2025/03/20(木) - 08:20
増田成幸(JCLチーム右京)が逃げに乗ったミラノ〜トリノは、復活したスペルガ峠で3名に絞られる。21歳のイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)が圧巻の加速で今シーズン初勝利を飾った。

逃げを試みる小林海(JCLチーム右京) photo:CorVos

ミラノ〜トリノ2025 コースプロフィール image:RCS Sport 今シーズン1つ目のモニュメント(5大クラシック)であるミラノ〜サンレモを3日後に控えた3月18日(水)、同じイタリア北西部でミラノ〜トリノ(UCI1.Pro)が開催された。第1回大会が1876年である「イタリア最古のレース」は、2022年より10月から3月に移行。そのため2007年以前と同様に、ミラノ〜サンレモの重要な前哨戦と見られている。
コースはミラノ県ローからトリノまでの174kmで、レースの名物「スペルガ峠(距離4.9km/平均勾配9.1%)」が2021年大会振りに復活。しかもその時と同じく最大勾配14%の丘を2度登坂する。そのためスタート地点には、好調なマルク・ヒルシ(スイス、チューダー・プロサイクリング)やアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)、ミラノ〜サンレモに向けて最終調整を行うディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDSアスタナ)などが登りが得意な選手たちが集結した。

5名逃げに入った増田成幸(JCLチーム右京) photo:RCS Sport
また日本からはJCLチーム右京が初出場を果たした。日本人選手ではナショナル王者ジャージを着る小林海と石橋学、増田成幸に20歳の鎌田晃輝が出場。晴天の中スタートすると、最年長出場者である41歳の増田を含む、5名が逃げグループを形成した。
メイン集団では激坂を得意とするマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)が昨年覇者アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ)と落車する。ベッティオルは無事に再スタートを切った一方、ウッズは左鎖骨を骨折。序盤で優勝候補の一人がレースを去ることとなった。
UAEチームエミレーツXRGを中心に牽引するプロトンに対し、1度目のスペルガ峠に入った時点で逃げのリードは53秒。マルコ・カベド(スペイン、JCLチーム右京)がパンクに見舞われるなか、増田は登りの途中でプロトンに吸収される。逃げからはヨナス・ルッチ(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)がワールドチームの意地を見せ、スペルガ峠の頂上を先頭で通過した。

逃げとの差をコントロールしながら進むプロトン photo:RCS Sport
下りでもルッチは飛ばし、後続との差を広げていく。しかしUAEの高速牽引はルッチの独走を許さず、2度目のスペルガ峠の登り口でキャッチ。イェーツのハイペースは集団の人数を6名まで一気に減らしていった。
残り1.6km地点でリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が追いつき、反対にアンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が遅れ始める。そしてイェーツが役割を終えた残り1.3km地点でイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)がアタック。それにベン・トゥレット(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)とアンデシュの双子の兄弟であるトビアスが食らいつく。

最後のスペルガ峠でペースを作るアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
先頭3名が牽制に入るなか、トビアス・ヨハンネセンが残り500mを前に仕掛ける。だが2名を引き離すことはできず、追いつくと同時に今度はトゥレットが踏み込む。その背後についたデルトロが冷静に加速し、何度も背後を確認する余裕を見せながらフィニッシュラインを通過した。

勝利したイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos
圧巻の加速を見せ、お辞儀のパフォーマンスを披露しながらフィニッシュしたデルトロ。「今シーズン初勝利だ。これ以上の喜びはない。イェーツが僕を信頼して牽引してくれ、その後は力を尽くした。この勝利は僕らチームにふさわしい」と、21歳でプロ4勝目を飾ったデルトロは語った。
デルトロはこの後、タデイ・ポガチャル(スロベニア)と共にミラノ〜サンレモに出場予定だ。
2位はトゥレットで3位はトビアス。アンデシュが6位に入ったため、ヨハンネセン兄弟は双子でのトップ10入りを果たしている。日本人最高位は91位(7分15秒遅れ)の小林で、逃げて見せ場を作った増田は113位で完走を果たした。

今季初勝利を掴んだイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:RCS Sport


コースはミラノ県ローからトリノまでの174kmで、レースの名物「スペルガ峠(距離4.9km/平均勾配9.1%)」が2021年大会振りに復活。しかもその時と同じく最大勾配14%の丘を2度登坂する。そのためスタート地点には、好調なマルク・ヒルシ(スイス、チューダー・プロサイクリング)やアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)、ミラノ〜サンレモに向けて最終調整を行うディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDSアスタナ)などが登りが得意な選手たちが集結した。

また日本からはJCLチーム右京が初出場を果たした。日本人選手ではナショナル王者ジャージを着る小林海と石橋学、増田成幸に20歳の鎌田晃輝が出場。晴天の中スタートすると、最年長出場者である41歳の増田を含む、5名が逃げグループを形成した。
メイン集団では激坂を得意とするマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)が昨年覇者アルベルト・ベッティオル(イタリア、XDSアスタナ)と落車する。ベッティオルは無事に再スタートを切った一方、ウッズは左鎖骨を骨折。序盤で優勝候補の一人がレースを去ることとなった。
UAEチームエミレーツXRGを中心に牽引するプロトンに対し、1度目のスペルガ峠に入った時点で逃げのリードは53秒。マルコ・カベド(スペイン、JCLチーム右京)がパンクに見舞われるなか、増田は登りの途中でプロトンに吸収される。逃げからはヨナス・ルッチ(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)がワールドチームの意地を見せ、スペルガ峠の頂上を先頭で通過した。

下りでもルッチは飛ばし、後続との差を広げていく。しかしUAEの高速牽引はルッチの独走を許さず、2度目のスペルガ峠の登り口でキャッチ。イェーツのハイペースは集団の人数を6名まで一気に減らしていった。
残り1.6km地点でリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が追いつき、反対にアンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が遅れ始める。そしてイェーツが役割を終えた残り1.3km地点でイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)がアタック。それにベン・トゥレット(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)とアンデシュの双子の兄弟であるトビアスが食らいつく。

先頭3名が牽制に入るなか、トビアス・ヨハンネセンが残り500mを前に仕掛ける。だが2名を引き離すことはできず、追いつくと同時に今度はトゥレットが踏み込む。その背後についたデルトロが冷静に加速し、何度も背後を確認する余裕を見せながらフィニッシュラインを通過した。

圧巻の加速を見せ、お辞儀のパフォーマンスを披露しながらフィニッシュしたデルトロ。「今シーズン初勝利だ。これ以上の喜びはない。イェーツが僕を信頼して牽引してくれ、その後は力を尽くした。この勝利は僕らチームにふさわしい」と、21歳でプロ4勝目を飾ったデルトロは語った。
デルトロはこの後、タデイ・ポガチャル(スロベニア)と共にミラノ〜サンレモに出場予定だ。
2位はトゥレットで3位はトビアス。アンデシュが6位に入ったため、ヨハンネセン兄弟は双子でのトップ10入りを果たしている。日本人最高位は91位(7分15秒遅れ)の小林で、逃げて見せ場を作った増田は113位で完走を果たした。

ミラノ〜トリノ2025結果
1位 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) | |
2位 | ベン・トゥレット(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
4位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG) | |
5位 | エイネル・ルビオ(コロンビア、モビスター) | |
6位 | アンデシュ・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
7位 | ジェフェルソン・セペダ(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
8位 | ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ) | |
9位 | ハロルド・ロペス(エクアドル、XDSアスタナ) | |
10位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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