2010/09/17(金) - 12:20
個人タイムトライアル明けの第18ステージは最終ステージを除けば今大会最短（最終ステージとタイムトライアルを除く）の148.9km。カスティーリャ・イ・レオン州の州都バリャドリッドをスタートし、ユネスコ世界遺産に登録された街サラマンカを目指す。
コースは緩やかなアップダウンがあるとは言え、カテゴリー山岳が一つも設定されていない平坦コースに、大集団でのゴールスプリント勝負に持ち込まれることが予想された。デーヴィット・ザブリスキー（アメリカ、ガーミン・トランジションズ）がスタートせず、スタートしたのは159名の選手たち。
逃げを成功させた8人 photo:Unipublicスプリンターたちの闘いになることは確実だが、肝心な有力スプリンターが連日減っている。昨ステージはトル・フースホフト（ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム）が出場せず。そして同チームのテオ・ボス（オランダ）はレース中に停車中のオートバイに突っ込んで負傷してリタイア。サーヴェロは二人のスプリンターを一気に失ってしまった。
逃げを許された8人
スタートすぐに8名がアタックを開始。集団はすぐにその逃げを許し、差が開く。逃げる8人のメンバーは次のとおり。いずれも総合上位の危険な選手はいない。
ダニエーレ・ピエトロポッリ（イタリア、ランプレ）総合58位・1時間37分30秒遅れ
ホセアルベルト・ベニテス（スペイン、フットオン・セルヴェット）総合75位・1時間52分41秒遅れ
フアンハビエル・エストラダ（スペイン、アンダルシア・カハスール）総合93位・2時間11分13秒遅れ
パブロ・ウルタスン（スペイン、エウスカルテル）総合113位・2時間42分25秒遅れ
ドミニク・ロエルス（ドイツ、チームミルラム）総合117位・2時間51分26秒遅れ
アレクサンドル・ピショ（フランス、Bboxブイグテレコム）総合120位・2時間53分58秒遅れ
オリヴィエ・カイセン（ベルギー、オメガファーマ・ロット）総合124位・2時間56分39秒遅れ
ホセビセンテ・トリビオ（スペイン、アンダルシア・カハスール）総合137位・3時間14分41秒遅れ
総合リーダーのヴィンチェンツォ・ニーバリ（イタリア、リクイガス） photo:Unipublicこの日の天候は曇りで、時折雨の降る気温25度の快適なコンディションのなかレースは進む。
第1スプリントポイント（21km地点）をドミニク・ロエルス（ドイツ、チームミルラム）が、第2スプリントポイント（39km地点）をオリヴィエ・カイセン（ベルギー、オメガファーマ・ロット）がトップ通過。
先頭8名と集団とのタイム差は、残り60km地点で2分程度と、スプリントに持ち込みたいチームがペースをコントロールしてそれ以上は広がることがなかった。
平穏で退屈な動きが続くと思われた集団だったが、補給地点でピエール・カゾー（フランス、フランセーズデジュー）が単独で落車。カゾーは右膝を強打したが、包帯を巻いて再び集団に追いついた。
そして横風が吹きだしたとき、ケースデパーニュ勢が集団の前に集結してペースをあげるが、集団を分裂するには至らず。HTCコロンビア勢が再びペースコントロールに入る。ゴールスプリントに向けて逃げとの差を淡々と縮めだした。
補給地点でピエール・カゾー（フランス、フランセーズデジュー）が単独で落車 photo:Unipublic残り23km、観客が詰めかけたサラマンカの街を通過する逃げグループと集団の差は50秒に縮まる。
ガーミン・トランジションズ、クイックステップ、チームHTC・コロンビアが集団のペースを弱めず、50～55km/hほどのスピードで巡航しながら順調に差を詰める。
ジルベールがラスト9kmでアタック
残り15kmで逃げグループからアタックを仕掛けたオリヴィエ・カイセン（ベルギー、オメガファーマ・ロット）が独走を開始。ホセビセンテ・トリビオ（スペイン、アンダルシア・カハスール）とホセアルベルト・ベニテス（スペイン、フットオン・セルヴェット）の2人がカイセンを追走し、合流。ジョイン。3名になるが、メイン集団はわずか10秒後ろに迫っていた。逃げる3人は結局、残り11kmで集団に飲み込まれてしまう。
