リドル・トレックが展開を掌握したボルタ・フェメニーナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ3日目。エリーザ・バルサモ(イタリア)がスプリントを制し、前日2位のリベンジを果たした。



第3ステージに臨むデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

サグントから丘陵地帯を経て、バレンシアにフィニッシュしたボルタ・フェメニーナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)第3ステージ。この日はコース後半に2級山岳が設定されていたものの、平均勾配が5%に満たず、頂上からフィニッシュまでは緩やかな下りと平坦路が続くレイアウト。そのため、集団スプリントが大方の予想となった。

レースはエミリー・ワッツ(オーストラリア、サンミシェル・プレフェンスホーム・オベール93WE)とフリアナ・ロンドーニョ(コロンビア、ピクニック・ポストNL)が先行する展開に。しかし2級山岳でワッツが遅れ、今月コロンビア選手権を制した20歳のロンドーニョが単独先頭へ。その後、メイン集団から飛び出した選手たちがロンドーニョに合流し、新たな逃げ集団が形成された。

逃げを打ったエミリー・ワッツ(オーストラリア、サンミシェル・プレフェンスホーム・オベール93WE)とフリアナ・ロンドーニョ(コロンビア、ピクニック・ポストNL) photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

逃げを吸収し、集団スプリントに向かうプロトン photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

逃げを引き戻したプロトンからは、フィニッシュまで残り25km地点でアムベル・クラーク(オランダ、FDJスエズ)を含む3名がアタックを仕掛けた。それをエリーザ・バルサモ(イタリア)擁するリドル・トレックが牽引するプロトンが追い、残り1.3km地点で吸収。勝負はやはり集団スプリントに持ち込まれた。

エレオノラ・ガスパリーニ(イタリア、UAEチームADQ)が先にスプリントを開始すると、それに背後からバルサモが応戦。さらに後方からインヴィル・ゴーシャン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が迫ったものの、元世界王者のトップスピードには敵わなかった。

スプリント勝利したエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos

初日4位、2日目は2位と勝利を逃し続けてきたバルサモが掴んだ、今シーズン初勝利。「昨日は目前で勝利を逃していたのでとても嬉しい。チームメイトが先頭集団との差を詰め、スプリントに持ち込んでくれた。本当に素晴らしい走りだった」と、バルサモは喜びを語った。

トップと同タイムの20位でフィニッシュしたデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)は総合首位をキープ。翌日も丘陵ステージながら集団スプリントが濃厚なレイアウトのため、総合優勝を大きく引き寄せた。
ボルタ・フェメニーナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ2025第3ステージ結果
1位 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) 2:54:34
2位 インヴィル・ゴーシャン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
3位 アグニエシュカ・スカルニアクソイカ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)
4位 エレオノラ・ガスパリーニ(イタリア、UAEチームADQ)
5位 リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)
個人総合成績
1位 デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) 9:18:31
2位 マーレン・ロイサー(スイス、モビスター) +0:34
3位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) +0:37
4位 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) +1:25
5位 リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) +1:32
その他の特別賞
ポイント賞 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)
山岳賞 ブローディー・チャップマン(オーストラリア、UAEチームADQ)
ヤングライダー賞 エレオノラ・チアボッコ(イタリア、ピクニック・ポストNL)
チーム総合成績 FDJスエズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, Volta Comunitat Valenciana Fémines