アタックの応酬となったボルタ・フェメニーナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ第2ステージ。ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)がスプリントでバルサモを退け、今季初勝利を飾った。



現役復帰レースだった前日に3位に入ったアンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)による圧巻の独走勝利で幕を開けたボルタ・フェメニーナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)。その2日目はスタートから徐々に標高を上げ、コース中央に設定された大会唯一の1級山岳を登坂。直後の2級山岳をクリアした後は、下りと平坦路がフィニッシュまで続いていく。

レースはエヴァ・ファンアフト(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)とブローディー・チャップマン(オーストラリア、UAEチームADQ)が逃げを打つ。1月に新しいオーストラリアのタイムトライアル王者に輝いたチャップマンは、中間スプリントを先頭通過。1級山岳でファンアフトを引き離し、2級山岳の山頂もトップで駆け抜けた。

逃げたエヴァ・ファンアフト(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)とブローディー・チャップマン(オーストラリア、UAEチームADQ) photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

プロトンは終始FDJスエズがペースを作った photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

それを追うメイン集団はリーダーチームであるFDJスエズが牽引した。単独先頭で踏み続けるチャップマンは下りをクリアし、平坦路に突入。プロトンは残り40km地点で1分までその差を縮め、チャップマンに迫っていった。

リドル・トレックから移籍し、UAEチームADQでの初勝利を目指したチャップマン。粘りの走りは実らず、残り4km地点で吸収され、集団はフィニッシュラインの引かれたヌレスの市街地に突入した。

残り1kmを切り、総合優勝候補の1人であるカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)がアタックを仕掛ける。勢いよく飛び出したツール・ド・フランス・ファム覇者にはリアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)が追従し、最終ストレートに先頭で入る。しかしスプリントに入った集団を振り切ることはできず、フィニッシュラインの手前でミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が抜き去った。

スプリント勝利したミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

今季初勝利を喜ぶミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines

エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)とのハンドル投げを制したブレーデウォルツ。「(自分以外の全員が)新加入選手のチームで、これほど早く勝利できるなんて思わなかった。バルサモの背後につき、最終盤にFDJスエズのトレインに乗り換えた。その判断が正しかったみたい」と、元ヨーロッパ王者のブレーデウォルツは喜んだ。

フォレリングは4位とボーナスタイムこそ逃したものの、総合首位キープに成功している。
ボルタ・フェメニーナ・デ・ラ・コムニタ・バレンシアナ2025第2ステージ結果
1位 ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム) 3:31:45
2位 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)
3位 リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター)
4位 デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)
5位 カタリナ・ソト(チリ、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ)
個人総合成績
1位 デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) 6:23:57
2位 マーレン・ロイサー(スイス、モビスター) +0:34
3位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) +0:37
4位 リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) +1:34
5位 エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) +1:35
その他の特別賞
ポイント賞 デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)
山岳賞 ブローディー・チャップマン(オーストラリア、UAEチームADQ)
ヤングライダー賞 エレオノラ・チアボッコ(イタリア、ピクニック・ポストNL)
チーム総合成績 FDJスエズ
text:Sotaro.Arakawa
photo:Volta Comunitat Valenciana Fémines