ジロ・デ・イタリア・ウィメン5日目の集団スプリントでロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)が圧勝。エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)との差を3秒まで詰めて山岳ステージに挑むこととなった。



丘陵区間を越える前半区間 photo:RCS Sport

ジロ・デ・イタリア・ウィメン(UCIウィメンズワールドツアー)第5ステージは、今大会2度目にして最後のスプリンターステージ。マルケ州からウンブリア州まで一直線に南下する108kmコースの途中には丘越えが含まれるが、高低差・勾配共に厳しくなく、ラスト20km以上は下り基調のままゴールへとなだれこむ。

この日は強豪スプリンターの一人、エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)が体調不良によってスタートせず。序盤からFDJ・スエズやラボラル・クチャ-ファンダシオン・エウスカディ、モビスターの選手が次々とアタックを仕掛けたものの集団を引き離せない。レース半分を過ぎて今大会積極的な走りが目立つアナヴィトリア・マガリャエス(ブラジル、ビーピンク・ボンジョアンニ)が飛び出したものの、やはり30秒以上のリードを稼ぐことは不可能だった。

序盤からアタックが頻発したものの、スプリンターチームから逃げ切ることは不可能だった photo:RCS Sport

集団内で勝負を待つロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) photo:RCS Sport
集団前方をキープするエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) photo:RCS Sport



スプリンターチームの牽引と位置取り争いが徐々に熱を帯び、元世界女王にして現オランダ女王のシャンタル・ブラーク率いるSDワークストレインが主導権を掌握した。最終盤は他チームに先頭牽引を任せて脚を貯め、残り250m地点にある右コーナー手前でロッテ・コペッキー(ベルギー)をエースに据えるSDワークスが猛加速。発射台役のバルバラ・グアリスキ(イタリア)が最速ラインでコーナーを抜けた一方、コペッキーの背後3番目にいたUAEトレインはライン取りが悪く中切れを起こして失速してしまう。こうしてグアリスキとコペッキーだけが抜け出す形でフィニッシュラインまでを駆け抜けた。

的確なリードアウトと圧倒的な爆発力で勝利したロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) photo:RCS Sport

今大会初勝利を挙げたロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) photo:RCS Sport

ライバル勢を引きちぎってポイント賞ジャージを着るコペッキーが圧勝。総合首位エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)もタイム差無しでフィニッシュしたものの、ボーナスタイム10秒を得たコペッキーはロンゴボルギーニとの総合タイム差をわずか3秒まで縮めることに成功した。

「完璧な1日だった。常に一人だけ逃げる展開だったのでコントロールが楽だったから。私の目標はオリンピックに向けて調子を整えること。エリーザに対して3秒差に迫ったのは良いことだけど、残る3日間はとてもタフ。土曜日のブロックハウスは登ったこともないし、コースプロフィールを見ても本当にトリッキーな峠だと思う。総合成績に関しては何のプレッシャーもないし、失うものもない。できるだけ身体を回復させて臨みたい」と、コペッキーは話している。
ジロ・デ・イタリア・ウィメン2024第5ステージ結果
1位 ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) 2:38:54
2位 キアラ・コンソンニ(イタリア、UAEチームADQ)
3位 アルレニス・シエラ(キューバ、モビスター)
4位 カトリン・シュヴァインバーガー(オーストリア、セラティツィットWNTプロサイクリング)
5位 バルバラ・グアリスキ(イタリア、SDワークス・プロタイム)
6位 ヴィトリア・グアッツィーニ(イタリア、FDJ・スエズ)
7位 ルビー・ローズマンギャノン(オーストラリア、リブ・アルウラー・ジェイコ)
8位 マルティナ・アルツィーニ(イタリア、コフィディス)
9位 ラウラ・トマージ(イタリア、ラボラル・クチャ-ファンダシオン・エウスカディ)
10位 フランシスカ・コッホ(ドイツ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
個人総合成績(マリアローザ)
1位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) 12:07:47
2位 ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) +0:03
3位 セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJスエズ) +0:38
4位 ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) +0:49
5位 キンバリー・ルコート(モーリシャス、AGインシュアランス・スーダル) +0:51
6位 アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラムレーシング) +1:06
7位 ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム) +1:07
8位 マビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ) +1:33
9位 カトリーヌ・アーレルッド(ノルウェー、ウノエックスモビリティ) +1:34
10位 パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)
その他の特別賞
ポイント賞 キアラ・コンソンニ(イタリア、UAEチームADQ)
山岳賞 クララ・エモンド(カナダ、EFオートリー・キャノンデール)
ヤングライダー賞 アントニア・ニーダーマイヤー(ドイツ、キャニオン・スラムレーシング)
チーム総合成績 キャニオン・スラムレーシング
text:So Isobe

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