2024/07/07(日) - 08:21
ヨナス・アブラハムセンが1人逃げを披露したツール・ド・フランス第8ステージは、集団スプリントで決着。マイヨヴェールを着るビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)がフィリプセンを退け、区間2勝目を手に入れた。
7月6日(土)第8ステージ
スミュール・アン・オーソワ〜コロンベ・レ・デュー・エグリーズ 183.4km(平坦)
第111回ツール・ド・フランスの第1週目も残すところあと2日。平坦ステージに分類された第8ステージの舞台は、いずれも短く急勾配な5つのカテゴリー山岳が設定された183.4kmコース。それ以外にも細かなアップダウンがエスケープを誘発するため、逃げとスプリンターチームによる駆け引きが予想された。
コロンベ・レ・デュー・エグリーズの街に引かれたフィニッシュ地点までのラスト500mは登り基調で、フィニッシュの先にはシャルル・ド・ゴール(第18代大統領)を記念したロレーヌ十字が立っている。
この日は第5ステージのスプリント中に落車し、骨折はないものの左肩や背中を負傷したマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が未出走を選んだ。そのため3年連続の区間優勝を狙っていた元世界王者は、この後回復に努めて8月3日に行われるパリ五輪ロードレースを目指すこととなった。
気温16度と肌寒さすら感じられ、太陽が雲で覆われた灰色の空の下173名の選手たちがスタートを切る。直後に勢いよく飛び出したニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)に、チームメイトのシュテファン・ビッセガー(スイス)とマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)のヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が続く。それを見送ったメイン集団から21歳のロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)らが合流を目指したものの、成功はしなかった。
1つ目の3級山岳を前にパウレスとビッセガーはプロトンへと戻り、単独となったアブラハムセンが頂上を通過する。その後もマイヨアポワは4級、3級と順調にポイントを加算。連続する急勾配の坂に集団ではマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)や重量級スプリンターのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)が遅れたものの、チームのサポートを受けた2人はその後ペースを落とした集団に無事復帰した。
残り124.4km地点に設定された中間スプリントを通過する頃に、アブラハムセンとメイン集団との差は5分37秒まで拡がる。スプリンターを抱えるロット・デスティニーやアルペシン・ドゥクーニンクなどが牽引するプロトンでは、マイヨヴェール(ポイント賞)争いの最大のライバルであるピーダスンがいなくなったビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)が先頭通過して最大17ポイントを加算。そして雨が降ったり止んだりを繰り返すなか、最大6分半のタイム差はフィニッシュが近づくにつれ徐々に縮小していった。
コース後半に設定された2つの4級山岳もトップ通過したアブラハムセンを、今年引退するシモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)を中心にペースメイクした集団が残り13km地点で吸収する。そして時速50km/hを超えるスピードで激しい位置取り争いが繰り広げられる集団はコロンベ・レ・デュー・エグリーズに到着。デカトロンAG2Rラモンディアルからアンテルマルシェ・ワンティに先頭が変わりながら、大集団がフラムルージュ(残り1km)を通過した。
3〜4%ある勾配の登りでアクセル・ジングレ(フランス、コフィディス)がブライアン・コカール(フランス)を集団先頭まで運び、その背後にギルマイがつく。残り200mの標識手前でコカールがビックギアで踏み込み、勾配が更に上がる残り100mからギルマイとヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が同時にスプリントを始めた。
コース左側から一気に右のフェンス側まで寄った先頭2人(ギルマイとフィリプセン)の間にアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)は入り込むことはできず、左側でもがくパスカル・アッカーマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)は傾斜にスピードが上がらない。一騎打ちとなったスプリントはフィニッシュ手前でギルマイがフィリプセンを抜き、区間2勝目を手に入れた。
フィニッシュの瞬間に両手を拡げ、力強くマイヨヴェールの胸元を叩いたギルマイ。「2勝目なんて信じられない。まずは神様に感謝し、僕をプロ選手まで導いてくれた母と父にこの勝利を捧げたい。今日のような(登り基調の)スプリントは体重の軽い僕にピッタリで、チームは最高のリードアウトで勝利へと導いてくれた」とギルマイは喜びを語った。
フィリプセンはと今大会2度目の2位(降格処分となった第6ステージを合わせると3度目)、ドゥリーは2度目の3位。また前日の個人タイムトライアルを制し、マイヨブラン(ヤングライダー賞ジャージ)を着るレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)はスプリントに加わり、アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)よりも上位の区間10位でフィニッシュしている。
7月6日(土)第8ステージ
スミュール・アン・オーソワ〜コロンベ・レ・デュー・エグリーズ 183.4km(平坦)
第111回ツール・ド・フランスの第1週目も残すところあと2日。平坦ステージに分類された第8ステージの舞台は、いずれも短く急勾配な5つのカテゴリー山岳が設定された183.4kmコース。それ以外にも細かなアップダウンがエスケープを誘発するため、逃げとスプリンターチームによる駆け引きが予想された。
コロンベ・レ・デュー・エグリーズの街に引かれたフィニッシュ地点までのラスト500mは登り基調で、フィニッシュの先にはシャルル・ド・ゴール(第18代大統領)を記念したロレーヌ十字が立っている。
この日は第5ステージのスプリント中に落車し、骨折はないものの左肩や背中を負傷したマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が未出走を選んだ。そのため3年連続の区間優勝を狙っていた元世界王者は、この後回復に努めて8月3日に行われるパリ五輪ロードレースを目指すこととなった。
気温16度と肌寒さすら感じられ、太陽が雲で覆われた灰色の空の下173名の選手たちがスタートを切る。直後に勢いよく飛び出したニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)に、チームメイトのシュテファン・ビッセガー(スイス)とマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)のヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が続く。それを見送ったメイン集団から21歳のロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)らが合流を目指したものの、成功はしなかった。
