真寛(愛三工業)
80位 綾部勇成(愛三工業)
115位 福島晋一(日本、トレンガヌ・プロアジア)
125位 鈴木謙一(愛三工業)


個人総合成績
1位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ) 2h03'18"
2位 パク・ソンベク(韓国、韓国ナショナルチーム)             +4"
3位 アヌアル・マナン(マレーシア、トレンガヌ・プロアジア)
4位 ハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ・プロアジア)         +5"
5位 クリストフ・ファンヘールデン(南アフリカ、MTNキュベカ)       +6"
6位 ヒルトン・クラーク(オーストラリア、ユナイデットヘルスケア)     +7"
7位 ギヨーム・ブルジョワ(スイス、チャンピオンシステム)         +8"
8位 ジャン・チャンジェ(韓国、韓国ナショナルチーム)           +9"
9位 サレー・モフドラジフ(マレーシア、ルトゥーア)
10位 ルーカ・バルラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)       +10"
23位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
24位 福田晋平(愛三工業)
34位 西谷泰治(愛三工業)
45位 盛一大(愛三工業)
52位 宮澤崇史(日本、ファルネーゼ・ヴィーニ)
70位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
71位 品川真寛(愛三工業)
81位 綾部勇成(愛三工業)
115位 福島晋一(日本、トレンガヌ・プロアジア)
125位 鈴木謙一(愛三工業)

ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ)

山岳賞
コエン・デコールト(オランダ、スキル・シマノ)

アジア人総合成績
パク・ソンベク(韓国、韓国ナショナルチーム)

チーム総合成績
トレンガヌ・プロアジア

アジアンチーム総合成績
トレンガヌ・プロアジア

text:Yufta Omata
photo:Yuko Sato

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