ティボー・ネイスが再びビッグネーム打破　ハンガリーの総合首位に立つ

ハンガリー3日目のクイーンステージで21歳のティボー・ネイス（ベルギー、リドル・トレック）が勝利。シクロクロスレジェンドの息子がロマンディに続く大きなリザルトをマークした。

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2日連続の集団スプリントを経て、ツール・ド・ハンガリー（UCI2.Pro）3日目にいよいよクライマーの活躍の場がやってきた。182.7kmのクイーンステージの中盤と最後に同じ山岳を登り、最後は分岐を曲がって山頂まで目指す合計12kmの道のり。平均勾配は緩めだが、特にラスト3.5kmの平均勾配は8%と登坂勝負に持ち込むには十分な難易度を誇る。

アスタナ・カザクスタンのイェフゲニー・ギディッチ（カザフスタン）と、この日マーク・カヴェンディッシュ（イギリス）のアシスト任務が解かれたミケル・モルコフ（デンマーク）が入った逃げは、ペテル・サガン（スロバキア）のチームメイトであり、総合リーダーに就くマルティン・ヴォルトル（チェコ）擁するピエール・バゲットサイクリングが率いるメイン集団から先行。後半戦に入るとワールドチーム勢のコントロールに取って代わり、そのまま逃げグループをキャッチした。

総合リーダー、ヴォルトルの顔見せアタックが引き戻されたのち、UAEチームエミレーツとボーラ・ハンスグローエ、チューダープロサイクリングのペーシングがスタート。終盤の勝負所に入って人数が絞られ、残り1.7km地点からドイツ王者エマヌエル・ブッフマン（ボーラ・ハンスグローエ）がアタックした。

発煙筒が焚かれる登坂で逃げたブッフマンは十分なリードを稼いでラスト300m地点を通過したものの、脚を溜めた後続グループが猛烈なスパートで差を詰めてくる。「確実に勝てるリードだと思ったのに」と悔やむブッフマンを追い抜き、段違いのスプリントでディエゴ・ウリッシ（イタリア、UAEチームエミレーツ）を引き離したティボー・ネイス（ベルギー、リドル・トレック）が勝利した。

シクロクロスレジェンド、スヴェン・ネイスの息子であり、4月のツール・ド・ロマンディで驚きのワールドツアー初勝利を掴んだ21歳が再びトップ選手を相手に勝利。「信じられないよ。明日と最終日のステージ優勝を狙っていて、今日はその試運転と考えていたんだ。昨日まで少し脚が重たかったけど今日は絶好調だった。ブッフマンまでかなり遠かったものの、全開で踏み続けたらチャンスがやってきた」と語るネイスは総合成績でもリーダーに立ち、現実的に総合優勝の可能性を見出すこととなった。