ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ第4ステージは、サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が終盤アタックに成功。今大会2勝目を飾ると共に、アルメイダから総合リーダージャージを奪取した。



春の雰囲気を感じさせるバレンシアを駆ける選手たち photo:CorVos

ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2025第4ステージ Volta a la Comunitat Valenciana

ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)第4ステージは、総合優勝をかけた実質的なラストチャンス。海辺の観光地オロペサから内陸に向かう181kmは、中盤に2つの1級山岳が設定されているものの、後半は細かいアップダウンを含む平坦路。そのためスプリンターにもチャンスがあるレイアウトと目された。

スタート直後からユーゴ・ウル(カナダ、イスラエル・プレミアテック)らが積極的に逃げを目指し、10名以上の集団が先行。それを見送ったメイン集団はリーダーチームであるUAEチームエミレーツXRGが中心に牽引。そこにはモビスターや、ジョナタン・ミラン(イタリア)でのスプリント勝負に持ち込みたいリドル・トレックもペースメイクに加わった。

プロトンを先導するイネオス・グレナディアーズ photo:CorVos

最大8分のリードを得た逃げグループからは、フィニッシュまで93kmを残した地点でヨン・アギーレ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)がソロアタックする。その後プロトンから飛び出したパブロ・カストリーリョ(スペイン、モビスター)が合流。レース後半に入り、ペースを速めたUAEはアギーレを捉え、残り9km地点でカストリーリョも引き戻した。

振り出しに戻ったレースは、緩斜面の登りをイネオス・グレナディアーズが先導する。30名前後まで絞られた集団には総合を争う選手たちやパンチャーの他に、ミランも食らいつく。そして残り8kmからジェフェルソン・セペダ(エクアドル、モビスター)が飛び出し、単独先頭に立った。

それを追うプロトンでは登りでミランが一度遅れるも、チームメイトのアシストによって復帰する。そしてセペダを捉える直前に、集団からヤコブ・ソデルクヴィスト(スウェーデン、リドル・トレック)のアシストを受けたミランが残り1kmでアタック。その動きを総合首位ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)が見送った一方で、唯一サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)が反応した。

終盤アタックで今大会2勝を飾ったサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

フィニッシュまで続く緩斜面をダンシングで踏み続けたミランを、軽快な足取りのブイトラゴがパス。そのままハイスピードを維持したブイトラゴが、2日前に続く今大会2勝目を手に入れた。

フィニッシュ後にブイトラゴは「ボーナスタイムを稼ぐことにフォーカスしていた。だからこの勝利は予想外。なぜならスプリンター向けのステージだと思っていたからね。まさか勝利とリーダージャージの両方を手に入れられるなんて思わなかった」と喜びを語った。

アルメイダが10秒遅れの区間8位に終わったため、ブイトラゴが逆転で総合首位に浮上。最終日である翌日第5ステージは完全な平坦路であるため、ブイトラゴが総合優勝に王手をかけた。

総合首位に立ったサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:Volta a la Comunitat Valenciana
ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2025第4ステージ結果
1位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) 4:53:29
2位 ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) +0:06
3位 ヤコブ・ソデルクヴィスト(スウェーデン、リドル・トレック)
4位 ライリー・シーアン(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) +0:10
5位 テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)
6位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)
7位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG)
8位 マッテオ・ソブレロ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
9位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) +0:13
10位 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
個人総合成績
1位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) 14:07:51
2位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) +0:18
3位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:39
4位 テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) +0:42
5位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツXRG) +0:53
6位 イバン・ロメオ(スペイン、モビスター) +0:54
7位 カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)
8位 ジェフェルソン・セペダ(エクアドル、モビスター) +1:00
9位 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +1:31
10位 ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) +1:37
その他の特別賞
ポイント賞 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)
山岳賞 ヨン・アギーレ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
ヤングライダー賞 イバン・ロメオ(スペイン、モビスター)
チーム総合成績 バーレーン・ヴィクトリアス
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos