2023/10/24(火) - 16:00
七ヶ宿蕎麦、白石温麺と順調に2つの「グル麺」を文字通り消化したグル麺ライドは後半戦へ。様々な伝承が残るおとぎ街道を山形へと戻り、残る2つのグル麺を頂くのであった。(※前編はコチラから)
七ヶ宿ダムの下流に位置する材木岩公園に設けられたエイドステーションで、白石温麺を頂いた後は一路山形方面へ戻っていく。ちなみに、材木岩というのは高さ65m、幅100mに渡る柱状節理で、見る者を圧倒する迫力のある絶景だ。もちろん、多くの参加者の皆さんも写真撮影に余念がない。
さて、エイドを出てすぐに登場する10%ほどの登りをこなせば、七ヶ宿ダムの湖畔に再び戻ってくる。その先は二井宿峠まで来た道を遡っていくルートを辿る。つまり、来るときはゆるーい下りだったので、ここからはゆるゆると登っていくことになる。
とはいえ平均斜度で言えば1%程度なので、気合を入れて踏みすぎなければそこまでダメージが残ることもないハズ。途中にはおとぎ街道と呼ばれるだけあって、さまざまなスポットがそこかしこに登場する。その中でも道沿いですぐに見られるのが2つのお地蔵さん。
少し距離を置いて向かい合うように並ぶこの地蔵は、参勤交代が生んだ恋物語の結果なのだとか。東側にいる胡坐をかいた地蔵と、西側にいる振袖をきた地蔵は互いに恋仲と言われているという。そんなおとぎ話が点在する街道を、山形方面へと走っていく。
途中の滑津大滝には休憩ポイントが設けられており、ジューシーなリンゴを頂くことも。この休憩地点では絶景ポイントの滑津大滝へ向かうこともできる。長めの階段を上り下りしないといけないこともあり、あまり立ち寄る参加者の方は多くなかったようだけれど、川幅一杯に広がる滝は一見の価値あり。ぜひ来年は降りてみてください。
そして二井宿峠を越えて再び山形県へ。往路で交通規制が敷かれていたトンネルは、復路においても車線をスイッチして規制をかけてくれている。昼も近くなってきて交通量もかなり増えてくるタイミングなだけに、暗いトンネルを安心して通過できるのは嬉しいことこの上ない。
二井宿峠を越えた先の休憩ポイントでは、フルーツ王国山形らしいシャインマスカットが待っていた。あまーい葡萄で元気をチャージしたら、一路南陽市方面へ「ぶどうまつたけライン」を走っていく。
途中、沿道に登場する瓜割石庭公園は大会公式の立寄スポットではないけれど、こちらも一見の価値ある絶景ポイント。こちらは昔の採石場の跡地となっており、手堀りのトンネルを越えた先には高さ30mの岩壁が聳えるダイナミックな光景を味わえる。現在では、コンサートなどにも使われていたり、別のサイクリングイベントのエイドステーションにもなっているとのことで、地元サイクリストにはおなじみのスポットのよう。
その先の蛭沢湖を越えると、サードグル麺はすぐそこ……と思いきやもう一つ休憩ポイントが待っていた。こちらではかなり大きな「玉こん」が振舞われる。出汁の効いた美味しそうな香りが鼻をくすぐり、思わずぺろりと頂いてしまうが、結構お腹にたまること。とはいえ、まあこんにゃくなのでほぼカロリーはゼロ、ということで一つ……。
予想外の補給もあり、かなり満腹になりながら再スタート。辺り一面収穫を待つ黄金色の田園地帯の中を通り抜けると、南陽市街地へ。赤湯ラーメンの人気店である「龍上海」の前には今年も長い行列が出来ている。毎年グル麺ライドで前を通るので、一度は訪れてみたいと思うのだけれど、麺をこれでもかといただけるイベントなので、更に追いラーメンというのはいろいろとハードル高めではある(笑)
さて、サードグル麺の「南陽ラーメン」が待つのは、東北随一の歴史と規模を誇り、「東北の伊勢」とも呼ばれる熊野大社。その手前にある食堂にてボリュームたっぷりの冷製ラーメンが用意されている。