サラマンカに向けてペースをつくるチームHTC・コロンビア photo:Cor Vosそしていったん動きがなくなった集団からしびれを切らしたフィリップ・ジルベール（ベルギー、オメガファーマ・ロット）が飛び出す。チームHTC・コロンビアやガーミン・トランジションズが懸命に集団を牽いてジルベールを追うが、ジルベールは残り5kmまで逃げた。
ジルベールが吸収されると集団の覇権争いが再び始まる。しかし残り３kmを切ってもクイックステップやチームミルラム、リクイガス、ガーミン・トランジションズが入り乱れ、カヴェンディッシュ擁するチームHTC・コロンビアがトレインを組めない。
そしてクイックステップの2人が先頭でラスト1kmのアーチを通過。マシュー・ゴス（オーストラリア、チームHTC・コロンビア）が必死に差を詰める。
ラスト200mを切って先頭のゴスに発射されたカヴェンディッシュがスプリントを開始。フアンホセ・アエド（アルゼンチン、サクソバンク）が後方から伸びを見せるが、カヴェンディッシュはそのままスピードを保ってゴールラインを先頭で駆け抜けた。3位はマヌエル・カルドソ（ポルトガル、フットオン・セルヴェット）。タイラー・ファラー（アメリカ、ガーミン・トランジションズ）は集団に飲まれ前に出ることができなかった。
フアンホセ・アエド（アルゼンチン、サクソバンク）を下し3勝目を挙げたマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア） photo:Unipublic
カヴェンディッシュは今ブエルタで通算3勝目。そしてチームHTC・コロンビアにとっては昨日のベリトスの個人タイムトライアルの勝利から２日連続の勝利だ。そしてこの日、ツアー・オブ・ブリテンでアンドレ・グライペルが、女子レースのジロ・ディ・トスカーナでノエミ・キャンテーレ が勝利したことで、チームは世界中で一日に３つの勝利を挙げたことになる。
3勝目のシャンパンファイトを楽しむマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア） photo:Cor Vos選手たちのコメント
マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）
いつも言っているように、ゴールラインを越えるのは僕だけど、その影には８人のチームメイトの協力がある。彼らはスタートから最後まで僕をサポートするために走ってくれた。逃げとの差を２分にとどめ、シウトソウが前に出て差を詰めた。ラスト２kmで周りを囲まれてしまったのにはパニクになったけど、ベリトスが自分は総合を争っているにもかかわらず僕を再び前に引き上げてくれた。ジルベールを捕まえるのに彼は力を使ったけれど、次の山岳ステージのために彼は力をセーブしなければいけないというのに！
クイックステップはとても強かった。最後まで強力に抵抗してくれた。彼らは最後のコーナーをすごいスピードで駆け抜けた。
そしてゴスがいつも以上の仕事でリードアウトを見せてくれた。
とてもテクニカルで難しいフィニッシュだったけど、ラスト180mで行くことができた。僕には勝つための力があった。チームメイトに感謝している。
ブラッドリー・マックギー（サクソバンク監督） ２位のアエドについて
JJはここ数日ハングリーにこのステージを狙ってきた。彼は惜しいところまで行ったけれど、あの状況だった。勝利に向けて争うことがスプリンターにとっては全てだ。２位や３位は集団ゴールと一緒だ。
ヴィンチェンツォ・ニーバリ（イタリア、リクイガス）
まったく静かな一日ではなかった。一日じゅうずっと気をつけて走っていた。最後は集団スプリントになって問題なく一日は終わった。明日はまた危険な一日だ。一日一日を生き延びている。土曜日、ボーラ・デル・ムンドでモスケラと僕は勝利を争う。僕は今穏やかだ。僕は幸運が重要なファクターであることも知っている。
エセキエル・モスケラ（スペイン、シャコベオ・ガリシア）
