平均勾配10%の山岳にフィニッシュしたツアー・オブ・オマーン最終第5ステージ。ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)が勝利し、2位のアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)が逆転の総合優勝に輝いた。



スタートを待つパレパントルとゴデュ photo:A.S.O.

アラビア半島の国オマーンを舞台にした5日間のステージレース、ツアー・オブ・オマーン(UCI2.Pro)は最終日を迎えた。第5ステージはイムティから時計回りに平坦路を進み、アフダル山(登坂距離5.7km/平均勾配10.5%)の頂上にフィニッシュするシンプルなレイアウト。この138.5kmレースに、日本人選手3名(小山智也、石橋学、増田成幸)を含む115名が挑んだ。

集団先頭でスタートしたのは、3日目勝者でリーダージャージを着るダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)。対するは6秒差で総合2位につけるアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)やヤングライダー賞ジャージを纏うパレパントルも、ステージ優勝と総合逆転を狙って走り出した。

大会最終日といえど、気温30度と冬のヨーロッパなどから来た選手たちには厳しいコンディションのなか、17名の大きな逃げ集団が形成される。その中には2023大会のアフダル山を制したマウリ・ファンセヴェナント(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が入り、メイン集団はUAEチームエミレーツXRGやグルパマFDJが牽引。最初の2時間は時速45kmを超えるハイスピードで展開し、JCLチーム右京も集団前方に人数を固めた。

17名という大所帯の逃げ集団が形成された photo:A.S.O.

ラクダが見守るなかアフダル山を目指すプロトン photo:A.S.O.

プロトンは最大2分差とタイトにペースをコントロールし、ファンセヴェナントら4名まで減った逃げはアフダル山に突入する。そしてUAEは残り3.2km地点で猛烈なペースアップ。逃げ集団を飲み込み、いよいよ勝負はアフダル山頂への激坂区間へ。山岳バトルが幕を開けた。

ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG)の高速牽引は集団を4名まで絞った残り2km地点で、イェーツが後ろを振り向きながらスピードアップ。それにはパレパントルしか追従できず、総合首位ゴデュは遅れを喫する。イェーツのアタックから300mほど登ったところで、今度はパレパントルが仕掛けた。

先頭はパレパントルとイェーツ、ゴデュの3名に絞られる photo:A.S.O.

イェーツを引き離すヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.

しかしイェーツを引き離すことはできず、牽制に入った2名にゴデュが合流。そのまま3名はフラムルージュ(残り1km)を通過し、イェーツがダンシングで緩やかに上げたペースにゴデュが再び遅れる。そのためステージ優勝の行方は2名に絞られ、残り100m標識の手前でパレパントルがアタックを決めた。

イェーツに2秒差をつけ、新チームに勝利をもたらしたパレパントル。「総合優勝は難しいと判断し、ステージ優勝に目標を切り替えた。勝てて本当に嬉しい」と、ヤングライダー賞にも輝いたパレパントルは語った。

山岳決戦を制したヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.

逆転で総合連覇を達成したアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

そしてゴデュが45秒差の3位でフィニッシュしたため、総合優勝は逆転でイェーツの手に。「トップコンディションではないなか、このレベルで戦えたことが嬉しい。チームの献身的な働きに感謝したい。この総合優勝は、今後のシーズンに向けて大きな自信になる」と、イェーツは2年連続での総合優勝を喜んだ。

一方、ステージレースで初の総合優勝を逃したゴデュは「全力を尽くしたのだが、今朝着たジャージを失うのは悲しいことだ」と悔しがった。日本人選手ではブルゴスBHの小山とチーム右京の増田は完走し、石橋は途中棄権となった。
ツアー・オブ・オマーン2025第5ステージ結果
1位 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) 3:13:15
2位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG) +0:02
3位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) +0:45
4位 エンブレット・スヴェスタードボーデン +0:51
5位 キアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
個人総合成績
1位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG) 21:13:18
2位 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) +0:06
3位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) +0:39
4位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、Q36.5プロサイクリング) +1:07
5位 キアン・アイデブルックス(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) +1:16
その他の特別賞
ポイント賞 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)
ヤングライダー賞 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)
チーム総合成績 Q36.5プロサイクリング
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.