2023/10/30(月) - 12:01
ネイスが失速し、イゼルビットはミスで後退。ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が2年ぶりのシクロクロスW杯優勝をマークした。女子はフェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が今季負けなしの5勝目を挙げている。
アメリカで開幕戦をこなしたUCIシクロクロスワールドカップは、10月29日(日)にヨーロッパラウンドがスタート。ベルギーのマースメヘレンには前日開催のスーパープレスティージュ第2戦からの連戦組と、ワールドカップに集中する選手が合流。来週に控えるヨーロッパ選手権前の前哨戦としても重要な一戦となった。
昨年大会は激下りに加えて地中の石でパンク祭りとなったため主催者はコースを変更。難易度こそ下がったものの、草地メインで、降車を強いられる短く急な上り下りにキャンバー、サンドセクションも含まれる3.09kmコースは、未だにワンミスが命取りになるハイスピードレースを生み出した。
ファンエンペルが圧勝 今季負けなしの4勝目
女子エリートには世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が参戦。今季はここまで4戦4勝、しかも圧倒的な走りを見せてきた彼女にとって、ライバルのパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が不在のレースに不安要素は一切見当たらなかった。
レース前半にペースを上げたファンエンペルに食いついたのは前日勝者のセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)ただ一人だったが、落車でシューズを破損してペースダウン。小雨降るウェットコンディションの中、淡々と最速ペースを刻んだファンエンペルが圧勝した。
5レースを終えて傷無し。圧倒的な強さを誇るファンエンペルは「1周目はキツかったけどその後感触が良くなった。セイリンはとても強くて転倒したのが残念。彼女はヨーロッパ選手権に向けて仕上がっているように思う。この状況が特別なことだとわかっているし、全ての瞬間を楽しめている。自分でもヨーロッパ選手権の優勝候補だと思っているけれど、選手権は全て完璧じゃないと勝てない」と余裕のコメントを残している。
アルバラードが2位に入り、頭角を表すアニック・ファンアルフェン(オランダ、シクロクロスレッズ)が自身初のW杯表彰台を獲得。僅か19歳のレオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が6位に食い込む活躍を見せている。
男子エリート:強いファンデルハールが独走 ランキングリーダーのネイスは失速
この日の最終レースである男子エリートレースにはランキングリーダーのティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が登場。この日も二強チームであるパウェルスサウゼン・ビンゴールとバロワーズ・トレック・ライオンズが激しいレースを繰り広げることとなる。
この日はまず元U23世界王者のピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が抜け出し、現欧州王者マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が2番手グループから合流。決定的な差が付きにくい高速レースで、全8周回中の4周目には2人が捕まったことでレースが振り出しに戻った。
ここでペースを上げたのはラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)だった。「(コース変更で)危険度は下がったけれど、それでも追い抜きは非常に難しいコースであることには変わらない」と言うオランダ王者に食いついたのは、スーパープレスティージュ2連勝と波に乗るエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とネイスの2人だけ。勢いそのままに突入した激坂で3番手イゼルビットが足をついて失速し、この隙にファンデルハールがリードを得ることに成功した。
ファンデルハールが逃げ体制を築く一方、焦ったイゼルビットは細かいミスを連発し、ファントーレンハウトもリタイア。パウェルスサウゼン勢、そしてW杯ランキング維持を狙うネイスも2位グループに位置しながら最終周回に落車で後退。混乱を尻目に、ファンデルハールが夕陽差し込みフィニッシュラインに辿り着いた。
「すごく重要な勝利だ。優れた若手選手が台頭する中で勝つのは簡単じゃないけれど、今日はチームプレイの恩恵を受けることができた。僕もパンクしたけれど幸いピットの直前だったので影響はなかった。ヨーロッパ選手権は正直得意なコースじゃないけれど、ピーキングは上手くいっているよ」と、W杯のランキングリーダーに立ったファンデルハールは話している。
「このコースで独走したラースが最強だった。ミスを重ねて負けたけど、昨日優勝、今日2位と素晴らしい週末になった」と話すイゼルビットが2位に入り、失速したネイスは7位で総合成績を3位にダウン。「スタート後すぐ不調を感じていた。残念だが最大限の努力はした。ただチームは素晴らしいパフォーマンスだったし、来週水曜日のコッペンベルグクロスでもこの流れを継続していきたい」と話している。
アメリカで開幕戦をこなしたUCIシクロクロスワールドカップは、10月29日(日)にヨーロッパラウンドがスタート。ベルギーのマースメヘレンには前日開催のスーパープレスティージュ第2戦からの連戦組と、ワールドカップに集中する選手が合流。来週に控えるヨーロッパ選手権前の前哨戦としても重要な一戦となった。
昨年大会は激下りに加えて地中の石でパンク祭りとなったため主催者はコースを変更。難易度こそ下がったものの、草地メインで、降車を強いられる短く急な上り下りにキャンバー、サンドセクションも含まれる3.09kmコースは、未だにワンミスが命取りになるハイスピードレースを生み出した。
ファンエンペルが圧勝 今季負けなしの4勝目
女子エリートには世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が参戦。今季はここまで4戦4勝、しかも圧倒的な走りを見せてきた彼女にとって、ライバルのパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が不在のレースに不安要素は一切見当たらなかった。
