イネオス・グレナディアーズがロット・カーンハウスPSDバンクと育成チームの契約を結んだと発表した。同チームは20歳前後の選手が所属するドイツのコンチネンタルチームで、今後はイネオスと協力して育成に注力していく。



イネオス・グレナディアーズとロット・カーンハウスPSDバンクが育成チームの契約を締結 image:INEOS Grenadiers

ロット・カーンハウスPSDバンクは2002年に創設されたドイツのコンチネンタルチーム。2022年にイネオス・グレナディアーズへ移籍したキム・ハイドゥク(ドイツ)の古巣であり、DSMフィルメニッヒ・ポストNLで監督を務めるルーク・ロバーツ(オーストラリア)などを輩出している。

イネオスにはこれまで育成(下部)チームはなく、独自の育成支援プログラム「アセント」によりジョシュア・ターリング(イギリス)などを育成してきた。ロットをデベロップメントチームとすることは、その育成プロジェクトの補完と拡大を目指すものだ。

イネオスのパフォーマンスコーチであるスコット・ドロワー氏は「若い選手たちにレース経験を与え、良い競争環境の場となる」と役割を説明。また「主要な若手選手たちはイネオスによるサポートを受けながら、ロット・カーンハウスで走ることとなる。サッカーのローン移籍のように、若手選手がワールドツアーを走る前のフィニッシングスクール※のようなものだ」と語った。

※育成の実践的な最終段階の場

育成プログラム出身で2023年にヨーロッパTT選手権王者に輝いたジョシュア・ターリング(イギリス) photo:CorVos

2024年はチーム創設以来、最低である14勝でシーズンを終えたイネオス。チームからはダニエル・ビガムなど主要コーチが離れ、2021年から監督を務め今年は現場のトップだったスティーブ・カミングス氏も退団を発表。選手ではエースであるトーマス・ピドコック(イギリス)がチームへの不満を訴えるなど、かつて黄金時代を築いた常勝軍団に陰りが見える。

ヴィスマ・リースアバイクやUAEチームエミレーツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエなどは下部チームを運営し、これまで多くの有力選手を育成してきた。シクロワイアードではDSMフィルメニッヒ・ポストNLのデベロップメントチーム出身であるオスカー・オンリー(イギリス)にインタビューを実施。マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)など近年多くの有力選手を輩出するチームに迫った記事の公開を予定している。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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