大規模落車でコースが変更となったツール・ド・ポローニュ第4ステージ。1級山岳で形成された先頭集団から飛び出したバルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がスカローニらを退け、プロ初勝利を手に入れた。



4日目を迎えたツール・ド・ポローニュ photo:Tour de Pologne

ツール・ド・ポローニュ第4ステージ image:Tour de Pologne

ここまで3日連続の集団スプリントで決着となり、ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)が3連勝を飾っているツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)。第4ステージの大部分は平坦路だが、最後に1級山岳を駆け上がるレイアウトで争われた。ここから3日連続で山岳バトルが繰り広げられる。

ここまで3日連続で逃げに乗っているドリース・デボント(ベルギー、ジェイコ・アルウラー)を含む4名がエスケープ。レース後半に入ると、分厚い雲からついに雨が降り出し、路面と選手たちを濡らした。すると残り42km地点で、逃げを追いかけるメイン集団に大規模落車が発生した。

ドリース・デボント(ベルギー、ジェイコ・アルウラー)を含む4名による逃げ集団 photo:Tour de Pologne

約30名を巻き込んだこのクラッシュには、ミランや総合優勝候補のジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)も巻き込まれ、UAEチームエミレーツXRGはフアン・モラノ(コロンビア)とブノワ・コスヌフロワ(フランス)がリタイア。この事態を受け、主催者はレースを一時中断し、逃げ集団を含む全選手を停止させた。その後、選手側から寄せられた「滑りやすい下りを回避する迂回コースへの変更」との要望を受け入れ、代替ルートを通ることとなった。

レース再開後、ヴィスマ・リースアバイクがプロトンのペースを作り、残り8km地点で逃げ集団を飲み込んだ。バーレーン・ヴィクトリアスが牽引する集団から、残り7.4km地点でプロ2年目の23歳、タイメン・フラート(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がアタック。そこにチームメイトであるバルト・レメン(オランダ)とマルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング)、さらに遅れてクリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ)が合流し、4名の先頭集団を形成した。

その後フラートが遅れ、残り4.6km地点でレメンが仕掛ける。この加速にスカローニとブレンナーはついていけず、1級山岳の頂上を先頭通過したレメンは、フィニッシュへと続く下りも飛ばした。猛追するスカローニを退け、そのまま先頭でフィニッシュし、プロ初勝利を手に入れた。

バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)にクリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ)が迫る photo:Tour de Pologne

プロ初勝利を挙げたバルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

「素晴らしい気分だ。今でも信じられない。勝てないことにはもううんざりだった。そして今日、ようやく勝つことができた。落車の後は、このまま走り続けるべきかどうか本当に迷った。身体中が痛かったが、再びバイクに乗るとアドレナリンが出てきた」とレースを振り返ったレメンは、オランダ空軍で小隊長を務めていた異色の経歴を持つ。2021年に本格的に自転車競技へ転向すると、オランダTT選手権で8位の好成績を残し、オランダのコンチネンタルチーム、フォルカーヴェッセルスに加入。その後、ヒューマンパワードヘルスでプロデビューを果たし、加入3年目のヴィスマ・リースアバイクに勝利をもたらした。

レメンはこの勝利で個人総合でも首位に浮上し、リーダージャージを獲得。続く2日間の総合争いで首位を守れるかに注目が集まる。

総合首位に立ったバルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:Tour de Pologne
ツール・ド・ポローニュ2026第4ステージ
1位 バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) 3:54:45
2位 クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ)
3位 アクセル・ローランス(フランス、ネットカンパニー・イネオス) +0:14
4位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング)
5位 ルイ・バレ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) +0:16
6位 アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ)
7位 ポール・ラペラ(フランス、デカトロンCMA CGM)
8位 フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
9位 アーロン・ドックス(ベルギー、アルペシン・プレミアテック)
10位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ウノエックス・モビリティ) +0:20
個人総合成績
1位 バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) 16:16:12
2位 クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ) +0:06
3位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダープロサイクリング) +0:26
4位 マッテオ・ソブレロ(イタリア、リドル・トレック) +0:27
5位 フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:28
6位 ルイ・バレ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)
7位 ポール・ラペラ(フランス、デカトロンCMA CGM)
8位 アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ)
9位 アーロン・ドックス(ベルギー、アルペシン・プレミアテック) +0:32
10位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)
その他の特別賞
ポイント賞 ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
山岳賞 バルト・レメン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)
チーム総合成績 ヴィスマ・リースアバイク
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour de Pologne, CorVos

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