昨夜マイヨロホを着てマドリッドに立つ夢をみたんだ。それが予知夢かどうかは分からない。でも僕にとって人生最大のチャンスであることは確かだ。
逃げたオリヴィエ・カイセン（ベルギー、オメガファーマ・ロット）
ジルベールがレースリーダーになったとき、僕は彼のために働いた。そして今は自由がある。だから逃げたんだ。集団が２分以上のタイム差を許してくれないことを知ったとき、これは「ミッション・インポッシブル」だと悟った。ラスト40か50kmのとき、僕らは加速したんだ。でもそれは十分ではなかった。
ニコラ・ヴォゴンディ（フランス、Bboxブイグテレコム）
僕は今朝コフィディスと来季からの２年契約を結んだ。ジャン＝ルネ（ベルノドー監督）は8月15日には新しいスポンサーを発表すると言ったけど、もう9月の15日だ。それは20日ぐらいになると思う。ジャンルネには電話でもう待てないと話したよ。
ブエルタは今夜で止める。世界選手権タイムトライアルのために十分な走りができたから。準備はできた。
選手コメントはレース公式リリース、チーム発表より。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第18ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア） 3h27'11"
2位 フアンホセ・アエド（アルゼンチン、サクソバンク）
3位 マヌエル・カルドソ（ポルトガル、フットオン・セルヴェット）
4位 タイラー・ファラー（アメリカ、ガーミン・トランジションズ）
5位 サミュエル・ドゥムラン（フランス、コフィディス）
6位 ロベルト・フェルスター（ドイツ、チームミルラム）
7位 エンリケ・マタ（スペイン、フットオン・セルヴェット）
8位 フレフ・ファンアフェルマート（ベルギー、オメガファーマ・ロット）
9位 ワウテル・ウェイラント（ベルギー、クイックステップ）
10位 ダニーロ・ホンド（ドイツ、ランプレ）
個人総合成績（マイヨロホ）
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ（イタリア、リクイガス） 74h47'06"
2位 エセキエル・モスケラ（スペイン、シャコベオ・ガリシア） +38"
3位 ピーター・ベリトス（スロバキア、チームHTC・コロンビア） +1'59"
4位 フランク・シュレク（ルクセンブルク、サクソバンク） +3'43"
5位 ホアキン・ロドリゲス（スペイン、カチューシャ） +3'48"
6位 シャビエル・トンド（スペイン、サーヴェロ・テストチーム） +3'48"
7位 トム・ダニエルソン（アメリカ、ガーミン・トランジションズ） +3'58"
8位 ニコラス・ロッシュ（アイルランド、アージェードゥーゼル） +4'02"
9位 カルロス・サストレ（スペイン、サーヴェロ・テストチーム） +4'16"
10位 ルイスレオン・サンチェス（スペイン、ケースデパーニュ） +5'42"
ポイント賞（プントス）
1位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア） 136pts
2位 タイラー・ファラー（アメリカ、ガーミン・トランジションズ） 104pts
3位 ホアキン・ロドリゲス（スペイン、カチューシャ） 93pts
山岳賞（モンターニャ）
1位 ダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス） 48pts
2位 セラフィン・マルティネス（スペイン、シャコベオ・ガリシア） 38pts
3位 ゴンサロ・ラブニャル（スペイン、シャコベオ・ガリシア） 25pts
複合賞（コンビナーダ）
1位 ホアキン・ロドリゲス（スペイン、カチューシャ） 14pts
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ（イタリア、リクイガス） 16pts
3位 エセキエル・モスケラ（スペイン、シャコベオ・ガリシア） 16pts
チーム総合成績
1位 カチューシャ 224h06'51"
2位 ケースデパーニュ +16"
