2023/07/31(月) - 18:10
スーダル・クイックステップをサポートするイタリアのハイパフォーマンスウェアブランドのカステリ。レース向けの半袖ジャージが複数ラインアップされる中から、今回はClimber's JerseyとSuperleggera Jerseyをピックアップする。
日本にも本格的な夏がやってきた。気温が高いだけに留まらず湿度も驚くような数値を叩き出し、外で活動するだけで体力が消耗する季節だ。気温が上がりきらない朝夕の時間帯を狙って行動するサイクリストも少なくないと思うが、どの時間帯を走ろうとも暑さ対策は健康上必須項目だ。
暑くてもカラッとした空気であれば耐えられる気もするが、残念ながら湿度が高い日本では肌に熱気がまとわりつき、その暑さから解放されるのは高原かダウンヒル時のみ。風も暖かいのであれば着用するウェアは、生地内に熱がこもらず、常に空気が入り込むものが欲しい。
そんなニーズにはツール・ド・フランスの山岳ステージで着用されるような酷暑向けに開発されている半袖ジャージが最適だ。カステリの場合はスーダルクイックステップが着用するClimber's Jerseyか、レースウェアよりもオールラウンドに使えるSuperleggera Jerseyがぴったり。今回はその2着をピックアップして紹介しよう。
この2着はどちらもいわゆるメッシュ系のジャージであり、対応気温が22℃〜40℃という高温までカバーするモデルとなっている。どちらも同じようなシチュエーションで着用できる半袖ジャージだが、生地、カッティングなどは全く異なり、Climber's Jerseyはレース用として仕立てられている。
例えばフィット感が異なるポイントの一つで、Climber's Jerseyはタイトに作られており、Superleggeraはそれよりもリラックスな作りだ。とは言いつつもモデルチェンジを経た新型Superleggeraはタイト目に寄せられているため、ゆったりと着るようなフィット感ではない。
パネリングもそれぞれ開発が行われており、Climber's JerseyはラグランスリーブやCFDに基づく縫い目の配置を採用。通気性だけではなくエアロダイナミクスも追求したレーススペックと言っても過言ではない。対してSuperleggeraはセットインスリーブが採用されている。
Climber's Jerseyに用いられる生地は3種類に分けられており、風が最も当たる前面にはFlusso 3Dというインナーレイヤーのような目の大きなメッシュが配置されている。これは襟にも採用されているため、熱がこもりやすい首周りもしっかりと換気する意図が現れている。
背面はStradaPro 3DというメッシュだがFlusso 3Dよりも目が細かく、しっかりとした生地が縫い合わせられている。袖も目の細かいメッシュのため、ウェア全体が光を通すほど薄く、風の通り抜けの良さを発揮するはずだ。
裾部分は大胆なメッシュを使った前身頃にはクラシックなゴムテープをあしらい、背中側は幅広いゴムテープとシリコングリッパーを配置することで、ライド中にウェアのズレることを防いでいる。バックポケットも背中側生地を使い、しっかりとした硬さを出しているため補給食などを詰め込んでも、ポケットがウェアを引っ張る心配も少ない。
対してSuperleggeraはOltre 70gというメッシュ生地を大部分に採用する。この生地は一見すると一般的な生地のようだが、横縞部分が薄手となっており、この部分が通気性を発揮するように作られている。Climber's Jerseyと同じように向こう側から光が透けて見える生地のため、ウェア内に熱が篭ることはなさそうだ。
この生地だけではなく通気性の配慮は脇部分の別素材メッシュでも行われている。さらに裾部分のウェアの滑り止めは高い伸縮性のテープを配置するトレンドの作りだが、これもメッシュとする徹底ぶりで通気性向上を狙った。もちろん素材の伸縮性によるホールド力が備えられており、そこにシリコングリッパーを加えることで確かなグリップ力を確保する。
Ortle 70g生地は非常にしなやかなため、バックポケットにはしっかりとした別生地が用いられている。この配慮によってバックポケットにたくさんのアイテムを収納しても、バックポケット部分が垂れ下がってしまう心配がない。またClimber's Jerseyにはないジッパー付きのエクストラポケットも備えられていることも魅力だ。自宅の鍵などを持ち運びたいサイクリングにおいてはSuperleggeraの方が使いやすそうだ。
