終始ウノエックスがレースを支配したブエルタ・ア・アンダルシア第3ステージ。37歳のベテラン、アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が鮮烈なスプリントでプロ通算97勝目を飾った。



ブエルタ・ア・アンダルシア3日目に臨んだイネオス・グレナディアーズ photo:INEOS Grenadiers

トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)によるスプリント勝利から一夜明け、ブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2.Pro)は第3ステージが行われた。162.1kmコースは序盤に2級山岳を登坂し、その後は標高700〜600mの高台を進んで平坦路がフィニッシュまで続く。そのためスプリンター向きのステージと見られた。

ウルグアイ王者ジャージを纏うギリェルモ・シルバ(カハルラル・セグロスRGA)が入った逃げは3名。メイン集団では、エーススプリンターを擁するウノエックス・モビリティとエウスカルテル・エウスカディのプロチームを中心にペースメイクを担う。タイム差は残り30kmを境に縮小すると、プロトンで大規模落車が発生した。

フィニッシュ地点であるポソブランコを目指す選手たち photo:CorVos

クリストフや総合リーダージャージを着るパヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツXRG)など総合上位勢は落車を回避。約40名に絞られたプロトンが残り22km地点で逃げを吸収する。序盤から集団を牽引してきたウノエックスがトレインを形成するも、フラムルージュ(残り1km)手前でイネオス・グレナディアーズが先頭を奪取。イネオスの狙いは、パンチャータイプの脚質ながらスプリントにも対応できるベン・ターナー(イギリス)を勝たせることだった。

オドネ・ホルテル(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)がトラック競技マディソンのように左手を出し、仲間を引き上げるフリをしながら後方に下がる。 オマール・フライレ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)が先頭で最終ストレートに突入するも、すぐにウノエックスが先頭を奪い返す。その動きに合わせて、ターナーがロングスプリントを開始した。

スプリントでターナーを退けたアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:CorVos

虚を突かれたクリストフは一瞬反応が遅れ、ターナーが2車身差をつける。トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)やマキシム・ファンヒルス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)も懸命に追い上げるが、渾身のスプリントを見せたクリストフが、フィニッシュ手前でターナーを抜き去った。

クリストフは「スタートからレースの主導権を握ったものの、予想以上に厳しい展開だった。最後は脚がフレッシュではなかったし、リードアウトに慣れていないチームメイトが前に残ったので、連携も難しかった。しかし、チーム全体の走りを勝利に繋げることができて嬉しい」と語り、プロ通算97勝目を喜んだ。

3位に入ったファンヒルスはボーナスタイム4秒を獲得。また4位のピドコックは、レース中に設けられたゴールデンKMで合計6秒のボーナスタイムを獲得し、総合首位シヴァコフとの差を32秒から26秒に縮めた。
ブエルタ・ア・アンダルシア2025第3ステージ結果
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) 3:51:32
2位 ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
3位 マキシム・ファンヒルス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
4位 トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング)
5位 オリヴェル・ナーセン(ベルギー、デカトロンAG2Rラモンディアール)
個人総合成績
1位 パヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツXRG) 11:33:06
2位 クレマン・ベルテ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアール) +0:23
3位 トーマス・ピドコック(イギリス、Q36.5プロサイクリング) +0:26
4位 マキシム・ファンヒルス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:59
5位 ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG) +1:03
その他の特別賞
ポイント賞 マキシム・ファンヒルス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
山岳賞 ギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、カハルラル・セグロスRGA)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツXRG
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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