集団スプリントで決着したツール・ド・台湾(UCI2.1)最終第5ステージで、22歳のポール・エヌカン(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)がプロ初勝利。黒枝士揮(スパークルおおいた)が8位に入り、ギルモアが総合優勝に輝いた。



元チームメイトであるフォン・チュンカイ(宇都宮ブリッツェン)と新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) photo:Tour de Taiwan

今年で20回目を迎えたツール・ド・台湾(UCI2.1)も最終日。全5日間の戦いを締めくくるのは高雄市の美濃客家文物館から六堆客家文化園区を結ぶ121.41kmの平坦路だ。

スタート後1時間弱を要し、形成された逃げグループは6名。キナンレーシングチームからは新城雄大が唯一の日本人として入り、宇都宮ブリッツェンはルーベン・アコスタ(コロンビア)を、JCLチーム右京はニコロ・ガリッボ(イタリア)を送る。一方のメイン集団は、大会初日を制したルージャイインシュランスや、総合優勝を狙うイスラエル・プレミアテックが中心に牽引した。

新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)などが逃げを試みた序盤 photo:Tour de Taiwan

逃げが決まり、ひと塊で進むプロトン photo:Tour de Taiwan

レースも終盤に入ると逃げからはアコスタが集団スプリントに備えるべくプロトンに戻り、5名となった逃げも残り16km地点で吸収される。中間スプリントはダニエル・カビア(スペイン、ブルゴス・ブルペレットBH)がトップ通過し、集団は鋭角な最終コーナーを通過。イスラエルを先頭に集団スプリントが幕開けた。

各チームのエースが同時に踏み始めるなか、後方から一気に加速したポール・エヌカン(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)が先頭を奪う。前日勝者のイタマル・アインホルン(イスラエル、イスラエル・プレミアテック)も及ばず、エヌカンが大会最終ステージを制した。

スプリント勝利したポール・エヌカン(フランス、エウスカルテル・エウスカディ) photo:Tour de Taiwan

フィニッシュの瞬間、顔を下に向けながら両手拡げるパフォーマンスを披露したエヌカン。今年プロデビューした22歳で、フランスのコンチネンタルチームであるニース・メトロポール・コート・ダジュール所属時代も、2クラスのレースでいくつもの勝利を飾っている若手スプリンターだ。初日は2位、4日目は3位に入り、最終日で念願の勝利と共にポイント賞を獲得している。

日本人最上位は8位に入った黒枝士揮(スパークルおおいた)。そして総合優勝は2日目勝者のブレイディ・ギルモア(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)が輝き、総合21位をキープした小石祐馬(JCLチーム右京)がベストアジアンライダー賞を獲得している。

念願のプロ初勝利を手に入れたポール・エヌカン(フランス、エウスカルテル・エウスカディ) photo:Tour de Taiwan

ベストアジアンライダー賞を獲得した小石祐馬(JCLチーム右京) photo:Tour de Taiwan
ツール・ド・台湾2025第5ステージ
1位 ポール・エヌカン(フランス、エウスカルテル・エウスカディ) 2:33:53
2位 ダヴィデ・ボンボイ(ベルギー、ユニベット・ティテマ・ロケッツ)
3位 イタマル・アインホルン(イスラエル、イスラエル・プレミアテック)
4位 ダニエル・カビア(スペイン、ブルゴス・ブルペレットBH)
5位 フィリッポ・フォルティン(イタリア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
8位 黒枝士揮(スパークルおおいた)
個人総合成績
1位 ブレイディ・ギルモア(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) 13:44:43
2位 モーリッツ・クレッチュ(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)
3位 ジョルディ・ロペス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +0:06
4位 ジャコモ・バッラビオ(イタリア、ヒリンコウ・アドバリクス)
5位 ロレンツォ・クアルトゥッチ(イタリア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)
その他の特別賞
ポイント賞 ポール・エヌカン(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)
山岳賞 ランデル・ロークス(ベルギー、ユニベット・ティテマ・ロケッツ)
チーム総合成績 エウスカルテル・エウスカディ
text:Sotaro.Arakawa
photo:Tour de Taiwan