平坦ステージで争われたツアー・オブ・オマーンは、大会初日に続く集団スプリントで決着。オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が圧巻のスピードで2勝目を飾り、ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)は総合首位キープに成功した。



リーダージャージを着て4日目に臨んだダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) photo:A.S.O.

ハイレベルな山岳バトルの翌日は、初日以来となる平坦ステージ。ツアー・オブ・オマーン(UCI2.Pro)4日目は、内陸部のオマーン・アクロスエイジス美術館から沿岸を目指す181.5kmで争われた。

ステージレースで初の総合優勝を目指すゴデュを先頭に、レースは現地時間11時5分にスタートした。気温30度に迫る暑さのなか、小山智也(ブルゴスBH)曰く「スタートして5秒で決まった」逃げは3名。昨年ツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・九州にも出場したコーンポップ・ティマチャイ(タイ、ロージャイ・インショランス)らは一気に9分のリードを築いた。

コーンポップ・ティマチャイ(タイ、ロージャイ・インショランス)ら3名による逃げ集団 photo:A.S.O.

のんびりムードのメイン集団はコーイでの2勝目狙うヴィスマ・リースアバイクや、パヴェル・ビットネル(チェコ)を擁するピクニック・ポストNLが先頭で人数を固める。一方の逃げ集団はティマチャイが1人最後まで粘ったものの、スピードの上がるプロトンに残り9km地点で吸収される。そして勝負は大方の予想通り、大集団によるスプリントに持ち込まれた。

最終ストレートに先頭で突入したのはウノエックス・モビリティだった。初日3位のアーランド・ブリクラ(ノルウェー)は2番手につき、その背後をコーイがぴったりとマークする。そして残り200mでブリクラが踏み始め、コーイも呼応するようにスプリントを開始した。

リラックスムードが漂ったプロトン photo:A.S.O.

スピードが伸び悩むブリクラとは反対に、グングンとコーイの速度が増していく。そのトップスピードには追いかけるジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、Q36.5プロサイクリング)も並ぶことすらできず、コーイがフィニッシュして右拳を突き上げた。

圧巻のスプリントを披露したオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.

「大会初日を制し、このステージも良いチャンスだと思っていた。大会2勝目となりとても嬉しいよ」とコーイは喜びを語った。

2位はニッツォーロで、マトリックスパワータグ出身で念願ワールドチームに移籍したオールイス・アウラール(ベネズエラ、モビスター)が3位。19位で同じく元マトリックスだったゲオルギオス・バグラス(ギリシャ、ブルゴスBH)をアシストした小山は、53位でフィニッシュしている。

最終日となる翌日の第5ステージは、アフダル山(登坂距離5.7km/平均勾配9.9%)の頂上にフィニッシュする最終山岳決戦。総合首位ゴデュと6秒差で2位アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)の登坂バトルが注目される。

大会2勝目をゲットしたオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:A.S.O.
ツアー・オブ・オマーン2025第4ステージ結果
1位 オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) 4:31:35
2位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、Q36.5プロサイクリング)
3位 オールイス・アウラール(ベネズエラ、モビスター)
4位 アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
5位 マックス・カンター(ドイツ、XDSアスタナ)
個人総合成績
1位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) 18:00:01
2位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG) +0:06
3位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、Q36.5プロサイクリング) +0:12
4位 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) +0:18
5位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダー・プロサイクリング) +0:24
その他の特別賞
ポイント賞 オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)
ヤングライダー賞 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)
チーム総合成績 Q36.5プロサイクリング
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.

最新ニュース(全ジャンル)