2010年8月28日にスペイン南部のセビーリャで開幕する第65回ブエルタ・ア・エスパーニャ。ここではカタルーニャ州に至る第10ステージまでの前半戦のコースを紹介。

8月28日(土)第1ステージ
セビーリャ〜セビーリャ 13km(チームTT) →コースマップ


ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第1ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・エスパーニャ2010第1ステージ・コースプロフィール image:www.lavuelta.com今年で開催65回目を迎えるブエルタ・ア・エスパーニャは、スペイン南部アンダルシア州の州都セビーリャで開幕する。初日は大会22回目の登場となるチームタイムトライアルで、コースは市内中心部を駆け抜けるフラットな13km。一見すると何の変哲もないステージだが、注目すべきはその時間帯にある。最初のチームがスタートするのは何と夜の22時。最後のチームのゴールが24時近くになるというミッドナイトレースなのだ。ここで最速タイムを叩き出し、先頭でゴールラインを駆け抜けた選手が、今年から赤色に変更されたリーダージャージ、マイヨ・ロホに袖を通すことが出来る。


8月29日(日)第2ステージ
アルカラ・デ・グアダイラ〜マルベーリャ 173.7km →コースマップ


ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第2ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・エスパーニャ2010第2ステージ・コースプロフィール image:www.lavuelta.comブエルタ2日目の第2ステージはセビーリャ近郊のアルカラ・デ・グアダイラをスタート。前日の夜24時までレースが行なわれていたにも関わらず、スタート時間は普段と変わらない13時20分。選手たちは眠い目を擦りながらスタート地点につくことになるだろう。ゴール地点は地中海のコスタ・デル・ソルに面したスペイン有数の観光地マルベーリャ。途中には3級山岳を含むアップダウンがいくつも設定されており、標高1100mのピークを通過するとゴールまで約40kmに渡って下りが続く。上りで生き残ったスプリンターたちによるゴール勝負に持ち込まれる可能性が高い。


8月30日(月)第3ステージ
マルベーリャ〜マラガ 157.3km →コースマップ


ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第3ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・エスパーニャ2010第3ステージ・コースプロフィール image:www.lavuelta.com今年のブエルタは大会3日目に早速難易度の高い1級山岳が登場する。スタート後すぐに始まる2級山岳オヘン峠は絶好のエスケープポイント。ゴール地点のマラガ通過後、登坂距離15.8km・平均勾配5.4%という1級山岳レオン峠に突入する。このレオン峠でスプリンターたちは脱落することになるだろう。しかもゴール地点はマラガの街を見下ろすヒブラルファロ城。ラスト1.8km地点から上りが始まり、標高差100mを一気に駆け上がる。この上りで集団が分裂するのは間違いない。アルデンヌ・クラシックを得意とする総合狙いのオールラウンダーたちがバトルを繰り広げることになるだろう。


8月31日(火)第4ステージ
マラガ〜バルデペニャス・デ・ハエン 183.8km →コースマップ


ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第4ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・エスパーニャ2010第4ステージ・コースプロフィール image:www.lavuelta.comグランツール前半はスプリンターにチャンスのある平坦コースが連続するのが通例だが、今年のブエルタは違う。第4ステージも山岳が設定された“スプリンター向きではない”コースが用意された。後半にかけて2級〜3級のカテゴリー山岳が3つ設定されており、ゴール7.8km手前で2級山岳バルデペニャス・デ・ハエン峠(登坂距離9km・平均勾配4.8%)を通過。更にラスト2kmからゴール地点に向かって上りが続き、ラスト1kmを切ってから勾配が15%に達する区間も。この日もパンチ力のある選手がステージ優勝を懸けて闘うことになる。最後の2級山岳で飛び出した選手が逃げ切る可能性も高い。


9月1日(水)第5ステージ
グアディクス〜ロルカ 198.8km →コースマップ


ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第5ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・エスパーニャ2010第5ステージ・コースプロフィール image:www.lavuelta.com慌ただしい数ステージを終え、ようやくブエルタは落ち着きを取り戻す。アンダルシア州からムルシア州に移行する第5ステージは、標高1000mオーバーの山岳地帯を通過するが、カテゴリーの付いた山岳はゼロ。緩やかなアップダウンを繰り返しながら、ゴール地点ロルカに向かう。スプリンターの脚を弱める上りが無いため、大集団によるゴールスプリント勝負に持ち込まれる可能性が高い。ブエルタには、10月3日にオーストラリアで開催されるロード世界選手権に照準を合わすスプリンターたちが多く出場する予定で、必然的にハイレベルな闘いが繰り広げられることになる。


