2023/04/15(土) - 09:30
4日間のジロ・デ・シチリアを締めくくる第4ステージで、登りアタックを成功させたアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン)が勝利。フィッシャーブラックを逆転し、総合優勝に輝いた。
第5回ジロ・デ・シチリア(UCI2.1)の最終日、イタリア・シチリア島はこの日も晴天に恵まれた。4日間の大会を締めくくる最終ステージは、島を象徴するエトナ火山が含まれた難関山岳コース。全長216kmには3つの超級山岳が登場し、獲得標高差は4,100mに達する。そしてフィニッシュ地点は山岳クルミネ・ディ・スコルシアバッカ(距離10.2km/平均6.4%)の頂上から22km下った先に待っている。
総合優勝の決まるステージは、総合で51秒遅れのルク・ヴィルトゲン(ルクセンブルク、チューダー・プロサイクリングチーム)などプロチームの7名が逃げグループを形成する展開でスタート。それを追うメイン集団は総合4位(18秒遅れ)につけるアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)のアスタナ・カザフスタンが牽引し、バーレーン・ヴィクトリアスも前日に落車しながらも出走したダミアーノ・カルーゾ(イタリア)のために協力した。
逃げに乗ったアレクシス・ゲラン(ベルギー、ビンゴール・パウェルスソースWB)は最初の超級山岳を2位通過し、この日2つ目の超級山岳エトナ山をトップ通過。この頃には逃げ集団はバラけ、ゲランはサムエーレ・ゾッカラート(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)と遅れて合流したライナー・ケップリンガー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)の2人でフィニッシュを目指した。
エトナ山の下りでメイン集団は総合首位フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)を含む13名に絞られ、更にコーブ・ホーセンス(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)らが仕掛けたことにより分断。最終山岳クルミネ・ディ・スコルシアバッカ(距離10.2km/平均6.4%)を前にルツェンコやカルーゾら6名の追走集団が形成され、テクニカルな下りに手こずるフィッシャーブラックが遅れを喫した。
最終山岳の麓でジャンマルコ・ガロフォリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)が逃げグループを捉え、そこにルツェンコとカルーゾのコンビが合流。そして頂上まで残り4km地点(フィニッシュまで25km)でルツェンコが加速し、カルーゾらを引き離した。
そのままルツェンコは単独で頂上に達し、その時点でカルーゾ集団とは34秒、フィッシャーブラックのいる集団と49秒のリードを得る。フィッシャーブラックはラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)のアシストを受けながら追走したものの、第1追走集団のカルーゾたちすら届かなかった。
そして長い下りを危なげなくクリアしたルツェンコは、ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)の猛追を振り切りフィニッシュ。最終日のステージ優勝と共に、逆転で総合優勝に輝いた。
「最終日での勝利が総合優勝に繋がると思い、高いモチベーションで臨んだ。今日の作戦は最終山岳で仕掛けることだった。カルーゾと共に逃げグループに追いつき、登りの中腹でアタックした。この勝利が本当に嬉しいし、(今季不調の)チームにとって大事な勝利だ」とルツェンコは語っている。
総合2位には区間2位のメインチェスが入り、総合3位はヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)が入賞。懸命に追走したフィッシャーブラックは総合4位と総合表彰台を逃す結果となった。また大会唯一の日本人として出場した鳴海颯(ソフェル・サヴィーニ・デュオ・OMZ)はトップから35分11秒遅れでフィニッシュ。ワールドチームが出場するレースで完走を果たしている。
チームに今季2勝目をもたらしたルツェンコはこの後、4月16日のアムステルゴールドレースから始まるアルデンヌクラシック3連戦に出場予定。その後は昨年総合8位に入ったツール・ド・フランスにて、今年は総合ではなくステージ優勝を狙う予定だ。
第5回ジロ・デ・シチリア(UCI2.1)の最終日、イタリア・シチリア島はこの日も晴天に恵まれた。4日間の大会を締めくくる最終ステージは、島を象徴するエトナ火山が含まれた難関山岳コース。全長216kmには3つの超級山岳が登場し、獲得標高差は4,100mに達する。そしてフィニッシュ地点は山岳クルミネ・ディ・スコルシアバッカ(距離10.2km/平均6.4%)の頂上から22km下った先に待っている。
総合優勝の決まるステージは、総合で51秒遅れのルク・ヴィルトゲン(ルクセンブルク、チューダー・プロサイクリングチーム)などプロチームの7名が逃げグループを形成する展開でスタート。それを追うメイン集団は総合4位(18秒遅れ)につけるアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)のアスタナ・カザフスタンが牽引し、バーレーン・ヴィクトリアスも前日に落車しながらも出走したダミアーノ・カルーゾ(イタリア)のために協力した。
