2023/05/21(日) - 12:00
先行する3名を自ら追い、今大会2勝目を飾ったニコ・デンツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)は「脚があったから」と勝因を語る。逃げに乗りマリアローザを獲得したアルミライルや反対に手放したトーマスなど、選手のコメントでジロ14日目を振り返ります。
区間1位 ニコ・デンツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
今日は調子が良く、序盤に訪れた逃げのチャンスを掴むことができた。その後は逃げに複数人を乗せたトレックとイスラエル、モビスターの動きをマークした。しかし彼らは(中盤に)飛び出した4名との差を詰めることができず、だから自ら登りやトンネル区間で加速した。追走集団は順調に前との差を縮めたものの、勝利を意識した選手たちによって追走のペースが緩んだんだ。
今日のレースコンディションも厳しく、特に最初の山岳(シンプロンパス・パッソ・デル・センピオーネ)は凍えるほど寒かった。ジャケットを3枚重ねで着て温かいお茶を飲んだりと、身体を暖めるためにあらゆる方法を尽くした。だが調子の良さもあり、勝利を目指す強い意志のおかげで諦めることはしなかった。スーパーハッピーだよ。
区間2位 デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)
最も勝利に迫った2位。勝利のために全力を尽くした。もちろん後々に振り返れば良い結果だったということができるが、いまはただ辛いだけだよ。厳しいステージとなった前日の後でも脚の状態は良く、スティーブン(ウィリアムズ)とサイモン(クラーク)と一緒に逃げに乗ったんだ。
スティーブンが追走してくれたおかげで先頭3名に追いつき、このコースを熟知しているサイモンがどこで何をすればいいか指示してくれた。だがそれらチームワークを勝利に繋げることができなかった。200kmを越えるステージだったが、フィニッシュラインがあと数メートル長ければよかったのに!
フィニッシュ手前300mで捉まったトムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
壁が壊れるまでこの頭を打ち続けたい。(=とても悔しい)
マリアローザ ブルーノ・アルミライル(フランス、グルパマFDJ)
マリアローザを狙う予定なんてなかった。今朝、総合で18分遅れの僕がマリアローザを着るなんて考えもしなかった。監督と15分ぐらいのタイム差ができるだろうとは話していたものの…まさかこんなことになるとは。
個人的にマリアローザを着ることは夢であり、開幕して2週間後に叶うなんて信じられない。完全に予想外の出来事。またチームとしては前日のティボー(ピノ)の区間2位に続く素晴らしい成果だ。これを着て走る明日は最大限楽しむつもりだが、いまだにこれが現実だと信じられない。
意図的にマリアローザを手放したゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
序盤の1級山岳での登りは問題なかったのだが、雨に濡れながらの下りは散々だったよ。たしかジャケットを3枚重ねなければならないほど寒かったからね。レースは序盤からチームが見事なコントロールを見せ、大きな集団だったが僕たちにとって問題はなかった。
逃げ集団のペースは速く、僕らはこのジャージを守るためにチームメイトが疲弊するのは嫌だった。だから一定のペースで進み、結果的にジャージを引き渡した。寒く濡れたコースを走るタフな一日だったので、良い判断だったと思う。
明日のステージはイル・ロンバルディアに似たタフなコース。僕は走ったことはないものの、休息日前のハードなレースになるだろう。そして何よりも初日と2日目以来?となる晴れ予報。プロトンの全員が喜んでいるだろうね。
ユンボ・ヴィスマのマルク・リーフ監督
今日もまた寒く濡れた日となった。プロトンに緊張感が走るであろう集団スプリントに持ち込まれず、結果的に良かったと思っている。マリアローザの着用者が代わったのは予想外だった。これで明日からイネオスではなくグルパマFDJがプロトンをコントロールすることになる。
明日は総合順位に動きがあるであろうステージ。タイムトライアルを除けば、総合勢が争ったのはまだ1回しかない。様々な要素が明日のステージの展開に影響するだろう。だが、あくまでも勝負は最終週に決まる。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
区間1位 ニコ・デンツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
今日は調子が良く、序盤に訪れた逃げのチャンスを掴むことができた。その後は逃げに複数人を乗せたトレックとイスラエル、モビスターの動きをマークした。しかし彼らは(中盤に)飛び出した4名との差を詰めることができず、だから自ら登りやトンネル区間で加速した。追走集団は順調に前との差を縮めたものの、勝利を意識した選手たちによって追走のペースが緩んだんだ。
今日のレースコンディションも厳しく、特に最初の山岳(シンプロンパス・パッソ・デル・センピオーネ)は凍えるほど寒かった。ジャケットを3枚重ねで着て温かいお茶を飲んだりと、身体を暖めるためにあらゆる方法を尽くした。だが調子の良さもあり、勝利を目指す強い意志のおかげで諦めることはしなかった。スーパーハッピーだよ。
区間2位 デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック)
最も勝利に迫った2位。勝利のために全力を尽くした。もちろん後々に振り返れば良い結果だったということができるが、いまはただ辛いだけだよ。厳しいステージとなった前日の後でも脚の状態は良く、スティーブン(ウィリアムズ)とサイモン(クラーク)と一緒に逃げに乗ったんだ。
スティーブンが追走してくれたおかげで先頭3名に追いつき、このコースを熟知しているサイモンがどこで何をすればいいか指示してくれた。だがそれらチームワークを勝利に繋げることができなかった。200kmを越えるステージだったが、フィニッシュラインがあと数メートル長ければよかったのに!
フィニッシュ手前300mで捉まったトムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
壁が壊れるまでこの頭を打ち続けたい。(=とても悔しい)
マリアローザ ブルーノ・アルミライル(フランス、グルパマFDJ)
マリアローザを狙う予定なんてなかった。今朝、総合で18分遅れの僕がマリアローザを着るなんて考えもしなかった。監督と15分ぐらいのタイム差ができるだろうとは話していたものの…まさかこんなことになるとは。
個人的にマリアローザを着ることは夢であり、開幕して2週間後に叶うなんて信じられない。完全に予想外の出来事。またチームとしては前日のティボー(ピノ)の区間2位に続く素晴らしい成果だ。これを着て走る明日は最大限楽しむつもりだが、いまだにこれが現実だと信じられない。
意図的にマリアローザを手放したゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
序盤の1級山岳での登りは問題なかったのだが、雨に濡れながらの下りは散々だったよ。たしかジャケットを3枚重ねなければならないほど寒かったからね。レースは序盤からチームが見事なコントロールを見せ、大きな集団だったが僕たちにとって問題はなかった。
逃げ集団のペースは速く、僕らはこのジャージを守るためにチームメイトが疲弊するのは嫌だった。だから一定のペースで進み、結果的にジャージを引き渡した。寒く濡れたコースを走るタフな一日だったので、良い判断だったと思う。
明日のステージはイル・ロンバルディアに似たタフなコース。僕は走ったことはないものの、休息日前のハードなレースになるだろう。そして何よりも初日と2日目以来?となる晴れ予報。プロトンの全員が喜んでいるだろうね。
ユンボ・ヴィスマのマルク・リーフ監督
今日もまた寒く濡れた日となった。プロトンに緊張感が走るであろう集団スプリントに持ち込まれず、結果的に良かったと思っている。マリアローザの着用者が代わったのは予想外だった。これで明日からイネオスではなくグルパマFDJがプロトンをコントロールすることになる。
明日は総合順位に動きがあるであろうステージ。タイムトライアルを除けば、総合勢が争ったのはまだ1回しかない。様々な要素が明日のステージの展開に影響するだろう。だが、あくまでも勝負は最終週に決まる。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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