3位 シャコベオ・ガリシア +11'41"
text:Makoto.AYANO
photo:Cor Vos, Unipublic
コースは緩やかなアップダウンがあるとは言え、カテゴリー山岳が一つも設定されていない平坦コースに、大集団でのゴールスプリント勝負に持ち込まれることが予想された。デーヴィット・ザブリスキー（アメリカ、ガーミン・トランジションズ）がスタートせず、スタートしたのは159名の選手たち。
逃げを成功させた8人 photo:Unipublicスプリンターたちの闘いになることは確実だが、肝心な有力スプリンターが連日減っている。昨ステージはトル・フースホフト（ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム）が出場せず。そして同チームのテオ・ボス（オランダ）はレース中に停車中のオートバイに突っ込んで負傷してリタイア。サーヴェロは二人のスプリンターを一気に失ってしまった。逃げを許された8人
スタートすぐに8名がアタックを開始。集団はすぐにその逃げを許し、差が開く。逃げる8人のメンバーは次のとおり。いずれも総合上位の危険な選手はいない。
ダニエーレ・ピエトロポッリ（イタリア、ランプレ）総合58位・1時間37分30秒遅れ
ホセアルベルト・ベニテス（スペイン、フットオン・セルヴェット）総合75位・1時間52分41秒遅れ
フアンハビエル・エストラダ（スペイン、アンダルシア・カハスール）総合93位・2時間11分13秒遅れ
パブロ・ウルタスン（スペイン、エウスカルテル）総合113位・2時間42分25秒遅れ
ドミニク・ロエルス（ドイツ、チームミルラム）総合117位・2時間51分26秒遅れ
アレクサンドル・ピショ（フランス、Bboxブイグテレコム）総合120位・2時間53分58秒遅れ
オリヴィエ・カイセン（ベルギー、オメガファーマ・ロット）総合124位・2時間56分39秒遅れ
ホセビセンテ・トリビオ（スペイン、アンダルシア・カハスール）総合137位・3時間14分41秒遅れ
総合リーダーのヴィンチェンツォ・ニーバリ（イタリア、リクイガス） photo:Unipublicこの日の天候は曇りで、時折雨の降る気温25度の快適なコンディションのなかレースは進む。第1スプリントポイント（21km地点）をドミニク・ロエルス（ドイツ、チームミルラム）が、第2スプリントポイント（39km地点）をオリヴィエ・カイセン（ベルギー、オメガファーマ・ロット）がトップ通過。
先頭8名と集団とのタイム差は、残り60km地点で2分程度と、スプリントに持ち込みたいチームがペースをコントロールしてそれ以上は広がることがなかった。
平穏で退屈な動きが続くと思われた集団だったが、補給地点でピエール・カゾー（フランス、フランセーズデジュー）が単独で落車。カゾーは右膝を強打したが、包帯を巻いて再び集団に追いついた。
そして横風が吹きだしたとき、ケースデパーニュ勢が集団の前に集結してペースをあげるが、集団を分裂するには至らず。HTCコロンビア勢が再びペースコントロールに入る。ゴールスプリントに向けて逃げとの差を淡々と縮めだした。
補給地点でピエール・カゾー（フランス、フランセーズデジュー）が単独で落車 photo:Unipublic残り23km、観客が詰めかけたサラマンカの街を通過する逃げグループと集団の差は50秒に縮まる。ガーミン・トランジションズ、クイックステップ、チームHTC・コロンビアが集団のペースを弱めず、50～55km/hほどのスピードで巡航しながら順調に差を詰める。
ジルベールがラスト9kmでアタック
残り15kmで逃げグループからアタックを仕掛けたオリヴィエ・カイセン（ベルギー、オメガファーマ・ロット）が独走を開始。ホセビセンテ・トリビオ（スペイン、アンダルシア・カハスール）とホセアルベルト・ベニテス（スペイン、フットオン・セルヴェット）の2人がカイセンを追走し、合流。ジョイン。3名になるが、メイン集団はわずか10秒後ろに迫っていた。逃げる3人は結局、残り11kmで集団に飲み込まれてしまう。