普通にラーメン屋の並盛の7割くらいの大きさで、ここまで走ってきたカロリーを補うにはあまりあるほど。味噌ベースの赤湯ラーメンとは違い、さっぱりとした醤油ラーメンで、スルスルとお腹に入っていってしまう。
三麺目を食べ終え食堂から出ると、目の前にはなにやら魅力的なお店が……。なんと地元食材を使ったジェラート屋ということで、これは食べないわけにはいかないでしょう……と思わず注文。ブルーベリーとミルクのジェラートがしょっぱいラーメンを食べた後の口に、爽やかな甘味が染みわたる。
デザートまで堪能し、あとはフィニッシュするだけ。ここから先は完全に平坦路となっており、風もほぼ無いボーナスステージといった風情。幹線道路を避けて裏道を通る区間もあるけれど、わかりづらい箇所にはスタッフさんが誘導してくれるので迷う心配も少ない。トンネルの規制といい、参加者目線が行き届いているイベントなのだ。
そして、ついに朝方スタートした高畠町文化センターまほらへフィニッシュ。ソロでフィニッシュする人、仲間と健闘をたたえ合う人、様々だけれど皆さん笑顔でバルーンアーチをくぐってくる。景色も良し、ご飯も良し、そして運営も素晴らしいと文句の付け所のないグル麺ライド。笑みがこぼれるのも無理はない。
しかし、何か忘れてはいないだろうか?そう、フィニッシュ地点ではラストグル麺「ひっぱりうどん」が振舞われるのだ。このひっぱりうどん、なぜ「ひっぱり」なのかは諸説あるのだが、地元の方にお尋ねすると、釜から直接ひっぱって食べるから、とのこと。
茹でたてのうどんに納豆やサバ缶を合わせていただくことで、独特のヌルッとした食感を楽しみつつタンパク質まで補給できるのがひっぱりうどんの良い所。あまり食べたことのない方もいると思いますが、来年のグル麺ライドで本場のひっぱりうどんを食べてみてほしい。飛びます(笑)
そんなわけで、最後まで盛り沢山のグル麺ライドは今年も大団円の内に終了。東北の秋の魅力がこれでもかと詰まった1日、まだ参加したことのないサイクリストはぜひとも一度体感してほしい。
text&photo:Naoki Yasuoka
七ヶ宿ダムの下流に位置する材木岩公園に設けられたエイドステーションで、白石温麺を頂いた後は一路山形方面へ戻っていく。ちなみに、材木岩というのは高さ65m、幅100mに渡る柱状節理で、見る者を圧倒する迫力のある絶景だ。もちろん、多くの参加者の皆さんも写真撮影に余念がない。
さて、エイドを出てすぐに登場する10%ほどの登りをこなせば、七ヶ宿ダムの湖畔に再び戻ってくる。その先は二井宿峠まで来た道を遡っていくルートを辿る。つまり、来るときはゆるーい下りだったので、ここからはゆるゆると登っていくことになる。
とはいえ平均斜度で言えば1%程度なので、気合を入れて踏みすぎなければそこまでダメージが残ることもないハズ。途中にはおとぎ街道と呼ばれるだけあって、さまざまなスポットがそこかしこに登場する。その中でも道沿いですぐに見られるのが2つのお地蔵さん。
少し距離を置いて向かい合うように並ぶこの地蔵は、参勤交代が生んだ恋物語の結果なのだとか。東側にいる胡坐をかいた地蔵と、西側にいる振袖をきた地蔵は互いに恋仲と言われているという。そんなおとぎ話が点在する街道を、山形方面へと走っていく。
途中の滑津大滝には休憩ポイントが設けられており、ジューシーなリンゴを頂くことも。この休憩地点では絶景ポイントの滑津大滝へ向かうこともできる。長めの階段を上り下りしないといけないこともあり、あまり立ち寄る参加者の方は多くなかったようだけれど、川幅一杯に広がる滝は一見の価値あり。ぜひ来年は降りてみてください。
そして二井宿峠を越えて再び山形県へ。往路で交通規制が敷かれていたトンネルは、復路においても車線をスイッチして規制をかけてくれている。昼も近くなってきて交通量もかなり増えてくるタイミングなだけに、暗いトンネルを安心して通過できるのは嬉しいことこの上ない。
