2024/01/18(木) - 09:15
激しい攻防が繰り広げられたサントス・ツアー・ダウンアンダー第2ステージで、20歳のイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)が勝利。今大会がプロデビュー戦のラヴニール覇者がラスト1kmのアタックを決め、早くもその実力を見せつけた。
2024年のロードシーズン開幕戦、サントス・ツアー・ダウンアンダーの2日目は前日よりも登りが厳しい141.6kmで争われた。2級山岳フォックスクリーク・クライムを含む35kmコースを3周し、獲得標高差が約3,000mに迫る丘陵ステージ。そのため集団スプリントや逃げ切りなどあらゆる可能性の考えられるレイアウトだ。
最高気温34度だった前日から一転、19度と過ごしやすい天候のなか現地時間11時20分にスタート。直後にヤルディ・ファンデルリー(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)とルーク・バーンズ(オーストラリアナショナルチーム)がファーストアタックを成功させ、早くも2名による逃げ集団が形成された。
昨年トレーニー(研修生)としてEFに合流し、そのままトップチーム昇格を果たしたファンデルリーとオーストラリア籍のコンチネンタルチームであるチームブリッジレーンに所属するバーンズ。最初の2級山岳こそファンデルリーが先頭通過したものの、残る2つの山岳(フォックスクリーク・クライム)は連続してバーンズがトップ通過。そのためバーンズが地元で山岳賞ジャージ着用の権利を得た。
それを約5分差で追いかけるメイン集団では、ボーナスタイムつきの中間スプリント争いが勃発する。1つ目はイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)が3位通過すると、2つ目は「徐々に体調が上がってきている」と語るカレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)がデルトロを退けた。
今年グランツールデビューが期待されるレオ・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)などがプロトンを積極的に牽引したため、逃げの2人は残り20kmで吸収される。そしてこの日最後のフォックスクリーク・クライム(平均勾配8.8%)でスーダル・クイックステップのトレインが加速。そこから飛び出すと思われたジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)をオーストラリア王者のルーク・プラップ(ジェイコ・アルウラー)が抑え、その後ろにダウンアンダー・クラシックを制した好調のジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)がついた。
プラップが維持するハイスピードにアラフィリップが引き離されるなか、前日勝者のサム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)らスプリンターは遅れる。そのままプラップとナルバエスの2人は先頭に出たものの、一騎打ちスプリントに持ち込みたいナルバエスは先頭交代に応じない。そのため、デルトロがフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)を引き上げたことによってスピードを増したプロトンが2人を捉え、レースは振り出しに戻った。
年々登りへの耐性が上がるユアンが残った80名弱のメイン集団からは、残り5kmを切った地点でクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)がアタック。そこに21歳のバスティアン・トロンション(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)が食らいつくものの、プロトンとの差は拡げられない。
そして前日に続き集団スプリントで決着すると思われた展開を、猛スピードで集団前方へと進むデルトロが打ち砕く。残り1.1km地点で踏み込んだデルトロはトロンションとシモンズを追い抜くと、そのままプロトンとの差を広げていった。
「ラスト1kmがまるで5kmのように長く感じた」とレース後に語ったデルトロには、リードアウトトレインを組んだイスラエル・プレミアテックのコービン・ストロング(ニュージーランド)も届かない。そして右手を突き上げ、雄叫びを上げたデルトロが2日目の勝者に輝いた。
レース終盤にフィッシャーブラックを引き上げるため脚を使ったデルトロによる、驚きのロングスプリント。「この状況が理解できていない。夢見ていたレースでのステージ優勝は本当に素晴らしい結果だ。この大きなレースでは自分のベストを尽くすことだけを考えていた。既に成功となった大会で、この後のレースで起こることはすべてボーナスみたいなものだ」と、プロデビュー戦でいきなりの勝利を上げたデルトロは、戸惑いを見せながらもそう喜んだ。
デルトロはプロトンでは珍しいメキシコ出身の20歳。転機となったのは昨年8月に行われたU23のツール・ド・フランスと言われるツール・ド・ラヴニールで、デルトロは区間1勝と共に総合優勝を飾る。そして争奪戦を制したUAEチームエミレーツに移籍し、いきなりワールドツアーの舞台で初勝利をマークした。
2024年のロードシーズン開幕戦、サントス・ツアー・ダウンアンダーの2日目は前日よりも登りが厳しい141.6kmで争われた。2級山岳フォックスクリーク・クライムを含む35kmコースを3周し、獲得標高差が約3,000mに迫る丘陵ステージ。そのため集団スプリントや逃げ切りなどあらゆる可能性の考えられるレイアウトだ。
最高気温34度だった前日から一転、19度と過ごしやすい天候のなか現地時間11時20分にスタート。直後にヤルディ・ファンデルリー(オランダ、EFエデュケーション・イージーポスト)とルーク・バーンズ(オーストラリアナショナルチーム)がファーストアタックを成功させ、早くも2名による逃げ集団が形成された。
昨年トレーニー(研修生)としてEFに合流し、そのままトップチーム昇格を果たしたファンデルリーとオーストラリア籍のコンチネンタルチームであるチームブリッジレーンに所属するバーンズ。最初の2級山岳こそファンデルリーが先頭通過したものの、残る2つの山岳(フォックスクリーク・クライム)は連続してバーンズがトップ通過。そのためバーンズが地元で山岳賞ジャージ着用の権利を得た。
それを約5分差で追いかけるメイン集団では、ボーナスタイムつきの中間スプリント争いが勃発する。1つ目はイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)が3位通過すると、2つ目は「徐々に体調が上がってきている」と語るカレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)がデルトロを退けた。
