「3度目のブエルタ勝利を誇りに思う」とは、1級山岳を制したマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)の言葉。山岳賞ジャージを着用したファンアールトや勝利を逃したソレルなど、ブエルタ13日目を選手たちのコメントで振り返ります。



ステージ優勝 マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック)

最終1級山岳の残り4.7kmでアタックしたマイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos

天にも昇る心地がするよ。この国内王者ジャージで勝つことを大きな目標としていた。だが今シーズンは体調不良もありタフなシーズンとなり、また決定的な場面でメカトラや落車に見舞われる不運なレースが続いた。だからこそこの勝利にはカタルシスを感じるし、プレッシャーを感じていたので肩の荷が下りた気持ちだよ。

ディラン(トゥーンス)とライリー(シーアン)が僕を逃げ集団に入るサポートをしてくれたんだ。逃げに入ってからはジェイ・ヴァインとブランドン・マクナルティ、マルク・ソレルが代るがわるアタックした時、一時孤立してしまった。その後ジェイとブランドンが落車し、(近くにいたので)とても怖かった。彼らの無事を願っている。だがその時点で僕が登りでは最も強い選手であると確信した。

―観客が少なく、勾配の厳しい登りは(勝利した2023年ツール・ド・フランスの)ピュイ・ド・ドームと似ている

そうだね。ピュイ・ド・ドームのことは頭にあり、僕に適した登りだったので射程圏内にいればアタックから勝てると思っていた。だがマルク(ソレル)が見せた早めのアタックはしたくなかった。ラスト4kmは一人で登るには長かったよ。

カナダ王者であるジャージをアピールし、フィニッシュしたマイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos

―選手キャリアも終盤に差し掛かり、(3大ツールでのステージ優勝まで)あとジロ・デ・イタリアとなった。

あとジロだけだが、3度目のブエルタ勝利を誇りに思う。いま以上若くなることはないし、この歳(37歳)で勝てつことができて嬉しいよ。

ステージ2位 マウロ・シュミット(スイス、ジェイコ・アルウラー)

最後の山岳が僕に適していないことは知っていたが、予想外にも逃げ集団に入ることができた。逃げに乗れば勝利を目指すのは当然のこと。何度かアタックし、(最終山岳の前に)少しでもリードを得られればチャンスがあると思った。だが実際に登りに入り、僕の勝つチャンスはほとんどなかったことを悟った。

昨日の疲れもあったので逃げに乗るなら早い段階じゃないと無理だと思った。ここ数日は逃げに長い時間がかかっていたからね。だからカンペナールツの飛び出しに反応した選択が功を奏した。最終山岳ではサバイブすることだけを考え、マイク(ウッズ)がアタックした時はついていくことは難しいと思い、自分のペースに切り替えた。

ステージ3位 マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)

2級山岳でアタックしたマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

僕らはベストを尽くした。今日脚が少し重く、ブランドンとジェイと共にステージ勝利を狙った。だが不幸にも2人が落車し、作戦の変更を強いられた。厳しいステージの待つ明日の2日間でまた勝利を目指したい。

マイヨプントス&マイヨモンターニャ ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)

マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)も手に入れたワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:Unipublic

今朝の段階でマイヨモンターニャに興味はなかった。だがカーデン・グローブスが逃げに乗り、彼はマイヨプントスのライバルなので僕も逃げを目指した。逃げに乗ってからは厳しい戦いになると思い、コース上のポイントは全部取ろうと思ったんだ。

ツールでもマイヨアポワ獲得に迫ったことがある。その時取りに行かなかったことを後悔していたんだ。このジャージを着ることができて誇りに思うよ。

今日のステージで自分が勝てるとは思っていなかった。なぜなら逃げにはヴァインやマクナルティ、ウッズがいたからね。急勾配で僕よりも速いことは明白だ。6〜7%までなら対応できるが、それ以上だとノーチャンスだからね。

アタックしてタイムを稼いだ総合2位のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)

オコーナーらライバルを引き離し、16位でフィニッシュしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

腰の痛みは続いている。勝つこともあれば負ける時もある。今日は良い方の日となった。僕にできることは自分のことだけ。その日を全力で戦うだけだ。

―ステージ優勝を狙わなかったのはなぜか?

100%の状態ではなかったから。だから保守的に走った。(攻めるかどうかは)その日次第だ。

マイヨロホ ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)

今日はヘトヘトで、あれ以上速くは進めなかった。悲しい結果だがまだマイヨロホを着用している。それが唯一良いことだよ。今日は自分の力をマネジメントしたものの、良い走りができなかった。昨日は悪くなく、今日は力が入らなかった。だから明日はどうなるか分からない。回復に努めて明日はベストを尽くすのみだ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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