この2着を試着してみると違いが明確なものとなる。Climber's JerseyはSサイズで腕が非常にタイト、SuperleggeraのXSサイズの方が腕に関してはゆとりがある。胴回りに関しては同じようなタイト目なフィット感で、Climber's Jerseyの方がやや体に沿うような感覚がある。もしXSのClimber's Jerseyを着用する機会があるのであれば、びっちりとレーススーツのような着用感となることを予想できる。
着心地に関しては袖のパターンが影響を与えているように感じる。Climber's Jerseyは先述したようにラグランスリーブで腕を囲うような縫製が存在せずタイト目の着用感でも袖が脇に食い込むような感覚は薄かった。対してSuperleggeraはボディパーツと袖パーツの縫い目の存在を感じられたため、自分の体に対してタイトすぎる(小さすぎる)フィッティングを行うとこの部分が気になってしまうかもしれない。
そして素材の違いによる通気性も大きく異なる。Climber's Jerseyは袖を通した瞬間から明らかに涼しいことがわかる。感覚としてはウェアに包み込まれているような感覚がなく、ウェアが体の一部と化したかのよう。
SuperleggeraはClimber's Jerseyと比較してしまうと、ウェアが体を包んでいる感がどうしても出てしまう。単体で生地の通気性を考慮すると微風でもウェア内にフレッシュな空気が届くため、ライド中に不快さを感じることはなさそう。その感覚を受けるのはClimber's Jerseyのベンチレーション能力が群を抜いて優れていることの表れだと思う。またClimber's Jerseyは肌が見えてしまうため着用シーンなどには気をつけたいが、90%以上のUVカット機能を持つ点も夏場のライドにうってつけ。サマーシーズンもしっかりとサイクリングを楽しみたい方にオススメの1着だ。
カステリ CLIMBER'S 3.0 SL2 JERSEY
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
カラー:BRILLIANT ORANGE、DEEP GREEN、BELGIAN BLUE、SILVER GRAY
価格:15,730円(税込)
カステリ SUPERLEGGERA 3 JERSEY
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
カラー:DARK GRAY、DRIVE BLUE、DEFENDER GREEN、ELECTRIC LIME
価格:20,460円(税込)
日本にも本格的な夏がやってきた。気温が高いだけに留まらず湿度も驚くような数値を叩き出し、外で活動するだけで体力が消耗する季節だ。気温が上がりきらない朝夕の時間帯を狙って行動するサイクリストも少なくないと思うが、どの時間帯を走ろうとも暑さ対策は健康上必須項目だ。
暑くてもカラッとした空気であれば耐えられる気もするが、残念ながら湿度が高い日本では肌に熱気がまとわりつき、その暑さから解放されるのは高原かダウンヒル時のみ。風も暖かいのであれば着用するウェアは、生地内に熱がこもらず、常に空気が入り込むものが欲しい。
そんなニーズにはツール・ド・フランスの山岳ステージで着用されるような酷暑向けに開発されている半袖ジャージが最適だ。カステリの場合はスーダルクイックステップが着用するClimber's Jerseyか、レースウェアよりもオールラウンドに使えるSuperleggera Jerseyがぴったり。今回はその2着をピックアップして紹介しよう。
この2着はどちらもいわゆるメッシュ系のジャージであり、対応気温が22℃〜40℃という高温までカバーするモデルとなっている。どちらも同じようなシチュエーションで着用できる半袖ジャージだが、生地、カッティングなどは全く異なり、Climber's Jerseyはレース用として仕立てられている。
例えばフィット感が異なるポイントの一つで、Climber's Jerseyはタイトに作られており、Superleggeraはそれよりもリラックスな作りだ。とは言いつつもモデルチェンジを経た新型Superleggeraはタイト目に寄せられているため、ゆったりと着るようなフィット感ではない。
パネリングもそれぞれ開発が行われており、Climber's JerseyはラグランスリーブやCFDに基づく縫い目の配置を採用。通気性だけではなくエアロダイナミクスも追求したレーススペックと言っても過言ではない。対してSuperleggeraはセットインスリーブが採用されている。
Climber's Jerseyに用いられる生地は3種類に分けられており、風が最も当たる前面にはFlusso 3Dというインナーレイヤーのような目の大きなメッシュが配置されている。これは襟にも採用されているため、熱がこもりやすい首周りもしっかりと換気する意図が現れている。
