2日連続のスプリント決着となったツール・ド・ランカウイ2日目。勝ったのはガッツポーズしたペニャルベルではなく、今年JCLチーム右京に加入したマッテオ・マルチェッリ(イタリア)だった。



気温が30度を上回る暑さのなか行われたツール・ド・ランカウイ第2ステージ photo:PETRONASLTdL

日本からJCLチーム右京と愛三工業レーシング、そしてEFエデュケーション・イージーポストの留目夕陽が出場しているペトロナス・ツール・ド・ランカウイ(UCI2.Pro)。大会2日目はアウラから海岸線を南下し、バターワースに至る154.5kmの平坦ステージで争われた。

序盤に地元マレーシア出身の選手たちを含む6名逃げが形成され、メイン集団はチューダー・プロサイクリングやアスタナ・カザクスタンがコントロールする。ボーナスタイム(最大-3秒)が与えられる1つ目の中間スプリント(23.3km地点)はイン・パクハン(香港、HKSIプロサイクリングチーム)が先頭通過。2つ目(41.3km)はトラック選手でもあるムハンマド・ユズリ(マレーシア・ナショナルチーム)がトップを取り、逃げは2分弱のリードを保った。

パクハンが再びトップ通過した3つ目の中間スプリント(119.9 km)の地点で、逃げとプロトンとの差は42秒まで縮まる。残り10kmを切って2名まで絞られた逃げグループに対し、EFも牽引したプロトンは残り8kmで吸収。勝負は2日連続の集団スプリントに持ち込まれた。

ドクターカーで治療を受ける小石祐馬(JCLチーム右京) photo:PETRONASLTdL

プロトンはアスタナ・カザクスタンなどがコントロールした photo:PETRONASLTdL

残り5kmからはエウスカルテル・エウスカディやワールドチームのDSMフィルメニッヒ・ポストNL、チューダーなどが入れ替るように先頭に立つ。最終ストレートに入ると、アーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング)のためにマイケル・ゼイラート(オランダ)がリードアウトを開始。しかし残り200mから飛び出したデクラインよりも先に、マヌエル・ペニャルベル(スペイン、ポルティ・コメタ)が踏み込んだ。

集団中ほどで落車が発生するなか、一切の影響を受けなかった先頭ではペニャルベルの左からデクライン、右からマッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京)が迫る。そしてフィニッシュラインを通過した直後にペニャルベルがガッツポーズ。しかし勝利はマルチェッリに告げられた。

ペニャルベルがガッツポーズしたものの、勝ったのはマッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京) photo:CorVos

「プロレースでの初勝利。僕自身だけではなく、チームとして重要な勝利となった。この大会に向け、数週間に渡り厳しい練習を行ってきたからね」と喜ぶマルチェッリ。今年5月のツアー・オブ・ジャパン(UCI2.2)でステージ2勝を皮切りに、8月のツアー・オブ・ブルガリア(UCI2.2)では区間3勝(+総合優勝)、直近9月のジロ・デル・フリウーリ・ヴェネツィア・ジュリア(UCI2.2)でもステージ勝利を挙げ、今シーズン7勝目と好調さをアピール。総合順位も2位まで上げた。

また区間5位に入ったグレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザクスタン)が総合首位をキープしている。

今季7勝目を飾ったマッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京) photo:PETRONASLTdL
ツール・ド・ランカウイ2024第2ステージ結果
1位 マッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京) 3:34:58
2位 マヌエル・ペニャルベル(スペイン、ポルティ・コメタ)
3位 アーヴィッド・デクライン(オランダ、チューダー・プロサイクリング)
4位 ヤコブ・マレツコ(イタリア、コラテック・ヴィーニファンティーニ)
5位 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザクスタン)
個人総合成績
1位 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザクスタン) 5:39:23
2位 マッテオ・マルチェッリ(イタリア、JCLチーム右京) +0:02
3位 モハンマド・ヌル・アイマン・ロスリ(マレーシア、トレンガヌ・サイクリングチーム) +0:04
4位 イン・パクハン(香港、HKSIプロサイクリングチーム) +0:05
5位 マヌエル・ペニャルベル(スペイン、ポルティ・コメタ) +0:06
その他の特別賞
山岳賞 タイラー・トムキンソン(オーストラリア、ARAスキップキャピタル)
ポイント賞 グレブ・シリツァ(ロシア、アスタナ・カザクスタン)
チーム総合成績 VFグループ・バルディアーニCSFファイザネ
text:Sotaro.Arakawa

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