2024/05/09(木) - 14:40
「今日は"僕の日"だと自分を鼓舞した」とは、逃げ切りから勝利を掴んだバンジャマン・トマ(フランス、コフィディス)の言葉。惜しくも敗れたヴァルグレンや、同じトラック選手のトマを称えるミランなど、ジロ第5ステージを選手のコメントで振り返ります。
区間優勝 バンジャマン・トマ(フランス、コフィディス)
まるで長い長いチームパシュートをしているようだった。素晴らしい逃げ集団から、本当に信じられない勝利を掴んだ。終盤はとても辛く、集団の先頭で牽引する時は常に全力だった。
勝利を意識し始めたのは残り10kmから。その時に(プロトンと)40〜50秒差があり、また追い風だったので「このまま時速60kmで進めば差は縮まらないだろう」と思った。第2の故郷であるイタリアで勝つことができ、本当に嬉しいよ。
―これで(残り450mで吸収された)2年前のツール・ド・フランスの雪辱を晴らすことができたか。
そうだね。残り1km地点で(そのフィニッシュ地点である)カルカッソンヌのことが頭をよぎった。だけど「今日は僕の日だ」と自分を鼓舞しながら走っていた。その後イタリア人選手(アンドレア・ピエトロボン)が仕掛け、「負ける覚悟で勝ちに行こう」と思い追走には加わらなかった。だから今日は全てが完璧にハマったんだ。正直この気持ちをなんて表現したらいいのかわからない。
ここは僕がトレーニングを行うことのある街なので、終盤のコースは隅々まで知っていた。またモンテマーニョ(終盤の4級山岳)も練習で使う丘。だからコーナーや石畳が僕らの優勢を作り出す要素となった。(居を構える)イタリアでの勝利は特別な気持ちがある。
区間2位 ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
最初の逃げがプロトンに捉まった後、バンジャマンが僕に「この後6〜7人でアタックするつもりだ」と誘ってくれた。だが僕は昨日の落車で膝を痛めたので断ったんだ。でも彼は「トライしてみようよ」と言ってきたので、従ったんだ。
逃げでは4人、いや3.5人の強い選手たちが協力してローテーションを回した。最後は強いバンジャマンにやられてしまい残念だが、次の機会があればまた挑戦したい。
逃げの勝利を確信したのは残り3〜4km地点。プロトンは1kmで10秒を縮めるが、その後のコースに下りなどもあり追走が難しいと思ったんだ。一緒に逃げた選手たちを祝福したい。
―3.5人とはどういう意味か。
ポルティの選手(ピエトロボン)があまり牽引に協力的じゃなかったんだ。それに彼の(残り1kmからの)アタックが僕らの協力関係を壊してしまった。だからこそロングスプリントを仕掛けたのだが、上手くいなかった。
―2022年の大怪我からグランツールの勝利に迫るところまで戻ってきた気持ちは。
数年前は契約さえ危うかったんだ。だけどチームが良い形で僕を支えてくれた。その恩返しができるようになったし、まだ自転車選手でいられることが嬉しい。皆に感謝を伝えたい。
区間5位&マリアチクラミーノ ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
思い描いていた形でのスプリントではなかったが、良いリードアウトからスプリントに臨むことができた。今日のレースを反省し、次のステージに活かしたい。
―同じトラック競技の選手が勝ったことに喜びはあるか。
あると言えるだろうね(笑)。トラックでのトレーニングとレースがロードでも役に立つことが証明されたのだからね。バンジャマンはトラックの世界選手権で優勝経験のある才能のある選手。そういった面でも彼の勝利は嬉しいし、祝福したい。
区間6位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)
最初の山岳でアルペシンがペースを上げ、集団から遅れてしまった。だがチームメイトが僕を集団へ復帰させてくれた。もちろん勝利を目指すスプリントがしたかったが、調子は良いのでポジティブな気持ちを得ることができた。
マリアローザ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
今日は面白いステージとなった。最後の1時間、残り50kmのスピードはとても速く、ルッカにたどり着いてからもレースの強度は高かった。スプリンターチームは逃げを捕まえられなかったものの、集団は最後までフルガスだったよ。登りでハイペースを刻み、スプリントのチャンスを逃してしまったアルペシンはさぞ残念だろうね。
明日は総合タイムを失うことなく、安全確保に注力するステージとなる。