逃げに乗ったアレクシス・ゲラン(ベルギー、ビンゴール・パウェルスソースWB)は最初の超級山岳を2位通過し、この日2つ目の超級山岳エトナ山をトップ通過。この頃には逃げ集団はバラけ、ゲランはサムエーレ・ゾッカラート(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)と遅れて合流したライナー・ケップリンガー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)の2人でフィニッシュを目指した。
エトナ山の下りでメイン集団は総合首位フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)を含む13名に絞られ、更にコーブ・ホーセンス(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)らが仕掛けたことにより分断。最終山岳クルミネ・ディ・スコルシアバッカ(距離10.2km/平均6.4%)を前にルツェンコやカルーゾら6名の追走集団が形成され、テクニカルな下りに手こずるフィッシャーブラックが遅れを喫した。
最終山岳の麓でジャンマルコ・ガロフォリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)が逃げグループを捉え、そこにルツェンコとカルーゾのコンビが合流。そして頂上まで残り4km地点(フィニッシュまで25km)でルツェンコが加速し、カルーゾらを引き離した。
そのままルツェンコは単独で頂上に達し、その時点でカルーゾ集団とは34秒、フィッシャーブラックのいる集団と49秒のリードを得る。フィッシャーブラックはラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)のアシストを受けながら追走したものの、第1追走集団のカルーゾたちすら届かなかった。
そして長い下りを危なげなくクリアしたルツェンコは、ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)の猛追を振り切りフィニッシュ。最終日のステージ優勝と共に、逆転で総合優勝に輝いた。
「最終日での勝利が総合優勝に繋がると思い、高いモチベーションで臨んだ。今日の作戦は最終山岳で仕掛けることだった。カルーゾと共に逃げグループに追いつき、登りの中腹でアタックした。この勝利が本当に嬉しいし、(今季不調の)チームにとって大事な勝利だ」とルツェンコは語っている。
総合2位には区間2位のメインチェスが入り、総合3位はヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ)が入賞。懸命に追走したフィッシャーブラックは総合4位と総合表彰台を逃す結果となった。また大会唯一の日本人として出場した鳴海颯(ソフェル・サヴィーニ・デュオ・OMZ)はトップから35分11秒遅れでフィニッシュ。ワールドチームが出場するレースで完走を果たしている。
チームに今季2勝目をもたらしたルツェンコはこの後、4月16日のアムステルゴールドレースから始まるアルデンヌクラシック3連戦に出場予定。その後は昨年総合8位に入ったツール・ド・フランスにて、今年は総合ではなくステージ優勝を狙う予定だ。
ジロ・デ・シチリア2023第4ステージ結果
1位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン) | 5:29:50 |
2位 | ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | +0:40 |
3位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | +1:13 |
4位 | ヤニス・ヴォワザール(スイス、チューダー・プロサイクリングチーム) | |
5位 | コーブ・ホーセンス(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) |
個人総合成績
1位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン) | 16:55:50 |
2位 | ルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | +0:44 |
3位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) | +1:07 |
4位 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) | |
5位 | マーク・ドノヴァン(イギリス、Q36.5プロサイクリングチーム) | +1:20 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、エオーロ・コメタ) |
山岳賞 | アレクシス・ゲラン(ベルギー、ビンゴール・パウェルスソースWB) |
ヤングライダー賞 | フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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