2011/01/13(木) - 12:00
2011年1月12日、スペイン・ベニドルムでブエルタ・ア・エスパーニャのコースプレゼンテーションが行なわれ、第66回大会の全貌が明らかにされた。急勾配のアングリルを含む6つの頂上ゴールが設定されたクライマー向きのコースで、実に33年ぶりにバスク地方を通過する。
2011年大会は8月20日に地中海に面したスペイン南東部バレンシア州ベニドルムで開幕する。初日は16kmのチームタイムトライアル。そこから3週間かけて時計回りにイベリア半島を駆け抜け、9月11日に首都マドリードにゴールする。
大きなトピックスは、アングリルが3年ぶりに戻ってくること、6つの頂上ゴールが設定されていること、タイムトライアルが2つしか設定されていないこと、そして終盤にバスク地方を通過すること。山岳の厳しさで名を馳せるブエルタらしく、クライマー向きのコースが設定された。
2008年のツール・ド・フランス覇者で、過去に3回ブエルタの総合表彰台に登っているカルロス・サストレ(スペイン、ジェオックス・TMC)は、スペイン・マルカ紙のインタビューに「昨年同様、厳しいコースが用意された。クライマーのためのブエルタだ。アングリルはスペクタクルな闘いになるだろう」と語っている。
最初の難関山岳は4日目に早くも登場。ブエルタでお馴染みのシエラネバダの頂上ゴールが早速総合成績を動かす。頂上ゴールには設定されていないが、第5ステージのバルデペーニャス・デ・ハエンと第8ステージのサン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルはいずれも急勾配の登りであり、思わぬタイム差がつく可能性がある。
ラ・コバティーリャの頂上ゴールが設定された第9ステージを経て、今大会唯一の個人タイムトライアルが登場。サラマンカ近郊に敷設される40kmのコースは平坦基調で、軽量クライマーたちはタイムロスを最小限に抑える走りを強いられる。
3つの頂上ゴールが詰め込まれた第2週で、マイヨロホ(総合リーダージャージ)争いは決すると言っても良いだろう。ブエルタ初登場のモンターニャ・マンサネーダとラ・ファラポーナの頂上ゴールで総合成績はシャッフルされ、第15ステージのアグルリルで決着する。
最大勾配23.5%で、後半にかけて13〜20%の勾配を刻むアングリルは「魔の山」と畏怖される難関山岳。最後に登場したのは2008年で、当時はアルベルト・コンタドール(スペイン)がステージ優勝を飾っている。トップ選手でもバイクが蛇行するような激坂バトルは今大会のクライマックスだ。
最終週の第17ステージにはペーニャ・カバルガの頂上ゴールが設定されているが、コース全体の難易度は低く、総合成績へのインパクトは少ないと思われる。
その後、ブエルタは北部のバスク地方を通過する。同地方はこれまでも多くのロードレーサーを輩出しているが、70年代後半に巻き起こった独立運動の影響で、実に32年間ブエルタのコースに組み込まれていなかった。今回登場するバスクの3ステージはどれも平坦基調だ。
最終日は恒例のマドリード周回コース。この最終ステージを含め、合計7ステージがスプリンター向きだと考えられている。デンマーク・コペンハーゲンで開催されるロード世界選手権に向けて調整を合わせるスプリンターたちが激突するだろう。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2011概要
開催期間:8月20日〜9月11日
平坦ステージ:9
山岳ステージ:10
山頂フィニッシュ:6
登場山岳:46
個人タイムトライアル:1(40km)
チームタイムトライアル:1(14km)
休息日:2
合計距離:3295km(1日平均175km)
通過国:1(スペイン)
ブエルタ・ア・エスパーニャ2011レース日程
8月20日(土)第1ステージ ベニドルム〜ベニドルム 16km(チームTT)
8月21日(日)第2ステージ ラ・ヌシア〜プラヤス・デ・オリウエラ 171.5km
8月22日(月)第3ステージ ペトレル〜トタナ 164km
8月23日(火)第4ステージ バーサ〜シエラネバダ 172km(頂上ゴール)
8月24日(水)第5ステージ シエラネバダ〜バルデペーニャス・デ・ハエン 200km
8月25日(木)第6ステージ ウベダ〜コルドバ 185.7km
8月26日(金)第7ステージ アルマデン〜タラベラ・デラ・レイナ 185km
8月27日(土)第8ステージ タラベラ・デラ・レイナ〜サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル 182km
8月28日(日)第9ステージ ビジャカスティン〜シエラ・デ・ベハル/ラ・コバティーリャ 179.5km(頂上ゴール)
8月29日(月)第10ステージ サラマンカ〜サラマンカ 40km(個人TT)
8月30日(火)休息日
8月31日(水)第11ステージ ベリン〜エスタシオン・デ・モンターニャ・マンサネーダ 171km(頂上ゴール)
9月1日(木)第12ステージ ポンテアレアス〜ポンテベドラ 160km
9月2日(金)第13ステージ サリア〜ポンフェラーダ 150km
9月3日(土)第14ステージ アストルガ〜ラ・ファラポーナ/ラゴス・デ・ソミエド 173.2km(頂上ゴール)
9月4日(日)第15ステージ アビレス〜アングリル 144km(頂上ゴール)
9月5日(月)休息日
9月6日(火)第16ステージ ビリャロマーナ・ラ・オルメダ〜アーロ 180km
9月7日(水)第17ステージ ファイスティーノV/オヨン〜ペーニャ・カバルガ 212.5km(頂上ゴール)
9月8日(木)第18ステージ ソラレス〜ノハ 169.7km
9月9日(金)第19ステージ ノハ〜ビルバオ 157.9km
9月10日(土)第20ステージ ビルバオ〜ビトリア 187km