9月2日(木)第6ステージ
カラバカ・デ・クルス〜ムルシア 151km →コースマップ


ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第6ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・エスパーニャ2010第6ステージ・コースプロフィール image:www.lavuelta.comスペイン第7の都市ムルシア(ムルシア州の州都)にゴールする第6ステージは、アタッカーとスプリンターによるエキサイティングな展開に注目したい。その見どころはラスト29kmの周回コースに集約されていると言っていい。ラスト18km地点には2級山岳クレスタ・デル・ガジョ峠(登坂距離7km・平均勾配4.4%)が設定されており、ここで飛び出した選手が逃げ切る可能性も。しかもこのクレスタ・デル・ガジョ峠は下り区間がテクニカル。上りよりも下りでタイム差が付きやすいとも言われている。昨年大会でも第10ステージで似たコースレイアウトが採用され、下り区間が明暗を分けた。


9月3日(金)第7ステージ
ムルシア〜オリウェラ 187.1km →コースマップ


ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第7ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・エスパーニャ2010第7ステージ・コースプロフィール image:www.lavuelta.comムルシア州の平野部を駆け抜ける第7ステージはスプリンター向きの平坦コース。翌日から山岳ステージが始まるため、このステージに懸けるスプリンターたちのモチヴェーションは高いはずだ。ゴールの61km手前に3級山岳オンドン峠が設定されているが、集団スプリントの妨げにはならない。スペインの詩人ミゲル・エルナンデスの生誕100周年を記念して、ブエルタ主催者は同氏の出身地オリウェラをゴール地点に設定。真っ平らなオリウェラのゴールで、大集団による迫力のスプリントバトルが繰り広げられる。総合狙いのオールラウンダーたちは集団内でエネルギーセーブに努めるだろう。


9月4日(土)第8ステージ
ビリェナ〜ソレット・デル・カティ 190km →コースマップ


ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第8ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・エスパーニャ2010第8ステージ・コースプロフィール image:www.lavuelta.com第8ステージは第65回大会最初の難関山岳ステージ。標高1000mクラスのカテゴリー山岳が合計5つ設定されており、ゴールが近づくにつれて難易度が上がるのが特徴だ。疲労した選手たちを待ち構えるゴール直前の1級山岳ソレット・デル・カティ峠は、登坂距離3.8km・平均勾配11.6%の急坂。後半にかけてコンスタントに15%を刻み、頂上の1km手前で最大勾配は22%に達する。この頂上通過後、2kmの下り区間を経て、緩斜面を駆け上がってゴール。この急坂で勝負が決まる可能性が高い。昨年大会でも第9ステージで同じコースレイアウトが採用され、急坂で飛び出した選手が独走勝利を飾った。


9月5日(日)第9ステージ
カルペ〜アルコイ 187.7km →コースマップ


ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第9ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・エスパーニャ2010第9ステージ・コースプロフィール image:www.lavuelta.com今大会最多の7つのカテゴリー山岳が設定された第9ステージ。特にレース後半にかけて2級と3級のカテゴリー山岳が連続して登場する。いずれの山岳も登坂距離は5〜11kmで、平均勾配は5〜7%。目玉になるような高難度の山岳は設定されていないが、上りと下りの繰り返しが選手たちに休む間を与えない。終盤の山岳では総合成績を見据えた激しいアタック合戦が繰り広げられるはずだ。しかもラスト1.1kmから高低差60mを駆け上がるゴールレイアウトが設定されており、最後の最後まで気が抜けない。この厳しい中級山岳ステージを終えると、ブエルタはようやく1回目の休息日を迎える。


9月6日(月)休息日

9月7日(火)第10ステージ
タラゴナ〜ビラノバ・イ・ラ・ヘルトル 175.7km →コースマップ


ブエルタ・ア・エスパーニャ2010第10ステージ・コースプロフィールブエルタ・ア・エスパーニャ2010第10ステージ・コースプロフィール image:www.lavuelta.com1回目の休息日を経て、ブエルタはスペイン北東部に位置するカタルーニャ州に移動。第10ステージは地中海に面したタラゴナからビラノバ・イ・ラ・ヘルトルまでの175.7kmで行なわれる。この日の見どころは、ゴールの31km手前に設定された1級山岳ラット・ペナット峠に尽きる。「コウモリ」を意味するこの上りは登坂距離4.4kmで平均勾配10.8%。中盤にかけて勾配が23%に達する急坂であり、ここで逃げたい選手のアタックが掛かることは間違いない。上りで飛び出した選手をスプリンターチームが全力で追い上げる姿に注目。いよいよブエルタは折り返し地点を迎える。


text:Kei Tsuji
image:lavuelta.com

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