1つ目の3級山岳を前にパウレスとビッセガーはプロトンへと戻り、単独となったアブラハムセンが頂上を通過する。その後もマイヨアポワは4級、3級と順調にポイントを加算。連続する急勾配の坂に集団ではマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザクスタン)や重量級スプリンターのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)が遅れたものの、チームのサポートを受けた2人はその後ペースを落とした集団に無事復帰した。
残り124.4km地点に設定された中間スプリントを通過する頃に、アブラハムセンとメイン集団との差は5分37秒まで拡がる。スプリンターを抱えるロット・デスティニーやアルペシン・ドゥクーニンクなどが牽引するプロトンでは、マイヨヴェール(ポイント賞)争いの最大のライバルであるピーダスンがいなくなったビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)が先頭通過して最大17ポイントを加算。そして雨が降ったり止んだりを繰り返すなか、最大6分半のタイム差はフィニッシュが近づくにつれ徐々に縮小していった。
コース後半に設定された2つの4級山岳もトップ通過したアブラハムセンを、今年引退するシモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)を中心にペースメイクした集団が残り13km地点で吸収する。そして時速50km/hを超えるスピードで激しい位置取り争いが繰り広げられる集団はコロンベ・レ・デュー・エグリーズに到着。デカトロンAG2Rラモンディアルからアンテルマルシェ・ワンティに先頭が変わりながら、大集団がフラムルージュ(残り1km)を通過した。
3〜4%ある勾配の登りでアクセル・ジングレ(フランス、コフィディス)がブライアン・コカール(フランス)を集団先頭まで運び、その背後にギルマイがつく。残り200mの標識手前でコカールがビックギアで踏み込み、勾配が更に上がる残り100mからギルマイとヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が同時にスプリントを始めた。
コース左側から一気に右のフェンス側まで寄った先頭2人(ギルマイとフィリプセン)の間にアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー)は入り込むことはできず、左側でもがくパスカル・アッカーマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック)は傾斜にスピードが上がらない。一騎打ちとなったスプリントはフィニッシュ手前でギルマイがフィリプセンを抜き、区間2勝目を手に入れた。
フィニッシュの瞬間に両手を拡げ、力強くマイヨヴェールの胸元を叩いたギルマイ。「2勝目なんて信じられない。まずは神様に感謝し、僕をプロ選手まで導いてくれた母と父にこの勝利を捧げたい。今日のような(登り基調の)スプリントは体重の軽い僕にピッタリで、チームは最高のリードアウトで勝利へと導いてくれた」とギルマイは喜びを語った。
フィリプセンはと今大会2度目の2位(降格処分となった第6ステージを合わせると3度目)、ドゥリーは2度目の3位。また前日の個人タイムトライアルを制し、マイヨブラン(ヤングライダー賞ジャージ)を着るレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)はスプリントに加わり、アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)よりも上位の区間10位でフィニッシュしている。
ツール・ド・フランス2024第8ステージ
1位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | 4:04:50 |
2位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
3位 | アルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
4位 | パスカル・アッカーマン(ドイツ、イスラエル・プレミアテック) | |
5位 | マライン・ファンデンベルフ(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
6位 | ライアン・ギボンズ(南アフリカ、リドル・トレック) | |
7位 | アントニー・テュルジス(フランス、トタルエネルジー) | |
8位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | アレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター) | |
10位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 31:21:13 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:33 |
3位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:15 |
4位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +1:36 |
5位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +2:16 |
6位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +2:17 |
7位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +2:31 |
8位 | ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) | +3:35 |
9位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +4:03 |
10位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +4:36 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | 216pts |
2位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | 128pts |
3位 | ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 107pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | 33pts |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 20pts |
3位 | ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ) | 16pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 31:21:46 |
2位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +1:43 |
3位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +1:58 |
チーム総合成績
1位 | UAEチームエミレーツ | 94:08:34 |
2位 | スーダル・クイックステップ | +6:04 |
3位 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +7:41 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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