2024/05/22(水) - 08:18
悪天候によりチーマコッピ(大会最高地点)が除外され、118kmの山頂フィニッシュで争われたジロ・デ・イタリア第16ステージ。マイカの高速牽引からタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が飛び出し、区間5勝目と共に総合リードを7分18秒まで拡大させた。
リヴィーニョで今大会最後の休息日を終えた選手たちは、これより最終日のローマまでノンストップで走っていく。ジロ・デ・イタリア第16ステージは元来、序盤にチーマコッピ(大会最高地点)である標高2,758mのパッソ・デッロ・ステルヴィオを登坂予定だった。しかし雪崩の危険性から標高2,489mのジョーゴ・ディ・サンタ・マリア(ウンブレイル峠)に変更された。
そしてレース当日、予報通りの強い雨が降ったためプロ選手組合(CPA)がコース短縮の要望をジロ主催者に提出。それが認められた結果、ジョーゴ・ディ・サンタ・マリアの麓にあるガソリンスタンドからスタートする118.7kmコースに。それ以降は予定通りコースをなぞり、平坦路の後は1級パッソ・ディ・ピネイ(距離23.3km/平均4.7%)、そしてラスト2kmが平均11.8%の最終2級山岳サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナ(距離6.5km/平均6.1%)が待ち受ける。
レースの開始時刻も現地時間午前11時20分の予定から3時間遅れ、午後2時25分にスタートした。逃げ切りに適したレイアウトゆえ序盤からアタックが勃発し、緩やかな下り基調のコースのため最初30分は平均速度が60km/hに迫るハイペースを記録。そしてイタリア人3名にジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)の入る逃げグループが形成された。
ジロ第16ステージで逃げた4名
ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)
アンドレア・ピッコロ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)
ミルコ・マエストリ(イタリア、ポルティ・コメタ)
一方のメイン集団では、総合9位エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア)のジャンプアップを目指すモビスターが牽引を担当。そのためタイム差は2分をピークに拡がらず、先頭の4名は順調にローテーションを回しながら約80kmに及ぶ平坦路を消化した。
第12ステージではアラフィリップと共に逃げ、その翌日に勝利した際に着用していたジャージを贈られたマエストリも入った逃げは、プロトンと53秒差で1級パッソ・ディ・ピネイに入る。アラフィリップの作る登坂ペースにピッコロとバッレリーニが遅れ、マエストリもついていけない。そのためフィニッシュまで32.8kmでアラフィリップが単独先頭に立った。
相変わらずモビスターがペーシングするプロトンからは、大会1週目に度々逃げに乗っていたフィリッポ・フィオレッリ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)がアタック。しかしこれは決め手に欠き、その1分半のリードを得たアラフィリップは登坂の途中に設定されたインテルジロと中間スプリントを先頭通過し、視界を狭めるほどの雨のなかパッソ・ディ・ピネイの頂上に至った。
マリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るシモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)や総合7位につけるロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が遅れたメイン集団からは、今度はクリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)ら3名が飛び出す。その中には共に今大会がグランツールデビューの20歳ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)と21歳のエウェン・コステュー(フランス、アルケアB&Bホテルズ)も入り、最終2級山岳サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナ(距離6.5km/平均6.1%)に入った元世界王者を追いかけた。
残り5.3km地点でアラフィリップは追走3名の合流を許し、僅か23秒後方のプロトンではUAEチームエミレーツが牽引に本腰を入れる。先頭4名からは雨で濡れた顔を拭うアラフィリップが遅れ、平均勾配が11.8%まで跳ね上がる残り2km地点でコステューが加速。これにスカローニが引き離され、一度遅れたペリツァーリはマイペース走法でコステューを捉えて残り1.5kmで追い抜いた。
26秒後方のプロトンではラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)のハイスピード牽引に、総合2位のゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が早くも遅れる。そしてマイカが役割を終えると、ショートスリーブのマリアローザがシッティングのままペースを上げた。
先頭を行くペリツァーリとの距離を一気に縮めるポガチャルに対し、総合4位のベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)と3位のダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)はついていけない。ペリツァーリが先頭でフラムルージュ(残り1km)を通過したものの、すぐ背後に迫ったポガチャルは残り700mでキャッチ。そして淡々と高出力で踏み続けたポガチャルが、ペリツァーリを引き離しフィニッシュに到着した。
フィニッシュラインの直前にここまで重ねた勝利を指折り数え、手のひらをかざしたポガチャルが区間5勝目をマーク。「先行きの分からないスタートから、走り出してみればいつもの調子で走ることができた。逃げが形成され、リラックスしようと思ったのだがモビスターがハイペースを刻んだ。今日はペリツァーリが勝つと思っていたが、僕が勝利を掴んだ。それでも彼の2位が嬉しいよ」と語った。
ポガチャルのコメント通りペリツァーリが区間2位。またポガチャルは以前から交流のあった20歳のペリツァーリにフィニッシュ後、アイウェアとマリアローザを渡して健闘を称えるシーンもあった。
マルティネスは16秒遅れの区間3位に入り、トーマスが15位(49秒遅れ)とタイムを失ったため総合2位と3位が入れ替わる。そして第16ステージにして、総合首位ポガチャルと2位の差は7分18秒まで拡大している。
リヴィーニョで今大会最後の休息日を終えた選手たちは、これより最終日のローマまでノンストップで走っていく。ジロ・デ・イタリア第16ステージは元来、序盤にチーマコッピ(大会最高地点)である標高2,758mのパッソ・デッロ・ステルヴィオを登坂予定だった。しかし雪崩の危険性から標高2,489mのジョーゴ・ディ・サンタ・マリア(ウンブレイル峠)に変更された。
そしてレース当日、予報通りの強い雨が降ったためプロ選手組合(CPA)がコース短縮の要望をジロ主催者に提出。それが認められた結果、ジョーゴ・ディ・サンタ・マリアの麓にあるガソリンスタンドからスタートする118.7kmコースに。それ以降は予定通りコースをなぞり、平坦路の後は1級パッソ・ディ・ピネイ(距離23.3km/平均4.7%)、そしてラスト2kmが平均11.8%の最終2級山岳サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナ(距離6.5km/平均6.1%)が待ち受ける。
レースの開始時刻も現地時間午前11時20分の予定から3時間遅れ、午後2時25分にスタートした。逃げ切りに適したレイアウトゆえ序盤からアタックが勃発し、緩やかな下り基調のコースのため最初30分は平均速度が60km/hに迫るハイペースを記録。そしてイタリア人3名にジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)の入る逃げグループが形成された。
ジロ第16ステージで逃げた4名
ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)
アンドレア・ピッコロ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)
ミルコ・マエストリ(イタリア、ポルティ・コメタ)
一方のメイン集団では、総合9位エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア)のジャンプアップを目指すモビスターが牽引を担当。そのためタイム差は2分をピークに拡がらず、先頭の4名は順調にローテーションを回しながら約80kmに及ぶ平坦路を消化した。
第12ステージではアラフィリップと共に逃げ、その翌日に勝利した際に着用していたジャージを贈られたマエストリも入った逃げは、プロトンと53秒差で1級パッソ・ディ・ピネイに入る。アラフィリップの作る登坂ペースにピッコロとバッレリーニが遅れ、マエストリもついていけない。そのためフィニッシュまで32.8kmでアラフィリップが単独先頭に立った。