サラマンカに向けてペースをつくるチームHTC・コロンビア photo:Cor Vosそしていったん動きがなくなった集団からしびれを切らしたフィリップ・ジルベール（ベルギー、オメガファーマ・ロット）が飛び出す。チームHTC・コロンビアやガーミン・トランジションズが懸命に集団を牽いてジルベールを追うが、ジルベールは残り5kmまで逃げた。ジルベールが吸収されると集団の覇権争いが再び始まる。しかし残り３kmを切ってもクイックステップやチームミルラム、リクイガス、ガーミン・トランジションズが入り乱れ、カヴェンディッシュ擁するチームHTC・コロンビアがトレインを組めない。
そしてクイックステップの2人が先頭でラスト1kmのアーチを通過。マシュー・ゴス（オーストラリア、チームHTC・コロンビア）が必死に差を詰める。
ラスト200mを切って先頭のゴスに発射されたカヴェンディッシュがスプリントを開始。フアンホセ・アエド（アルゼンチン、サクソバンク）が後方から伸びを見せるが、カヴェンディッシュはそのままスピードを保ってゴールラインを先頭で駆け抜けた。3位はマヌエル・カルドソ（ポルトガル、フットオン・セルヴェット）。タイラー・ファラー（アメリカ、ガーミン・トランジションズ）は集団に飲まれ前に出ることができなかった。
フアンホセ・アエド（アルゼンチン、サクソバンク）を下し3勝目を挙げたマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア） photo:Unipublicカヴェンディッシュは今ブエルタで通算3勝目。そしてチームHTC・コロンビアにとっては昨日のベリトスの個人タイムトライアルの勝利から２日連続の勝利だ。そしてこの日、ツアー・オブ・ブリテンでアンドレ・グライペルが、女子レースのジロ・ディ・トスカーナでノエミ・キャンテーレ が勝利したことで、チームは世界中で一日に３つの勝利を挙げたことになる。
3勝目のシャンパンファイトを楽しむマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア） photo:Cor Vos選手たちのコメントマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア）
いつも言っているように、ゴールラインを越えるのは僕だけど、その影には８人のチームメイトの協力がある。彼らはスタートから最後まで僕をサポートするために走ってくれた。逃げとの差を２分にとどめ、シウトソウが前に出て差を詰めた。ラスト２kmで周りを囲まれてしまったのにはパニクになったけど、ベリトスが自分は総合を争っているにもかかわらず僕を再び前に引き上げてくれた。ジルベールを捕まえるのに彼は力を使ったけれど、次の山岳ステージのために彼は力をセーブしなければいけないというのに！
クイックステップはとても強かった。最後まで強力に抵抗してくれた。彼らは最後のコーナーをすごいスピードで駆け抜けた。
そしてゴスがいつも以上の仕事でリードアウトを見せてくれた。
とてもテクニカルで難しいフィニッシュだったけど、ラスト180mで行くことができた。僕には勝つための力があった。チームメイトに感謝している。
ブラッドリー・マックギー（サクソバンク監督） ２位のアエドについて
JJはここ数日ハングリーにこのステージを狙ってきた。彼は惜しいところまで行ったけれど、あの状況だった。勝利に向けて争うことがスプリンターにとっては全てだ。２位や３位は集団ゴールと一緒だ。
ヴィンチェンツォ・ニーバリ（イタリア、リクイガス）
まったく静かな一日ではなかった。一日じゅうずっと気をつけて走っていた。最後は集団スプリントになって問題なく一日は終わった。明日はまた危険な一日だ。一日一日を生き延びている。土曜日、ボーラ・デル・ムンドでモスケラと僕は勝利を争う。僕は今穏やかだ。僕は幸運が重要なファクターであることも知っている。
エセキエル・モスケラ（スペイン、シャコベオ・ガリシア）
昨夜マイヨロホを着てマドリッドに立つ夢をみたんだ。それが予知夢かどうかは分からない。でも僕にとって人生最大のチャンスであることは確かだ。
逃げたオリヴィエ・カイセン（ベルギー、オメガファーマ・ロット）
