2025/02/23(日) - 08:26
2日連続でスプリント決着となったUAEツアー第6ステージ。ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が他を寄せ付けない圧巻のスピードで連勝を決めた。
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山岳決戦を翌日に控えるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:UAE Tour
タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が逃げに乗る驚きの展開があったUAEツアー(UCIワールドツアー)も、残すところあと2日。ジュベルハフィートでの山岳決戦を翌日に控えた第6ステージは、アブダビ市街地を巡る165km平坦路で争われた。
この日は前日に落車したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)やフェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター)という2名の優勝候補が未出走。レースは序盤から黒色の中間スプリントジャージを着るマヌエーレ・トロッツィ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)と、新城幸也が所属するソリューションテック・ヴィーニファンティーニによる4名が逃げた。
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アブダビのビル群の中を進む選手たち photo:UAE Tour
海に面した沿岸を走るため、吹きつける横風による集団分断が心配された。そのためメイン集団はハイペースで進み、残り60kmで逃げ集団とのタイム差を20秒まで縮める。しかし時期尚早と判断したプロトンはペースを緩め、再び逃げとの差は1分に戻った。
2つの中間スプリントは、数で優るソリューションテックのジョルジェ・ジュリッチ(セルビア)がどちらも先頭通過。その結果トロッツィからブラックジャージを奪取することに成功する。そして残り2.5kmで逃げが引き戻されると、2日連続となる集団スプリントに突入した。
最終ストレート手前の緩いS字コーナーに先頭で入ったのはチューダー・プロサイクリング。しかしリードアウトが終わった瞬間、真っ先に飛び出したのはエーススプリンターのアーヴィッド・デクライン(オランダ)ではなくティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)だった。
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先頭に立ったティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:UAE Tour
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圧巻のスプリントで連勝を決めたティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:UAE Tour
ヨーロッパ王者であるメルリールは右コーナーをイン側で抜け、トップスピードに乗ると後続を引き離す。背後ではヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)やジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)がもがくものの、6車身は離す圧倒的な差でフィニッシュラインを通過。前日に続く2連勝を手に入れた。
「残り2kmでベルト(ファンレルベルへ)を見失い、四方を囲まれてしまった。幸い残り300mで隙間を見つけ、ライバルを驚かせようと(早めの)スプリントを仕掛けた。その後はフィニッシュを目指して踏み続けるだけだった」と、メルリールは勝利を振り返った。
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圧巻のスプリントで連勝を決めたティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:UAE Tour
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総合首位をキープしたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:UAE Tour
大会最終日となる翌日は、名物山岳であるジュベルハフィート(距離10.8km/平均6.6%)を駆け上がる山頂フィニッシュ。総合首位ポガチャルと2位ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の差は21秒で、10位のオスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)とも44秒差のため、上位選手に総合優勝のチャンスが十分残された戦いとなる。
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タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が逃げに乗る驚きの展開があったUAEツアー(UCIワールドツアー)も、残すところあと2日。ジュベルハフィートでの山岳決戦を翌日に控えた第6ステージは、アブダビ市街地を巡る165km平坦路で争われた。
この日は前日に落車したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)やフェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター)という2名の優勝候補が未出走。レースは序盤から黒色の中間スプリントジャージを着るマヌエーレ・トロッツィ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)と、新城幸也が所属するソリューションテック・ヴィーニファンティーニによる4名が逃げた。
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海に面した沿岸を走るため、吹きつける横風による集団分断が心配された。そのためメイン集団はハイペースで進み、残り60kmで逃げ集団とのタイム差を20秒まで縮める。しかし時期尚早と判断したプロトンはペースを緩め、再び逃げとの差は1分に戻った。
2つの中間スプリントは、数で優るソリューションテックのジョルジェ・ジュリッチ(セルビア)がどちらも先頭通過。その結果トロッツィからブラックジャージを奪取することに成功する。そして残り2.5kmで逃げが引き戻されると、2日連続となる集団スプリントに突入した。
最終ストレート手前の緩いS字コーナーに先頭で入ったのはチューダー・プロサイクリング。しかしリードアウトが終わった瞬間、真っ先に飛び出したのはエーススプリンターのアーヴィッド・デクライン(オランダ)ではなくティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)だった。
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ヨーロッパ王者であるメルリールは右コーナーをイン側で抜け、トップスピードに乗ると後続を引き離す。背後ではヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)やジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)がもがくものの、6車身は離す圧倒的な差でフィニッシュラインを通過。前日に続く2連勝を手に入れた。
「残り2kmでベルト(ファンレルベルへ)を見失い、四方を囲まれてしまった。幸い残り300mで隙間を見つけ、ライバルを驚かせようと(早めの)スプリントを仕掛けた。その後はフィニッシュを目指して踏み続けるだけだった」と、メルリールは勝利を振り返った。
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大会最終日となる翌日は、名物山岳であるジュベルハフィート(距離10.8km/平均6.6%)を駆け上がる山頂フィニッシュ。総合首位ポガチャルと2位ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)の差は21秒で、10位のオスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL)とも44秒差のため、上位選手に総合優勝のチャンスが十分残された戦いとなる。
UAEツアー2025第6ステージ結果
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 3:44:14 |
2位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
3位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | |
4位 | マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、ジェイコ・アルウラー) | |
5位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ピクニック・ポストNL) | |
6位 | ドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア、ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ) | |
7位 | ダニエル・スケール(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | エンリーコ・ザノンチェッロ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ) | |
9位 | サム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ステフェン・デシュハイテニール(ベルギー、ロット) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 19:24:48 |
2位 | ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:21 |
3位 | イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) | +0:27 |
4位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:28 |
5位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) | +0:36 |
6位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +0:37 |
7位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:38 |
8位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット) | |
9位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +0:41 |
10位 | オスカー・オンリー(イギリス、ピクニック・ポストNL) | +0:44 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) |
ヤングライダー賞 | ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
チーム総合成績 | モビスター |
text:Sotaro.Arakawa
photo:UAE Tour
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