迫る大集団を振り切り、逃げ切り勝利が決まったツール・ド・スイス3日目。ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)がマッチスプリントでムーリッセを下し、チームに今大会2勝目をもたらした。



6月19日に行われたツール・ド・スイス第3ステージ photo:CorVos

例年の8日間から5日間となったツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)は、真ん中の第3ステージを迎えた。157.4kmコースはスタート直後からカテゴリーなき丘を越え、コース前半に2つの1級山岳が設定された丘陵ステージ。しかしラスト約60kmは平坦路となるため、集団スプリントが予想された。

最初の丘ではサム・オーメン(オランダ、リドル・トレック)ら7名が逃げを打つ。その後最初の1級山岳で逃げは16名となり、メイン集団がこれを吸収。一度レースは振り出しに戻ったものの、その後もアタックは続き、ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)とクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、ピナレロQ36.5プロサイクリング)、ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド、ネットカンパニー・イネオス)の3名がレース先頭に立った。

逃げを打ったクサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、ピナレロQ36.5プロサイクリング)とジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

プロトンはヴィスマ・リースアバイクが牽引する photo:CorVos

クフィアトコフスキが遅れ、先頭は2名となる一方、後続ではプロトンを飛び出したアントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)らが強力な追走集団を形成する。そこにクフィアトコフスキも加わったが、なかなか先頭との差が縮まらない。プロトンではナルバエスが逃げているためUAEチームエミレーツXRGは牽引せず、代わりにマシュー・ブレナン(イギリス)でのスプリント勝利を狙いたいヴィスマ・リースアバイクがペースを作った。

プロトンは残り48km地点で追走のティベーリ・グループを吸収。この頃から激しい雨が選手たちを襲い、ヴィスマがナルバエスとムーリッセとの差を縮めていく。雨が上がり、路面もドライに戻った残り10km地点でその差は1分。しかし猛追するプロトンを、経験豊富な2名が振り切った。

猛スピードで迫るプロトンを目視した2名は、ムーリッセを先頭に最終ストレートに到着。ナルバエスが先にスプリントを開始し、ムーリッセを振り切ってフィニッシュした。

迫る集団を振り切り、逃げ切り勝利したジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

区間3勝と大成功だったジロ・デ・イタリアからの好調を引き継ぎ、得意の勝ちパターンから見事な逃げ切り勝利を決めたナルバエス。「厳しい1日だった。特に終盤は向かい風で、ムーリッセと僕の2人で全力で踏み続けた。だから嬉しい。僕たちは終盤、本当に良い走りができた。昨日はチームとしてミスを犯してしまった。今日はチームから2人、ステージ優勝を狙う自由が与えられていたので、僕は逃げに乗ろうとした。その後はザンドロとただ全開で踏み続けた。今日はチャンスをもらえて嬉しい」と語った。

総合首位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)を含むプロトンはタイム差なしでフィニッシュ。その先頭はマグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)が取り、区間3位に入っている。
ツール・ド・スイス2026第3ステージ結果
1位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) 3:34:46
2位 クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、ピナレロQ36.5プロサイクリング)
3位 マグナス・コルト(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)
4位 マライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)
5位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)
6位 コービン・ストロング(ニュージーランド、NSNサイクリングチーム)
7位 アクセル・ローランス(フランス、ネットカンパニー・イネオス)
8位 パウ・ミケル(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)
9位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)
10位 フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
個人総合成績
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) 10:29:52
2位 リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) +2:50
3位 アンドレア・バジオーリ(イタリア、リドル・トレック) +3:07
4位 マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) +4:16
5位 フィンレー・ピカリング(イギリス、ジェイコ・アルウラー) +4:41
6位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) +4:44
7位 イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
8位 ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG)
9位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) +4:57
10位 マシュー・リッチテッロ(アメリカ、デカトロンCMA CGM) +5:11
その他の特別賞
ポイント賞 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)
山岳賞 ルイス・フェルファーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
ヤングライダー賞 マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツXRG
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

最新ニュース(全ジャンル)