2024/06/21(金) - 22:55
「最後の2周はとにかくコケないように走った」と言う金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が、2年ぶりにタイムトライアル日本チャンピオンに返り咲いた。機材に対する金子ならではのコメントとあわせて詳報レポート。
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スタートゲートから降りしきる雨の中に飛び出していく photo:Satoru Kato
男子の個人タイムトライアルは、日本サイクルスポーツセンターの5kmサーキットを逆周回で6周する30km。20名を3つのグループ=ウェーブに分け、1分間隔のスタートで行われた。
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男子エリート WAVE1で暫定トップに立った宮崎泰史(キナンレーシングチーム) photo:Satoru Kato
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男子エリート5位 小林海(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato ![](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2024/06/21/skato_nic24_tt_10.jpg)
男子エリート6位 留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Satoru Kato
午前中から激しく降り続ける雨が残る中、午後1時30分に第1ウェーブの7名が順にスタートしていく。2番目にスタートした宮崎泰史(キナンレーシングチーム)が、47分44秒をマークして暫定トップに立つ。雨が徐々に弱まりはじめた第2ウェーブでは、留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)が48分41秒、山本大喜(JCLチーム右京)が48分27秒を出すが、宮崎のタイムを上回れない。
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男子エリート 他を圧倒するペースで優勝した金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) photo:Satoru Kato
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昨年優勝の小石祐馬(JCLチーム右京)は1周目からバイク交換のトラブルに見舞われた photo:Satoru Kato
最終の第3ウェーブでは晴れ間も出て路面が乾き始める中、金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が終始7分50秒台のペースを維持して周回を重ねていく。一方、最後にスタートした昨年覇者の小石祐馬(JCLチーム右京)は、1周目からバイク交換するトラブルでタイムロス。その後もペースが上がらず、9位で終えることになる。
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ガッツポーズでフィニッシュする金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) photo:Satoru Kato
最後までペースを落とさずに走り切った金子は、伴走のチームスタッフからタイム差を聞いて勝利を確信。最後はガッツポーズを繰り出す余裕を見せてフィニッシュラインに姿を現した。終わってみれば宮崎のタイムを51秒も上回っての圧勝となった。3位には新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が入った。最終周回は金子を上回るペースを刻んだものの、及ばなかった。
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男子エリート 表彰式 photo:Satoru Kato
優勝 金子宗平コメント
「タイムトライアルは強い人が勝つレース。一番狙っていたタイトルなので勝てて素直に嬉しい。
今年はロードバイクかTTバイクかで直前まで悩み、前日の試走で両方乗ってみて比較しようと思っていたが、パワーメーターが壊れてどっちが速いのか分からなくなってしまった。でも他の選手はTTバイクで走る人が多そうだったので、同じ条件なら素直に実力ある方が勝てると考えてTTバイクで勝負することになった。事前にポジションをいくつか試してみて、ワット数は減るけれどパワーが出しやすく登りで踏みやすい高めのDHポジションを取れるようにした。
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通常よりも高めのDHポジションで走る金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) photo:Satoru Kato
どのくらいのペースでいくかはあまり考えてなく、自分より前のウェーブで走った選手のタイムを見て、それより速く走れるようにした。悪天候の中、宮崎選手があれだけのタイムを出していて、自分がゴールしてから改めて驚いた。あるいは同じ条件で走ったら負けていたかもしれない。
昨年の落車のことが常に頭の中にあったので、特に最後の2周はコケないように神経を使った。だからタイム差を聞いて圧勝とわかっていたので、最後は喜びを爆発させてガッツポーズが出てしまった。
今年は練習方法を変えて乗り込めていて、Jプロツアーで3勝出来ているし調子が良い。ロードレースも真剣に狙っていきたい」
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表彰前、何かを話す金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム、写真右)と宮崎泰史(キナンレーシングチーム) photo:Satoru Kato 2位 宮崎泰史コメント
