本日4月14日(日)、アルデンヌクラシック3連戦の初戦であるアムステルゴールドレースが行われる。「1000のカーブ」と形容される複雑なコースや優勝候補のファンデルプール、7年振りに出場する新城や女子レースを紹介する。



アルデンヌクラシックの初戦であるアムステルゴールドレースが本日開催される photo:CorVos

暴れるバイクを押さえつけ、選手たちが石畳を駆け抜けたロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベが終わり、春のクラシックはより起伏の富むアルデンヌクラシックに突入する。その初戦として本日4月14日(日)に開催されるのが、第58回アムステルゴールドレース(UCIワールドツアー)だ。

アルデンヌクラシック3連戦
4月14日(日):アムステルゴールドレース
4月17日(水):ラ・フレーシュ・ワロンヌ
4月21日(日):リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ

その特徴は「1000のカーブ」と形容される連続するコーナーと、コースに満遍なく散りばめられた33つの短い登り(ベルグ)。「低地の国」を意味するオランダだが(レース中盤はベルギーを通る)、いずれも「2分以下」で頂上にたどり着く細かなアップダウンにより総獲得標高差は3,200mに達する。そのため石畳クラシックで活躍する選手たちよりも、パンチャーやクライマーに有利なレースとなっている。

アムステルゴールドレース2024 コースマップ image:Amstel Gold Race

アムステルゴールドレース2024 コースプロフィール image:Amstel Gold Race

例年からコースに変更はなく、253.6kmコースのフィニッシュ地点は今年も「No.33 ファルケンブルグ」。昨年は「No.28 アイセルボス」でタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が加速し、28kmを独走して初優勝を飾った。



絶好調ファンデルプールを止める選手は現れるか?

2019年以来の優勝を目指すマチュー・ファンデルプール(オランダ) photo:CorVos

優勝候補の筆頭に挙げられるのは、2019年大会のスプリント勝利が記憶に新しいマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)。ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベをどちらも独走で制した現世界王者は「ここからはボーナスみたいなものだ」と言いながらも、3週連続でビックレースでの勝利を狙う。

2度目の優勝を狙うファンデルプールの脇を固めるのは、ルーベで献身的な走りを見せたジャンニ・フェルミールス(ベルギー)や現U23ロード世界王者であるアクセル・ローランス(フランス)たち。ワールドチーム2年目とは思えない世界トップの戦力と組織力が、ファンデルプールの勝利をアシストする。

またファンデルプールの一強と語られるのは、昨年覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が出場しないため。チーム力ではアルペシンを上回るUAEでは代わりに若手のフアン・アユソ(スペイン)がゼッケン1をつけ、マルク・ヒルシはもちろん同じスイス出身で4日前にプロ初勝利を飾った19歳ヤン・クリステンにも注目だ。

2014年に10位入賞の新城が7年振りに出場

昨年のリベンジを狙うヒーリーとピドコック photo:CorVos

昨年2位のベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)と3位のトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は揃って表彰台の頂点を目指し、怪我人続出のヴィスマ・リースアバイクはティシュ・ベノート(ベルギー)がエース。また優勝候補には前哨戦のブラバンツ・ペイルを制したブノワ・コスヌフロワ(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)を挙げる声も多い。

そしてペリョ・ビルバオ(スペイン)で優勝を狙うバーレーン・ヴィクトリアスからは、2017年以来7年振りに新城幸也が出場。求められる役割はアシストだが、2014年大会では10位に入る快挙を成し遂げた走りに注目だ。



フォレリングとコペッキーが揃い踏みの女子レース

2連覇を狙うデミ・フォレリング(オランダ) photo:CorVos

男子と同日に行われ、今年で第9回目を迎える女子レース。注目はデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)による2連覇だが、4日前のブラバンツ・ペイルではエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)の独走を許した。そのためフォレリングのコンディションが不安視されるものの、決してSDワークスの優勢は揺るがない。

その理由は昨年2位のロッテ・コペッキー(ベルギー)がいるから。パリ〜ルーベではスプリンター2人をスピードでねじ伏せ、世界王者の名に相応しい圧巻の勝利を披露した。その他にもSDワークスは登りへの耐性をつけるロレーナ・ウィーベス(オランダ)など協力なメンバーを揃えるため、序盤からレースのコントロールが予想される。

初優勝を狙うロッテ・コペッキー(ベルギー) photo:CorVos

対するリドル・トレックはロンゴボルギーニと昨年3位のシリン・ファンアンローイ(オランダ)で勝負。もちろん2019年覇者のカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)やマビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ)、ジュリエット・ラブース(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)など登りに強い選手も注目。そして2021年大会を制したでマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)も有力だ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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