過去に3連覇しているマーレン・ロイサー(スイス)が、ヨーロッパ選手権女子エリートタイムトライアルで圧巻の走り。男子エリートのレムコ・エヴェネプール(ベルギー)と同じく、TT世界王者が欧州王者を制した。男女U23やジュニアの結果も伝える。



世界選手権に続き、欧州選手権のTTを制したマーレン・ロイサー(スイス) photo:UCI

フランス南東部のドローム県で行われたヨーロッパ選手権の女子エリートタイムトライアル。コースは男子エリートと同じ24kmで、3つの中間計測とフィニッシュ前に登坂距離1.1km、平均勾配5.2%の坂を登るレイアウトだ。

アフリカのルワンダで行われたロード世界選手権からの移動距離や過密日程のため、44名の出場メンバーの中に世界選手権で2位だったアンナ・ファンデルブレッヘンとデミ・フォレリング(共にオランダ)の名前はなし。前回覇者ロッテ・コペッキー(ベルギー)は怪我、エレン・ファンダイク(オランダ)は世界選手権を含め不出場だった。その中で、世界選手権で圧巻の走りを見せ初優勝したロイサーが出場した。

ロードヨーロッパ選手権2025 女子エリートタイムトライアル表彰台:2位オッテスタッド、1位ロイサー、3位ブレーデウォルツ photo:UCI

そして2位に49秒差をつけ、優勝したのはアルカンシエルをまとったロイサーだった。出場選手で唯一平均時速を43km台に乗せたロイサーは、第1計測地点こそカトリーヌ・アーレルッド(ノルウェー)が僅差で先行したものの、その後スピードに乗り33分06秒でフィニッシュ。世界王者であるため、シーズンを通して着用することはないヨーロッパ王者ジャージに袖を通した。

「今日は風が、全員にとって最大の敵となった。(世界選手権での)レベルを維持することができて本当に嬉しい。昨年は体調不良で出場できなかった。今日は全然自信がなかったからこそ、本当に嬉しい勝利」と語り、2021年から3年連続で優勝し、4度目となる戴冠をロイサーは喜んだ。

2位はノルウェーのロード王者であるミーエビョルンダル・オッテスタッド、3位は2023年のロード欧州王者のミーシャ・ブレーデウォルツが入り、強豪オランダの意地を見せた。

男子U23タイムトライアルを制したジョナタン・ヴェルヴェンヌ(ベルギー) photo:CorVos

女子U23タイムトライアルで優勝したフェデリカ・ヴェントゥレッリ(イタリア) photo:CorVos

同日開催の男子U23はベルギーがワンツーフィニッシュし、優勝は来年スーダル・クイックステップへの昇格が決まっているジョナタン・ヴェルヴェンヌ。女子U23は世界選手権で3位に入ったフェデリカ・ヴェントゥレッリ(イタリア)が優勝。ヴェントゥレッリも来年はUAEチームADQの下部チームからトップチームへ昇格する予定だ。

男子ジュニアは同カテゴリーのTT世界王者であるミヒール・モーリス(オランダ)が優勝。女子ジュニアは世界選手権のTTで2位、ロードで優勝したパウラ・オスティス(スペイン)が制し、チャンピオンジャージを獲得した。
ロードヨーロッパ選手権2025 女子エリートタイムトライアル結果
1位 マーレン・ロイサー(スイス) 33:06
2位 ミーエビョルンダル・オッテスタッド(ノルウェー) +0:49
3位 ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ) +0:51
4位 カトリーヌ・アーレルッド(ノルウェー)
5位 リーケ・ノーイェン(オランダ) +0:58
その他カテゴリーのタイムトライアル結果
男子U23タイムトライアル優勝
ジョナタン・ヴェルヴェンヌ(ベルギー)
女子U23タイムトライアル優勝
フェデリカ・ヴェントゥレッリ(イタリア)
男子ジュニアタイムトライアル優勝
ミヒール・モーリス(オランダ)
女子ジュニアタイムトライアル優勝
パウラ・オスティス(スペイン)
text:Sotaro.Arakawa
photo:UCI, CorVos