ジルベールがレースリーダーになったとき、僕は彼のために働いた。そして今は自由がある。だから逃げたんだ。集団が２分以上のタイム差を許してくれないことを知ったとき、これは「ミッション・インポッシブル」だと悟った。ラスト40か50kmのとき、僕らは加速したんだ。でもそれは十分ではなかった。
ニコラ・ヴォゴンディ（フランス、Bboxブイグテレコム）
僕は今朝コフィディスと来季からの２年契約を結んだ。ジャン＝ルネ（ベルノドー監督）は8月15日には新しいスポンサーを発表すると言ったけど、もう9月の15日だ。それは20日ぐらいになると思う。ジャンルネには電話でもう待てないと話したよ。
ブエルタは今夜で止める。世界選手権タイムトライアルのために十分な走りができたから。準備はできた。
選手コメントはレース公式リリース、チーム発表より。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第18ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア） 3h27'11"
2位 フアンホセ・アエド（アルゼンチン、サクソバンク）
3位 マヌエル・カルドソ（ポルトガル、フットオン・セルヴェット）
4位 タイラー・ファラー（アメリカ、ガーミン・トランジションズ）
5位 サミュエル・ドゥムラン（フランス、コフィディス）
6位 ロベルト・フェルスター（ドイツ、チームミルラム）
7位 エンリケ・マタ（スペイン、フットオン・セルヴェット）
8位 フレフ・ファンアフェルマート（ベルギー、オメガファーマ・ロット）
9位 ワウテル・ウェイラント（ベルギー、クイックステップ）
10位 ダニーロ・ホンド（ドイツ、ランプレ）
個人総合成績（マイヨロホ）
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ（イタリア、リクイガス） 74h47'06"
2位 エセキエル・モスケラ（スペイン、シャコベオ・ガリシア） +38"
3位 ピーター・ベリトス（スロバキア、チームHTC・コロンビア） +1'59"
4位 フランク・シュレク（ルクセンブルク、サクソバンク） +3'43"
5位 ホアキン・ロドリゲス（スペイン、カチューシャ） +3'48"
6位 シャビエル・トンド（スペイン、サーヴェロ・テストチーム） +3'48"
7位 トム・ダニエルソン（アメリカ、ガーミン・トランジションズ） +3'58"
8位 ニコラス・ロッシュ（アイルランド、アージェードゥーゼル） +4'02"
9位 カルロス・サストレ（スペイン、サーヴェロ・テストチーム） +4'16"
10位 ルイスレオン・サンチェス（スペイン、ケースデパーニュ） +5'42"
ポイント賞（プントス）
1位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、チームHTC・コロンビア） 136pts
2位 タイラー・ファラー（アメリカ、ガーミン・トランジションズ） 104pts
3位 ホアキン・ロドリゲス（スペイン、カチューシャ） 93pts
山岳賞（モンターニャ）
1位 ダヴィ・モンクティエ（フランス、コフィディス） 48pts
2位 セラフィン・マルティネス（スペイン、シャコベオ・ガリシア） 38pts
3位 ゴンサロ・ラブニャル（スペイン、シャコベオ・ガリシア） 25pts
複合賞（コンビナーダ）
1位 ホアキン・ロドリゲス（スペイン、カチューシャ） 14pts
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ（イタリア、リクイガス） 16pts
3位 エセキエル・モスケラ（スペイン、シャコベオ・ガリシア） 16pts
チーム総合成績
1位 カチューシャ 224h06'51"
2位 ケースデパーニュ +16"
3位 シャコベオ・ガリシア +11'41"
text:Makoto.AYANO
photo:Cor Vos, Unipublic
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