今年グランツールデビューが期待されるレオ・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)などがプロトンを積極的に牽引したため、逃げの2人は残り20kmで吸収される。そしてこの日最後のフォックスクリーク・クライム(平均勾配8.8%)でスーダル・クイックステップのトレインが加速。そこから飛び出すと思われたジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)をオーストラリア王者のルーク・プラップ(ジェイコ・アルウラー)が抑え、その後ろにダウンアンダー・クラシックを制した好調のジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)がついた。
プラップが維持するハイスピードにアラフィリップが引き離されるなか、前日勝者のサム・ウェルスフォード(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)らスプリンターは遅れる。そのままプラップとナルバエスの2人は先頭に出たものの、一騎打ちスプリントに持ち込みたいナルバエスは先頭交代に応じない。そのため、デルトロがフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)を引き上げたことによってスピードを増したプロトンが2人を捉え、レースは振り出しに戻った。
年々登りへの耐性が上がるユアンが残った80名弱のメイン集団からは、残り5kmを切った地点でクイン・シモンズ(アメリカ、リドル・トレック)がアタック。そこに21歳のバスティアン・トロンション(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル)が食らいつくものの、プロトンとの差は拡げられない。
そして前日に続き集団スプリントで決着すると思われた展開を、猛スピードで集団前方へと進むデルトロが打ち砕く。残り1.1km地点で踏み込んだデルトロはトロンションとシモンズを追い抜くと、そのままプロトンとの差を広げていった。
「ラスト1kmがまるで5kmのように長く感じた」とレース後に語ったデルトロには、リードアウトトレインを組んだイスラエル・プレミアテックのコービン・ストロング(ニュージーランド)も届かない。そして右手を突き上げ、雄叫びを上げたデルトロが2日目の勝者に輝いた。
レース終盤にフィッシャーブラックを引き上げるため脚を使ったデルトロによる、驚きのロングスプリント。「この状況が理解できていない。夢見ていたレースでのステージ優勝は本当に素晴らしい結果だ。この大きなレースでは自分のベストを尽くすことだけを考えていた。既に成功となった大会で、この後のレースで起こることはすべてボーナスみたいなものだ」と、プロデビュー戦でいきなりの勝利を上げたデルトロは、戸惑いを見せながらもそう喜んだ。
デルトロはプロトンでは珍しいメキシコ出身の20歳。転機となったのは昨年8月に行われたU23のツール・ド・フランスと言われるツール・ド・ラヴニールで、デルトロは区間1勝と共に総合優勝を飾る。そして争奪戦を制したUAEチームエミレーツに移籍し、いきなりワールドツアーの舞台で初勝利をマークした。
サントス・ツアー・ダウンアンダー2024第2ステージ
1位 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ) | 3:29:37 |
2位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
3位 | スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | |
4位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | |
5位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | |
6位 | ラルス・ボーフェン(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
7位 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、モビスター) | |
8位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | マックス・カンター(ドイツ、アスタナ・カザフスタン) | |
10位 | ローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ) |
個人総合成績
1位 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ) | 6:55:22 |
2位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | +0:02 |
3位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) | +0:07 |
4位 | スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | |
5位 | ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ) | +0:08 |
6位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | ルイ・バレ(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | +0:09 |
8位 | カレブ・ユアン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +0:10 |
9位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:11 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) |
山岳賞 | ルーク・バーンズ(オーストラリアナショナルチーム) |
ヤングライダー賞 | イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | アンテルマルシェ・ワンティ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp
モンファボリ オーガニック アガベシロップ 低GI 330g ×2本 ワンタッチ式キャップ ボトル [ 有機JAS 認証 メキシコ産 有機 ブルーアガベ 100% 天然甘味料 ]
富永貿易
¥1,611 (¥806 / 個)