2025/02/10(月) - 12:12
第3回UAEツアー・ウィメンは大会3度目のスプリントで〆。ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム)が3勝目を飾り、エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)がチームスポンサーの地元で総合優勝をもたらした。

スタートの時を待つ4賞ジャージ photo:UAE Tour
4日間に及んだ女子ワールドツアーの第3戦、UAEツアー・ウィメンは最終日を迎えた。コースはアラブ首長国連邦の首都アブダビの市街地を巡る127km。プロフィールは真っ平らだがコーナーが多く、その影響からか落車が多発するレースとなった。
この日はFDJスエズが積極的に逃げを狙い、ルース・アドヘースツ(オランダ、FDJスエズ)が単独先頭に立つ。しかし1つ目の中間スプリントの前にメイン集団がアドヘースツを引き戻し、シルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)が先頭通過してロンゴボルギーニの総合首位を間接的にアシストする。その後ニナ・ベルトン(ルクセンブルク、EFオートリー・キャノンデール)の動きをきっかけに新たな5名の逃げグループが出来上がった。

アブダビ市街地を巡る第4ステージ photo:UAE Tour
目まぐるしく方向が変わるコースのため、横風による集団分断を警戒してプロトンはハイペースを維持。そのため逃げとのタイム差はタイトにコントロールされ、残り38km地点で早くも逃げを引き戻す。振り出しに戻ったレースは、今度エリノア・バーカー(イギリス、ウノエックス・モビリティ)が飛び出した。
トラックのチームパシュートで東京五輪銀メダルを獲得しているバーカーは、一気に1分差を得る。一方のプロトンはSDワークス・プロタイムが先導し、その背後に総合リーダージャージを着るロンゴボルギーニがつく。その後バーカーを捉えたプロトンは、予想通り集団スプリントへ。

集団スプリントに向けてペースが上がる photo:UAE Tour
残り1kmアーチ手前のヴィットリア・グアジーニ(イタリア、FDJスエズ)による仕掛けは決まらず、コース幅が狭くなる位置でウィーベスがチームメイトからはぐれる。だがウィーベスは先頭に立つヴィスマ・リースアバイクのトレインに乗り換え、エーススプリンターであるマルティナ・フィダンツァ(イタリア)の前に入る。
緩く左に曲がる最終コーナーで落車が発生するなか、位置取りに成功したウィーベスがスプリントを開始。そのスピードをサラ・フィオリン(イタリア、セラティジット・プロサイクリング)らライバルたちを並ばせないどころか、2位以下を突き放す圧巻のスピードで勝利した。

ダブルピースで勝利を喜ぶロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:UAE Tour
今大会3勝目をダブルピースでのフィニッシュで喜んだウィーベス。「最終盤で仲間を見失ったものの、自ら位置取りをした。カオスの中だったからそれが逆に良かったのかもしれない。残り10km地点でハンドルに膝をぶつけ、幸い痛みが収まってからスプリントに入った」と喜びを語った。
一方、ロンゴボルギーニが2023年以来2度目の総合優勝に輝く。「再びUAEツアーで総合優勝することができて嬉しい。またUAEのジャージを着て、ここUAEで勝つのは特別な気持ちがする。チームメイトとチームに感謝したい」とコメント。総合2位にシルヴィア・ペルシコ(イタリア)が入ったため、UAEにとって総合ワンツーを達成する大成功の大会となった。

区間3勝と共にポイント賞ジャージを得たロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:UAE Tour

スポンサーの前で見事総合優勝に輝いたエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ) photo:UAE Tour

4日間に及んだ女子ワールドツアーの第3戦、UAEツアー・ウィメンは最終日を迎えた。コースはアラブ首長国連邦の首都アブダビの市街地を巡る127km。プロフィールは真っ平らだがコーナーが多く、その影響からか落車が多発するレースとなった。
この日はFDJスエズが積極的に逃げを狙い、ルース・アドヘースツ(オランダ、FDJスエズ)が単独先頭に立つ。しかし1つ目の中間スプリントの前にメイン集団がアドヘースツを引き戻し、シルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)が先頭通過してロンゴボルギーニの総合首位を間接的にアシストする。その後ニナ・ベルトン(ルクセンブルク、EFオートリー・キャノンデール)の動きをきっかけに新たな5名の逃げグループが出来上がった。