9月11日(日)第21ステージ ハラマ・サーキット〜マドリード 94km
text:Kei Tsuji
2011年大会は8月20日に地中海に面したスペイン南東部バレンシア州ベニドルムで開幕する。初日は16kmのチームタイムトライアル。そこから3週間かけて時計回りにイベリア半島を駆け抜け、9月11日に首都マドリードにゴールする。
大きなトピックスは、アングリルが3年ぶりに戻ってくること、6つの頂上ゴールが設定されていること、タイムトライアルが2つしか設定されていないこと、そして終盤にバスク地方を通過すること。山岳の厳しさで名を馳せるブエルタらしく、クライマー向きのコースが設定された。
2008年のツール・ド・フランス覇者で、過去に3回ブエルタの総合表彰台に登っているカルロス・サストレ(スペイン、ジェオックス・TMC)は、スペイン・マルカ紙のインタビューに「昨年同様、厳しいコースが用意された。クライマーのためのブエルタだ。アングリルはスペクタクルな闘いになるだろう」と語っている。
最初の難関山岳は4日目に早くも登場。ブエルタでお馴染みのシエラネバダの頂上ゴールが早速総合成績を動かす。頂上ゴールには設定されていないが、第5ステージのバルデペーニャス・デ・ハエンと第8ステージのサン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルはいずれも急勾配の登りであり、思わぬタイム差がつく可能性がある。
ラ・コバティーリャの頂上ゴールが設定された第9ステージを経て、今大会唯一の個人タイムトライアルが登場。サラマンカ近郊に敷設される40kmのコースは平坦基調で、軽量クライマーたちはタイムロスを最小限に抑える走りを強いられる。
3つの頂上ゴールが詰め込まれた第2週で、マイヨロホ(総合リーダージャージ)争いは決すると言っても良いだろう。ブエルタ初登場のモンターニャ・マンサネーダとラ・ファラポーナの頂上ゴールで総合成績はシャッフルされ、第15ステージのアグルリルで決着する。
最大勾配23.5%で、後半にかけて13〜20%の勾配を刻むアングリルは「魔の山」と畏怖される難関山岳。最後に登場したのは2008年で、当時はアルベルト・コンタドール(スペイン)がステージ優勝を飾っている。トップ選手でもバイクが蛇行するような激坂バトルは今大会のクライマックスだ。
最終週の第17ステージにはペーニャ・カバルガの頂上ゴールが設定されているが、コース全体の難易度は低く、総合成績へのインパクトは少ないと思われる。
その後、ブエルタは北部のバスク地方を通過する。同地方はこれまでも多くのロードレーサーを輩出しているが、70年代後半に巻き起こった独立運動の影響で、実に32年間ブエルタのコースに組み込まれていなかった。今回登場するバスクの3ステージはどれも平坦基調だ。
最終日は恒例のマドリード周回コース。この最終ステージを含め、合計7ステージがスプリンター向きだと考えられている。デンマーク・コペンハーゲンで開催されるロード世界選手権に向けて調整を合わせるスプリンターたちが激突するだろう。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2011概要
開催期間:8月20日〜9月11日
平坦ステージ:9
山岳ステージ:10
山頂フィニッシュ:6
登場山岳:46
個人タイムトライアル:1(40km)
チームタイムトライアル:1(14km)
休息日:2
合計距離:3295km(1日平均175km)
通過国:1(スペイン)
ブエルタ・ア・エスパーニャ2011レース日程
8月20日(土)第1ステージ ベニドルム〜ベニドルム 16km(チームTT)
8月21日(日)第2ステージ ラ・ヌシア〜プラヤス・デ・オリウエラ 171.5km
8月22日(月)第3ステージ ペトレル〜トタナ 164km
8月23日(火)第4ステージ バーサ〜シエラネバダ 172km(頂上ゴール)
8月24日(水)第5ステージ シエラネバダ〜バルデペーニャス・デ・ハエン 200km
8月25日(木)第6ステージ ウベダ〜コルドバ 185.7km
8月26日(金)第7ステージ アルマデン〜タラベラ・デラ・レイナ 185km
8月27日(土)第8ステージ タラベラ・デラ・レイナ〜サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル 182km
8月28日(日)第9ステージ ビジャカスティン〜シエラ・デ・ベハル/ラ・コバティーリャ 179.5km(頂上ゴール)
8月29日(月)第10ステージ サラマンカ〜サラマンカ 40km(個人TT)
8月30日(火)休息日
8月31日(水)第11ステージ ベリン〜エスタシオン・デ・モンターニャ・マンサネーダ 171km(頂上ゴール)
9月1日(木)第12ステージ ポンテアレアス〜ポンテベドラ 160km
9月2日(金)第13ステージ サリア〜ポンフェラーダ 150km
9月3日(土)第14ステージ アストルガ〜ラ・ファラポーナ/ラゴス・デ・ソミエド 173.2km(頂上ゴール)
9月4日(日)第15ステージ アビレス〜アングリル 144km(頂上ゴール)
9月5日(月)休息日
9月6日(火)第16ステージ ビリャロマーナ・ラ・オルメダ〜アーロ 180km
9月7日(水)第17ステージ ファイスティーノV/オヨン〜ペーニャ・カバルガ 212.5km(頂上ゴール)
9月8日(木)第18ステージ ソラレス〜ノハ 169.7km
9月9日(金)第19ステージ ノハ〜ビルバオ 157.9km
9月10日(土)第20ステージ ビルバオ〜ビトリア 187km
9月11日(日)第21ステージ ハラマ・サーキット〜マドリード 94km
text:Kei Tsuji
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