text:Sotaro.Arakawa
photo:RCS Sport
区間優勝 バンジャマン・トマ(フランス、コフィディス)
まるで長い長いチームパシュートをしているようだった。素晴らしい逃げ集団から、本当に信じられない勝利を掴んだ。終盤はとても辛く、集団の先頭で牽引する時は常に全力だった。
勝利を意識し始めたのは残り10kmから。その時に(プロトンと)40〜50秒差があり、また追い風だったので「このまま時速60kmで進めば差は縮まらないだろう」と思った。第2の故郷であるイタリアで勝つことができ、本当に嬉しいよ。
―これで(残り450mで吸収された)2年前のツール・ド・フランスの雪辱を晴らすことができたか。
そうだね。残り1km地点で(そのフィニッシュ地点である)カルカッソンヌのことが頭をよぎった。だけど「今日は僕の日だ」と自分を鼓舞しながら走っていた。その後イタリア人選手(アンドレア・ピエトロボン)が仕掛け、「負ける覚悟で勝ちに行こう」と思い追走には加わらなかった。だから今日は全てが完璧にハマったんだ。正直この気持ちをなんて表現したらいいのかわからない。
ここは僕がトレーニングを行うことのある街なので、終盤のコースは隅々まで知っていた。またモンテマーニョ(終盤の4級山岳)も練習で使う丘。だからコーナーや石畳が僕らの優勢を作り出す要素となった。(居を構える)イタリアでの勝利は特別な気持ちがある。
区間2位 ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
最初の逃げがプロトンに捉まった後、バンジャマンが僕に「この後6〜7人でアタックするつもりだ」と誘ってくれた。だが僕は昨日の落車で膝を痛めたので断ったんだ。でも彼は「トライしてみようよ」と言ってきたので、従ったんだ。
逃げでは4人、いや3.5人の強い選手たちが協力してローテーションを回した。最後は強いバンジャマンにやられてしまい残念だが、次の機会があればまた挑戦したい。
逃げの勝利を確信したのは残り3〜4km地点。プロトンは1kmで10秒を縮めるが、その後のコースに下りなどもあり追走が難しいと思ったんだ。一緒に逃げた選手たちを祝福したい。
―3.5人とはどういう意味か。
ポルティの選手(ピエトロボン)があまり牽引に協力的じゃなかったんだ。それに彼の(残り1kmからの)アタックが僕らの協力関係を壊してしまった。だからこそロングスプリントを仕掛けたのだが、上手くいなかった。
―2022年の大怪我からグランツールの勝利に迫るところまで戻ってきた気持ちは。
数年前は契約さえ危うかったんだ。だけどチームが良い形で僕を支えてくれた。その恩返しができるようになったし、まだ自転車選手でいられることが嬉しい。皆に感謝を伝えたい。
区間5位&マリアチクラミーノ ジョナサン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)
思い描いていた形でのスプリントではなかったが、良いリードアウトからスプリントに臨むことができた。今日のレースを反省し、次のステージに活かしたい。
―同じトラック競技の選手が勝ったことに喜びはあるか。
あると言えるだろうね(笑)。トラックでのトレーニングとレースがロードでも役に立つことが証明されたのだからね。バンジャマンはトラックの世界選手権で優勝経験のある才能のある選手。そういった面でも彼の勝利は嬉しいし、祝福したい。
区間6位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)
最初の山岳でアルペシンがペースを上げ、集団から遅れてしまった。だがチームメイトが僕を集団へ復帰させてくれた。もちろん勝利を目指すスプリントがしたかったが、調子は良いのでポジティブな気持ちを得ることができた。
マリアローザ タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
今日は面白いステージとなった。最後の1時間、残り50kmのスピードはとても速く、ルッカにたどり着いてからもレースの強度は高かった。スプリンターチームは逃げを捕まえられなかったものの、集団は最後までフルガスだったよ。登りでハイペースを刻み、スプリントのチャンスを逃してしまったアルペシンはさぞ残念だろうね。
明日は総合タイムを失うことなく、安全確保に注力するステージとなる。
text:Sotaro.Arakawa
photo:RCS Sport
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