目まぐるしく方向が変わるコースのため、横風による集団分断を警戒してプロトンはハイペースを維持。そのため逃げとのタイム差はタイトにコントロールされ、残り38km地点で早くも逃げを引き戻す。振り出しに戻ったレースは、今度エリノア・バーカー(イギリス、ウノエックス・モビリティ)が飛び出した。
トラックのチームパシュートで東京五輪銀メダルを獲得しているバーカーは、一気に1分差を得る。一方のプロトンはSDワークス・プロタイムが先導し、その背後に総合リーダージャージを着るロンゴボルギーニがつく。その後バーカーを捉えたプロトンは、予想通り集団スプリントへ。

残り1kmアーチ手前のヴィットリア・グアジーニ(イタリア、FDJスエズ)による仕掛けは決まらず、コース幅が狭くなる位置でウィーベスがチームメイトからはぐれる。だがウィーベスは先頭に立つヴィスマ・リースアバイクのトレインに乗り換え、エーススプリンターであるマルティナ・フィダンツァ(イタリア)の前に入る。
緩く左に曲がる最終コーナーで落車が発生するなか、位置取りに成功したウィーベスがスプリントを開始。そのスピードをサラ・フィオリン(イタリア、セラティジット・プロサイクリング)らライバルたちを並ばせないどころか、2位以下を突き放す圧巻のスピードで勝利した。

今大会3勝目をダブルピースでのフィニッシュで喜んだウィーベス。「最終盤で仲間を見失ったものの、自ら位置取りをした。カオスの中だったからそれが逆に良かったのかもしれない。残り10km地点でハンドルに膝をぶつけ、幸い痛みが収まってからスプリントに入った」と喜びを語った。
一方、ロンゴボルギーニが2023年以来2度目の総合優勝に輝く。「再びUAEツアーで総合優勝することができて嬉しい。またUAEのジャージを着て、ここUAEで勝つのは特別な気持ちがする。チームメイトとチームに感謝したい」とコメント。総合2位にシルヴィア・ペルシコ(イタリア)が入ったため、UAEにとって総合ワンツーを達成する大成功の大会となった。


UAEツアー・ウィメン2025第4ステージ
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 3:03:28 |
2位 | サラ・フィオリン(イタリア、セラティジット・プロサイクリング) | |
3位 | アマリー・ディデリクセン(デンマーク、コフィディス・ウィメン) | |
4位 | シルヴィア・ザナルディ(イタリア、ヒューマンパワードヘルス) | |
5位 | グラディス・ヴェルユルスト(フランス、AGインシュランス・スーダル) | |
6位 | マルティナ・フィダンツァ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | |
7位 | アンニーナ・アフトサロ(フィンランド、ウノエックス・モビリティ) | |
8位 | フランツィスカ・ブラウーセ(ドイツ、セラティジット・プロサイクリング) | |
9位 | ララ・ギレスピー(アイルランド、UAEチームADQ) | |
10位 | アルバ・テルエル(スペイン、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ) |
個人総合成績
1位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ) | 13:14:57 |
2位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ) | +2:06 |
3位 | キンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュランス・スーダル) | +2:08 |
4位 | モニカ・トリンカコロネル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | +2:18 |
5位 | カーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ) | +3:02 |
6位 | バルバラ・マルコッティ(イタリア、ヒューマンパワードヘルス) | +3:10 |
7位 | アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) | +3:15 |
8位 | カトリーヌ・アーレルッド(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | +3:34 |
9位 | マライレ・メイエリング(オランダ、モビスター) | +3:40 |
10位 | ファイファー・ジョルジ(イギリス、ピクニック・ポストNL) | +3:42 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) |
ヤングライダー賞 | アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト) |
チーム総合成績 | UAEチームADQ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:UAE Tour
photo:UAE Tour
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