平均勾配8.5%の急坂を登ったツアー・オブ・オマーン第3ステージでダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)が勝利。前年覇者アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)を退け、総合首位に躍り出た。



リーダージャージを喜ぶルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.

ツアー・オブ・オマーン第3ステージ コースプロフィール image:A.S.O.

ルイス・フェルヴァーケ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)によるプロ11年目の初勝利から一夜明け、ツアー・オブ・オマーン(UCI2.Pro)は3日目を迎えた。コースは平坦路を進み、最後にイースタン・マウンテン(距離4.6km/平均8.5%)を登るシンプルなレイアウト。大会最終日も山頂フィニッシュのため、総合争いの第1ラウンドは、予想通り有力選手たちの登坂バトルが繰り広げられた。

チームのGMであるアレクサンドルを父に持つニコラス・ヴィノクロフ(カザフスタン、XDSアスタナ)が入った逃げグループは6名。しかし最大3分のリードを得た逃げは、早々とライアン・ブラオワット(フランス、トタルエネルジー)とヴィノクロフの2名となる。追いかけるメイン集団は、新加入のヴァランタン・パレパントル(フランス)を擁するスーダル・クイックステップが中心に牽引した。

6名による逃げグループ photo:A.S.O.

2023年のツール・ド・九州に出場し、昨年プロデビューした22歳のヴィノクロフはブラオワットを引き離し、イースタン・マウンテンに単独先頭で突入。引き続きプロトンの先頭ではスーダルが積極的にペースを作り、人数を絞っていく。リーダージャージを着るフェルヴァーケも牽引の役割を終え遅れていくなか、残り3km地点でヴィノクロフが吸収され、勝負は各チームの総合エースに委ねられた。

静寂を破ったのダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)だった。

残り1kmを切り、爆発的な加速で集団を飛び出す。今年ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの連戦が明らかになっているゴデュには、唯一昨年の覇者アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)が食らいつく。そして「昨年と違いUAEツアーが控えていないため、今大会は(追い込むことなく)イージーに走りたい」と語っていたイェーツが、言葉に反して残り100m地点でペースを上げた。

スーダル・クイックステップを中心にイースタン・マウンテンに突入した photo:A.S.O.

しかしゴデュは力強いペダリングで応戦。最後の数メートルでイェーツを振り切り、勝利を確信したガッツポーズでフィニッシュラインを駆け抜けた。

アダム・イェーツを退け、勝利したダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) photo:A.S.O.

総合首位に立ったダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) photo:A.S.O.

「アダム(イェーツ)と素晴らしい一騎打ちができた。彼はとても強く、何度仕掛けても引き離すことはできなかった。だが最後のスプリントで彼を下すことができた。チームメイトがレースを通してアシストしてくれたおかげだ」とゴデュ。総合でも首位に立ち、意外にも選手キャリアでないステージレース総合優勝の栄冠を目指す。

3位にはベテランのダミアン・ホーゾン(オーストラリア、Q36.5プロサイクリング)が入り、パレパントルは18秒遅れの4位だった。
ツアー・オブ・オマーン2025第3ステージ結果
1位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) 4:16:10
2位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG) +0:01
3位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、Q36.5プロサイクリング) +0:05
4位 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) +0:13
5位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダー・プロサイクリング)
個人総合成績
1位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) 13:28:26
2位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG) +0:06
3位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、Q36.5プロサイクリング) +0:12
4位 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ) +0:18
5位 マルコ・ブレンナー(ドイツ、チューダー・プロサイクリング) +0:24
その他の特別賞
ポイント賞 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)
ヤングライダー賞 ヴァランタン・パレパントル(フランス、スーダル・クイックステップ)
チーム総合成績 Q36.5プロサイクリング
text:Sotaro.Arakawa
photo:A.S.O.

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