集団スプリントに持ち込まれた第115回ミラノ〜サンレモ。「無線でファンデルプールにアシストを頼んだ」と語ったヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)や惜敗したマシューズ、友の優勝を祝うポガチャルなど、選手たちのコメントを紹介します。



優勝 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)

ハンドルを投げるポガチャルとマシューズとフィリプセン photo:CorVos

レース直後インタビュー


夢に見たことが現実となり、今は信じられない気持ちだ。ミラノ〜サンレモはモニュメントの中でも僕が勝てる可能性のあるレース。マチュー(ファンデルプール)の走りは素晴らしく、チームとして勝利を掴むことができたことを誇りに思う。

―大会史上最速となったミラノ〜サンレモを制した気持ちは?

確か昨年も”史上最速”だったよね?年々速くなるレースでも脚の調子は良く、スタート時点で既に「今日は僕の日になるかもしれない」と思っていた。だから自分の力を信じていたが、勝つためには全てが上手く進まなければならない。ポッジオでは精鋭集団ができたが、(登りで遅れた)僕も先頭集団に復帰することができた。

バイクにキスをして喜ぶヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) photo::RCS Sport

その中にはマチューもおり、彼は渾身のチームプレイを見せていくれた。本当に感謝しているよ。

マッズ(ピーダスン)を警戒するなか、マイケル・マシューズの速さは予想外だった。300kmを走った後のスプリントはいつもとは違う変な感覚だった。そんな中でもフィニッシュラインを僅か5cm先に通過することができ、本当に良かった。

表彰式後インタビュー

ポッジオの下りでマチューに無線で「(スプリントで勝てる)脚があるので、ポガチャルと協調して飛び出さないでくれ」と懇願したんだ。だから彼には感謝している。彼は自分のことよりもチームメイトの力になることを選んでくれるんだ。去年のパリ〜ルーベで僕が彼をアシストしたようにね。

2位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)

2位で表彰台に上がったマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

ビタースイートな結果となった。(レース直後である)いま、モニュメントの制覇を数cmで逃したという現実を素直に受け入れることは難しい。だが先週の今頃は、体調不良によりスタートできるかさえ不明な状態だった。だから家でパリ〜ニースを観ることしかできなかった。その1週間後にサンレモを走り、1cm差で2位だ。それを考えるとそこまで悪い結果じゃない。むしろ誇りに思うよ。

3位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

仲の良いマシューズとフィリプセンとセルフィーを撮るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo::RCS Sport

表彰台に上がることが想像しうる最良の結果だ。マイケル(マシューズ)とヤスペル(フィリプセン)とは仲の良い友人で、彼らと一緒に表彰台に立つことができてとても嬉しいよ。

今日は調子がとても良く、勝てると思っていた。だが当然勝ちたいのは僕だけじゃないので、このポディウムという結果に満足している。チームはチプレッサとポッジオで完璧に近い素晴らしい走りを見せてくれた。最後の登り(ポッジオ)では後続からリードを奪うことができず、だからスプリントで運を試してみることにした。僕らは勝利を目指すべく、またここに戻ってくる。

4位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)

最終盤で良い位置につきながらも、スピードが維持できなかったマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo::RCS Sport

チームとしての走りに満足しているが、最低でも表彰台に届くスプリントができず、申し訳なく思っている。チームの走りや終盤のヤスペル・ストゥイヴェンによるアシストを、最低でも表彰台という結果に繋げなくてはならなかった。だからこそいつも以上に落ち込んでいる。

11位 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

自分の有利なパターンに持ち込むのがとても難しい終盤だった。ボッジオの下りでは有利な状況に持ち込む位置取りも難しかった。このような展開では僕にできることも少なかったが、来年以降にまた勝利を狙いたい。

特に作戦は立てておらず、終盤は本能に従って走っていた。こういうレースではそれが最善だからね。これでまだ2度目の完走だ。このレースは美しく、絶対に勝ちたいレースの一つだ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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