レース前半にペースを上げたファンエンペルに食いついたのは前日勝者のセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)ただ一人だったが、落車でシューズを破損してペースダウン。小雨降るウェットコンディションの中、淡々と最速ペースを刻んだファンエンペルが圧勝した。
5レースを終えて傷無し。圧倒的な強さを誇るファンエンペルは「1周目はキツかったけどその後感触が良くなった。セイリンはとても強くて転倒したのが残念。彼女はヨーロッパ選手権に向けて仕上がっているように思う。この状況が特別なことだとわかっているし、全ての瞬間を楽しめている。自分でもヨーロッパ選手権の優勝候補だと思っているけれど、選手権は全て完璧じゃないと勝てない」と余裕のコメントを残している。
アルバラードが2位に入り、頭角を表すアニック・ファンアルフェン(オランダ、シクロクロスレッズ)が自身初のW杯表彰台を獲得。僅か19歳のレオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が6位に食い込む活躍を見せている。
男子エリート:強いファンデルハールが独走 ランキングリーダーのネイスは失速
この日の最終レースである男子エリートレースにはランキングリーダーのティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が登場。この日も二強チームであるパウェルスサウゼン・ビンゴールとバロワーズ・トレック・ライオンズが激しいレースを繰り広げることとなる。
この日はまず元U23世界王者のピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が抜け出し、現欧州王者マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が2番手グループから合流。決定的な差が付きにくい高速レースで、全8周回中の4周目には2人が捕まったことでレースが振り出しに戻った。
ここでペースを上げたのはラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)だった。「(コース変更で)危険度は下がったけれど、それでも追い抜きは非常に難しいコースであることには変わらない」と言うオランダ王者に食いついたのは、スーパープレスティージュ2連勝と波に乗るエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とネイスの2人だけ。勢いそのままに突入した激坂で3番手イゼルビットが足をついて失速し、この隙にファンデルハールがリードを得ることに成功した。
ファンデルハールが逃げ体制を築く一方、焦ったイゼルビットは細かいミスを連発し、ファントーレンハウトもリタイア。パウェルスサウゼン勢、そしてW杯ランキング維持を狙うネイスも2位グループに位置しながら最終周回に落車で後退。混乱を尻目に、ファンデルハールが夕陽差し込みフィニッシュラインに辿り着いた。
「すごく重要な勝利だ。優れた若手選手が台頭する中で勝つのは簡単じゃないけれど、今日はチームプレイの恩恵を受けることができた。僕もパンクしたけれど幸いピットの直前だったので影響はなかった。ヨーロッパ選手権は正直得意なコースじゃないけれど、ピーキングは上手くいっているよ」と、W杯のランキングリーダーに立ったファンデルハールは話している。
「このコースで独走したラースが最強だった。ミスを重ねて負けたけど、昨日優勝、今日2位と素晴らしい週末になった」と話すイゼルビットが2位に入り、失速したネイスは7位で総合成績を3位にダウン。「スタート後すぐ不調を感じていた。残念だが最大限の努力はした。ただチームは素晴らしいパフォーマンスだったし、来週水曜日のコッペンベルグクロスでもこの流れを継続していきたい」と話している。
UCIシクロクロスワールドカップ2023-2024 第2戦 女子エリート結果
1位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 51:46 |
2位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:28 |
3位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、シクロクロスレッズ) | +1:42 |
4位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン) | +2: |
5位 | マリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス) | +2:03 |
6位 | レオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +2:08 |
7位 | サラ・カサソラ(イタリア、FASエアポートサービス・グエルチョッティ) | +2:41 |
8位 | アリシア・フランク(ベルギー) | +2:53 |
9位 | アンマリー・ワースト(オランダ、シクロクロスレッズ) | |
10位 | クリスティナ・ゼマノヴァ(チェコ、ブライオンレーシングチームMB) | +3:10 |
UCIシクロクロスワールドカップ2023-2024 第2戦 男子エリート結果
1位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 1:02:43 |
2位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:21 |
3位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:27 |
4位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:30 |
5位 | フェリペ・オルツ(スペイン) | +0:32 |
6位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:36 |
7位 | ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:43 |
8位 | キャメロン・メイソン(イギリス、シクロクロスレッズ) | +0:46 |
9位 | ライアン・カンプ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:52 |
10位 | ケヴィン・クーン(スイス、サーカス・レウス・テックノルド) | +0:57 |
text:So.Isobe
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