二井宿峠を越えた先の休憩ポイントでは、フルーツ王国山形らしいシャインマスカットが待っていた。あまーい葡萄で元気をチャージしたら、一路南陽市方面へ「ぶどうまつたけライン」を走っていく。
途中、沿道に登場する瓜割石庭公園は大会公式の立寄スポットではないけれど、こちらも一見の価値ある絶景ポイント。こちらは昔の採石場の跡地となっており、手堀りのトンネルを越えた先には高さ30mの岩壁が聳えるダイナミックな光景を味わえる。現在では、コンサートなどにも使われていたり、別のサイクリングイベントのエイドステーションにもなっているとのことで、地元サイクリストにはおなじみのスポットのよう。
その先の蛭沢湖を越えると、サードグル麺はすぐそこ……と思いきやもう一つ休憩ポイントが待っていた。こちらではかなり大きな「玉こん」が振舞われる。出汁の効いた美味しそうな香りが鼻をくすぐり、思わずぺろりと頂いてしまうが、結構お腹にたまること。とはいえ、まあこんにゃくなのでほぼカロリーはゼロ、ということで一つ……。
予想外の補給もあり、かなり満腹になりながら再スタート。辺り一面収穫を待つ黄金色の田園地帯の中を通り抜けると、南陽市街地へ。赤湯ラーメンの人気店である「龍上海」の前には今年も長い行列が出来ている。毎年グル麺ライドで前を通るので、一度は訪れてみたいと思うのだけれど、麺をこれでもかといただけるイベントなので、更に追いラーメンというのはいろいろとハードル高めではある(笑)
さて、サードグル麺の「南陽ラーメン」が待つのは、東北随一の歴史と規模を誇り、「東北の伊勢」とも呼ばれる熊野大社。その手前にある食堂にてボリュームたっぷりの冷製ラーメンが用意されている。
普通にラーメン屋の並盛の7割くらいの大きさで、ここまで走ってきたカロリーを補うにはあまりあるほど。味噌ベースの赤湯ラーメンとは違い、さっぱりとした醤油ラーメンで、スルスルとお腹に入っていってしまう。
三麺目を食べ終え食堂から出ると、目の前にはなにやら魅力的なお店が……。なんと地元食材を使ったジェラート屋ということで、これは食べないわけにはいかないでしょう……と思わず注文。ブルーベリーとミルクのジェラートがしょっぱいラーメンを食べた後の口に、爽やかな甘味が染みわたる。
デザートまで堪能し、あとはフィニッシュするだけ。ここから先は完全に平坦路となっており、風もほぼ無いボーナスステージといった風情。幹線道路を避けて裏道を通る区間もあるけれど、わかりづらい箇所にはスタッフさんが誘導してくれるので迷う心配も少ない。トンネルの規制といい、参加者目線が行き届いているイベントなのだ。
そして、ついに朝方スタートした高畠町文化センターまほらへフィニッシュ。ソロでフィニッシュする人、仲間と健闘をたたえ合う人、様々だけれど皆さん笑顔でバルーンアーチをくぐってくる。景色も良し、ご飯も良し、そして運営も素晴らしいと文句の付け所のないグル麺ライド。笑みがこぼれるのも無理はない。
しかし、何か忘れてはいないだろうか?そう、フィニッシュ地点ではラストグル麺「ひっぱりうどん」が振舞われるのだ。このひっぱりうどん、なぜ「ひっぱり」なのかは諸説あるのだが、地元の方にお尋ねすると、釜から直接ひっぱって食べるから、とのこと。
茹でたてのうどんに納豆やサバ缶を合わせていただくことで、独特のヌルッとした食感を楽しみつつタンパク質まで補給できるのがひっぱりうどんの良い所。あまり食べたことのない方もいると思いますが、来年のグル麺ライドで本場のひっぱりうどんを食べてみてほしい。飛びます(笑)
そんなわけで、最後まで盛り沢山のグル麺ライドは今年も大団円の内に終了。東北の秋の魅力がこれでもかと詰まった1日、まだ参加したことのないサイクリストはぜひとも一度体感してほしい。
text&photo:Naoki Yasuoka
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