短い急坂が連続するバロワーズ・ベルギーツアー第4ステージでマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が36kmを独走。パリ〜ルーベ以来となる勝利を挙げ、総合リードを拡大させた。



スタート前に言葉を交わすファンデルプールとヤコブセン photo:CorVos

ベルギーのフランドル地域で開催中のバロワーズ・ベルギーツアー(UCI2.Pro)は最終日前日の第4ステージを迎えた。デュルビュイを巡る172.6kmに長い登りは登場しないものの、3km以下の短い急坂が連続するため獲得標高差は3,200mオーバー。春のクラシックのような過酷なレースで、序盤にアスビャアン・ヘレモース(デンマーク、トレック・セガフレード)ら5名が逃げを打った。

しかしアルペシン・ドゥクーニンクが先導するメイン集団が早々に逃げグループを捉え、この日が29歳の誕生日であるアイメ・デヘント(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)がフロリアン・フェルミールス(ベルギー、ロット・デスティニー)と共にアタック。この動きもアルペシンに封じられるなか、紫色のリーダージャージを着るマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が残り36kmで飛び出した。

逃げグループを形成したアスビャアン・ヘレモース(デンマーク、トレック・セガフレード)たち photo:CorVos

プロトンはアルペシン・ドゥクーニンクが先導する photo:CorVos

残り36km地点で飛び出したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

これを総合3位(10秒遅れ)のイヴ・ランパールト(ベルギー)を擁するスーダル・クイックステップが追走し、トレック・セガフレードも協力する。しかしファンデルプールとの差は30秒から縮まらず、登りと下りでもハイスピードを維持。そしてデュルビュイのフィニッシュ地点にトップで到着した。

「チームと行った高地トレーニングの後、とても良いコンディションにある。ツール・ド・フランスを前に、この大会の後はナショナル選手権しか予定がない。だから明日も集中して臨みたい」と、今年4月のパリ〜ルーベ以来となる勝利を飾ったファンデルプールは語っている。

独走勝利を決めたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

フィニッシュ直後、地面に座り込んだマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

翌日の大会最終日はベルギーの首都ブリュッセルを巡る194.8km。平坦路ゆえに集団スプリントが予想されるため、この時点でリーダージャージを着るファンデルプールの総合優勝はほぼ確定。大会初日を制したヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)や2日目勝者のファビオ・ヤコブセン(オランダ、スーダル・クイックステップ)、またカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・デスティニー)といった世界トップスプリンターによる競演が期待される。

総合優勝に王手をかけたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

バロワーズ・ベルギーツアー2023第4ステージ結果
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) 4:09:42
2位 ティボー・ネイス(ベルギー、トレック・セガフレード) 0:16
3位 カスパー・ピーダスン(デンマーク、スーダル・クイックステップ) 0:18
4位 ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) 0:20
5位 ヤスペル・デブイスト(ベルギー、ロット・デスティニー) 0:26
個人総合成績
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) 11:56:52
2位 ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) +0:40
3位 カスパー・ピーダスン(デンマーク、スーダル・クイックステップ) +0:53
4位 イヴ・ランパールト(ベルギー、スーダル・クイックステップ) +0:59
5位 ヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) +1:10
その他の特別賞
ポイント賞 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、スーダル・クイックステップ)
ヤングライダー賞 マティアス・ヴァチェク(チェコ、トレック・セガフレード)
チーム総合成績 スーダル・クイックステップ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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