混沌のブリテン3日目　総合首位ウィリアムズが2勝目をマークする

雨、強風、アタックの応酬。過酷極まりないツアー・オブ・ブリテン3日目はペースアップに耐えたメンバーによるスプリントで決着し、スティーブン・ウィリアムズ（イギリス、イスラエル・プレミアテック）が2日連続勝利。総合リードを伸ばす形となった。

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南ヨークシャーを舞台にするツアー・オブ・ブリテン（UCI2.Pro）第3ステージは、終盤にアップダウンが用意された166kmの最難関ステージ。雨、霧、風と三拍子揃ったイングランド「らしい」天候の中、この日はレース開始直後の丘陵区間でビッグネームが動いた。

前日全く勝負に絡めなかったイネオス勢が代わる代わるアタックを繰り返した結果、ベン・スウィフト（イギリス、イネオス・グレナディアーズ）とジュリアン・アラフィリップ（フランス、スーダル・クイックステップ）、ジェイク・スチュワート（イギリス、イスラエル・プレミアテック）が先行する。もう二人加わって5名グループとなったエスケープに対し、メイン集団では総合首位スティーブン・ウィリアムズ（イギリス）のためにイスラエル・プレミアテックがコントロールの責を担った。

ジェットコースターのように曲がりくねったコースには台風レベルの強風が吹きつけ、アタックと横風分断、さらに落車が頻発する超ナーバスな展開に。このペースアップによってアラフィリップたちはフィニッシュまで100km弱を残して引き戻され、スーダルとイネオスは攻撃を続行。イスラエルが集団を率いて防戦する背後では休息明けのエヴェネプールが遅れていった。

ツール・ド・フランスで名前を上げたヨナス・アブラハムセン（ノルウェー、ウノエックス・モビリティ）たちの逃げはフィニッシュ手前5kmで頂上を迎える「ハウンドヒル（距離1,400m/平均勾配5.5%）」で飲み込まれ、続いて加速したトーマス・ピドコック（イギリス、イネオス・グレナディアーズ）も引き戻される。イスラエルのリードアウトトレインが30名弱に減った集団先頭をまとめ上げ、曲がりくねりながら登る最終盤区間でスプリント勝負が始まった。

エドアルド・ザンバニーニ（イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス）が勢い良く先行したものの、余裕を持ってその背後につけたウィリアムズがタイミングを見計らって抜き去っていく。後方から最速で追い上げた開幕ステージ勝者ポール・マニエ（フランス、スーダル・クイックステップ）も届かず、総合リーダーが再び勝利した。

他チームの攻撃を耐え凌ぎ、2日連続ステージ優勝をもぎ取ったウィリアムズは「とんでもなくタフでキツい一日だった。コースは難しいし天気も悪い。でも最後はいい感じで終えることができた。今年はチームに支えられて走ることができているし、今日もその通りだった。今日のような状況で一日ずっとコントロールするだなんて簡単なことじゃない」とチームメイトの仕事ぶりに感謝する。ボーナスタイムを獲得したことで総合リードは6秒から16秒へと拡大している。