「タイムトライアルに合わせてというよりもチームとしてロードで勝つことを考えてきているので、もちろん勝てなかったことは若干悔しい気持ちはあるけれど、調子の良さや脚の感覚の良さを確認出来て良かったと思う。少なくとも今日タイムトライアルを走った中では上の方にいることがわかったので、ロードに向けて良い感触を掴めた。
ロードレースでは今年は昨年よりもチームとして切れるカードが多いと思うので、他のチームに一泡ふかせることが出来ればと思っている。これまで体調崩しがちだったのを見かねて今年はトマ・ルバ選手が色々面倒を見てくれているおかげで、コンディションが整った状態で全日本に臨めている。金子選手と同じ条件で走れていたら勝てたかどうかは分からないけれど、ロードで1対1になったら負けないように頑張りたい」
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男子の個人タイムトライアルは、日本サイクルスポーツセンターの5kmサーキットを逆周回で6周する30km。20名を3つのグループ=ウェーブに分け、1分間隔のスタートで行われた。
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午前中から激しく降り続ける雨が残る中、午後1時30分に第1ウェーブの7名が順にスタートしていく。2番目にスタートした宮崎泰史(キナンレーシングチーム)が、47分44秒をマークして暫定トップに立つ。雨が徐々に弱まりはじめた第2ウェーブでは、留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)が48分41秒、山本大喜(JCLチーム右京)が48分27秒を出すが、宮崎のタイムを上回れない。
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最終の第3ウェーブでは晴れ間も出て路面が乾き始める中、金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)が終始7分50秒台のペースを維持して周回を重ねていく。一方、最後にスタートした昨年覇者の小石祐馬(JCLチーム右京)は、1周目からバイク交換するトラブルでタイムロス。その後もペースが上がらず、9位で終えることになる。
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最後までペースを落とさずに走り切った金子は、伴走のチームスタッフからタイム差を聞いて勝利を確信。最後はガッツポーズを繰り出す余裕を見せてフィニッシュラインに姿を現した。終わってみれば宮崎のタイムを51秒も上回っての圧勝となった。3位には新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が入った。最終周回は金子を上回るペースを刻んだものの、及ばなかった。
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優勝 金子宗平コメント
「タイムトライアルは強い人が勝つレース。一番狙っていたタイトルなので勝てて素直に嬉しい。
今年はロードバイクかTTバイクかで直前まで悩み、前日の試走で両方乗ってみて比較しようと思っていたが、パワーメーターが壊れてどっちが速いのか分からなくなってしまった。でも他の選手はTTバイクで走る人が多そうだったので、同じ条件なら素直に実力ある方が勝てると考えてTTバイクで勝負することになった。事前にポジションをいくつか試してみて、ワット数は減るけれどパワーが出しやすく登りで踏みやすい高めのDHポジションを取れるようにした。
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どのくらいのペースでいくかはあまり考えてなく、自分より前のウェーブで走った選手のタイムを見て、それより速く走れるようにした。悪天候の中、宮崎選手があれだけのタイムを出していて、自分がゴールしてから改めて驚いた。あるいは同じ条件で走ったら負けていたかもしれない。
昨年の落車のことが常に頭の中にあったので、特に最後の2周はコケないように神経を使った。だからタイム差を聞いて圧勝とわかっていたので、最後は喜びを爆発させてガッツポーズが出てしまった。
今年は練習方法を変えて乗り込めていて、Jプロツアーで3勝出来ているし調子が良い。ロードレースも真剣に狙っていきたい」
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「タイムトライアルに合わせてというよりもチームとしてロードで勝つことを考えてきているので、もちろん勝てなかったことは若干悔しい気持ちはあるけれど、調子の良さや脚の感覚の良さを確認出来て良かったと思う。少なくとも今日タイムトライアルを走った中では上の方にいることがわかったので、ロードに向けて良い感触を掴めた。
ロードレースでは今年は昨年よりもチームとして切れるカードが多いと思うので、他のチームに一泡ふかせることが出来ればと思っている。これまで体調崩しがちだったのを見かねて今年はトマ・ルバ選手が色々面倒を見てくれているおかげで、コンディションが整った状態で全日本に臨めている。金子選手と同じ条件で走れていたら勝てたかどうかは分からないけれど、ロードで1対1になったら負けないように頑張りたい」
全日本選手権タイムトライアル 男子エリート 結果(30km)
1位 | 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) | 46分52秒96(38.39km/h) |
2位 | 宮崎泰史(キナンレーシングチーム) | +51秒 |
3位 | 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) | +1分15秒 |
4位 | 山本大喜(JCLチーム右京) | +1分34秒 |
5位 | 小林 海(マトリックスパワータグ) | +1分41秒 |
6位 | 留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) | +1分48秒 |
text&photo:Satoru Kato
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