相変わらずモビスターがペーシングするプロトンからは、大会1週目に度々逃げに乗っていたフィリッポ・フィオレッリ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)がアタック。しかしこれは決め手に欠き、その1分半のリードを得たアラフィリップは登坂の途中に設定されたインテルジロと中間スプリントを先頭通過し、視界を狭めるほどの雨のなかパッソ・ディ・ピネイの頂上に至った。
マリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るシモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)や総合7位につけるロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)が遅れたメイン集団からは、今度はクリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン)ら3名が飛び出す。その中には共に今大会がグランツールデビューの20歳ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)と21歳のエウェン・コステュー(フランス、アルケアB&Bホテルズ)も入り、最終2級山岳サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナ(距離6.5km/平均6.1%)に入った元世界王者を追いかけた。
残り5.3km地点でアラフィリップは追走3名の合流を許し、僅か23秒後方のプロトンではUAEチームエミレーツが牽引に本腰を入れる。先頭4名からは雨で濡れた顔を拭うアラフィリップが遅れ、平均勾配が11.8%まで跳ね上がる残り2km地点でコステューが加速。これにスカローニが引き離され、一度遅れたペリツァーリはマイペース走法でコステューを捉えて残り1.5kmで追い抜いた。
26秒後方のプロトンではラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)のハイスピード牽引に、総合2位のゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が早くも遅れる。そしてマイカが役割を終えると、ショートスリーブのマリアローザがシッティングのままペースを上げた。
先頭を行くペリツァーリとの距離を一気に縮めるポガチャルに対し、総合4位のベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)と3位のダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)はついていけない。ペリツァーリが先頭でフラムルージュ(残り1km)を通過したものの、すぐ背後に迫ったポガチャルは残り700mでキャッチ。そして淡々と高出力で踏み続けたポガチャルが、ペリツァーリを引き離しフィニッシュに到着した。
フィニッシュラインの直前にここまで重ねた勝利を指折り数え、手のひらをかざしたポガチャルが区間5勝目をマーク。「先行きの分からないスタートから、走り出してみればいつもの調子で走ることができた。逃げが形成され、リラックスしようと思ったのだがモビスターがハイペースを刻んだ。今日はペリツァーリが勝つと思っていたが、僕が勝利を掴んだ。それでも彼の2位が嬉しいよ」と語った。
ポガチャルのコメント通りペリツァーリが区間2位。またポガチャルは以前から交流のあった20歳のペリツァーリにフィニッシュ後、アイウェアとマリアローザを渡して健闘を称えるシーンもあった。
マルティネスは16秒遅れの区間3位に入り、トーマスが15位(49秒遅れ)とタイムを失ったため総合2位と3位が入れ替わる。そして第16ステージにして、総合首位ポガチャルと2位の差は7分18秒まで拡大している。
ジロ・デ・イタリア2024第16ステージ結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 2:49:37 |
2位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ) | +0:16 |
3位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
4位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン) | +0:31 |
5位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:33 |
6位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +0:38 |
7位 | ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:39 |
8位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダー・プロサイクリング) | +0:42 |
9位 | エウェン・コステュー(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | |
10位 | ヴァランタン・パレパントル(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +0:45 |
14位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +0:49 |
15位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
マリアローザ 個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 59:01:09 |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | +7:18 |
3位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +7:40 |
4位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +8:42 |
5位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +10:09 |
6位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +10:33 |
7位 | ロマン・バルデ(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +12:18 |
8位 | フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) | +12:43 |
9位 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) | +13:09 |
10位 | ヤン・ヒルト(チェコ、スーダル・クイックステップ) | +14:07 |
マリアチクラミーノ ポイント賞
1位 | ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | 284pts |
2位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | 175pts |
3位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 99pts |
マリアアッズーラ 山岳賞
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 200pts |
2位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン) | 86pts |
3位 | シモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス) | 78pts |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
1位 | アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | 59:11:18 |
2位 | フィリッポ・ザナ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:24 |
3位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +2:34 |
チーム総合成績
1位 | デカトロンAG2Rラモンディアル | 177:47:27 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | +10:47 |
3位 | UAEチームエミレーツ | +34:39 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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