背面はStradaPro 3DというメッシュだがFlusso 3Dよりも目が細かく、しっかりとした生地が縫い合わせられている。袖も目の細かいメッシュのため、ウェア全体が光を通すほど薄く、風の通り抜けの良さを発揮するはずだ。
裾部分は大胆なメッシュを使った前身頃にはクラシックなゴムテープをあしらい、背中側は幅広いゴムテープとシリコングリッパーを配置することで、ライド中にウェアのズレることを防いでいる。バックポケットも背中側生地を使い、しっかりとした硬さを出しているため補給食などを詰め込んでも、ポケットがウェアを引っ張る心配も少ない。
対してSuperleggeraはOltre 70gというメッシュ生地を大部分に採用する。この生地は一見すると一般的な生地のようだが、横縞部分が薄手となっており、この部分が通気性を発揮するように作られている。Climber's Jerseyと同じように向こう側から光が透けて見える生地のため、ウェア内に熱が篭ることはなさそうだ。
この生地だけではなく通気性の配慮は脇部分の別素材メッシュでも行われている。さらに裾部分のウェアの滑り止めは高い伸縮性のテープを配置するトレンドの作りだが、これもメッシュとする徹底ぶりで通気性向上を狙った。もちろん素材の伸縮性によるホールド力が備えられており、そこにシリコングリッパーを加えることで確かなグリップ力を確保する。
Ortle 70g生地は非常にしなやかなため、バックポケットにはしっかりとした別生地が用いられている。この配慮によってバックポケットにたくさんのアイテムを収納しても、バックポケット部分が垂れ下がってしまう心配がない。またClimber's Jerseyにはないジッパー付きのエクストラポケットも備えられていることも魅力だ。自宅の鍵などを持ち運びたいサイクリングにおいてはSuperleggeraの方が使いやすそうだ。
この2着を試着してみると違いが明確なものとなる。Climber's JerseyはSサイズで腕が非常にタイト、SuperleggeraのXSサイズの方が腕に関してはゆとりがある。胴回りに関しては同じようなタイト目なフィット感で、Climber's Jerseyの方がやや体に沿うような感覚がある。もしXSのClimber's Jerseyを着用する機会があるのであれば、びっちりとレーススーツのような着用感となることを予想できる。
着心地に関しては袖のパターンが影響を与えているように感じる。Climber's Jerseyは先述したようにラグランスリーブで腕を囲うような縫製が存在せずタイト目の着用感でも袖が脇に食い込むような感覚は薄かった。対してSuperleggeraはボディパーツと袖パーツの縫い目の存在を感じられたため、自分の体に対してタイトすぎる(小さすぎる)フィッティングを行うとこの部分が気になってしまうかもしれない。
そして素材の違いによる通気性も大きく異なる。Climber's Jerseyは袖を通した瞬間から明らかに涼しいことがわかる。感覚としてはウェアに包み込まれているような感覚がなく、ウェアが体の一部と化したかのよう。
SuperleggeraはClimber's Jerseyと比較してしまうと、ウェアが体を包んでいる感がどうしても出てしまう。単体で生地の通気性を考慮すると微風でもウェア内にフレッシュな空気が届くため、ライド中に不快さを感じることはなさそう。その感覚を受けるのはClimber's Jerseyのベンチレーション能力が群を抜いて優れていることの表れだと思う。またClimber's Jerseyは肌が見えてしまうため着用シーンなどには気をつけたいが、90%以上のUVカット機能を持つ点も夏場のライドにうってつけ。サマーシーズンもしっかりとサイクリングを楽しみたい方にオススメの1着だ。
カステリ CLIMBER'S 3.0 SL2 JERSEY
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
カラー:BRILLIANT ORANGE、DEEP GREEN、BELGIAN BLUE、SILVER GRAY
価格:15,730円(税込)
カステリ SUPERLEGGERA 3 JERSEY
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
カラー:DARK GRAY、DRIVE BLUE、DEFENDER GREEN、ELECTRIC LIME
価格:20,460円(税込)
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