キネティックス Ledri　カットオフ仕様とふわふわクッションで快適なハーフフィンガーグローブ

2023/05/18(木) - 16:39

1928年に創業したジャーマングローブメーカー"W+R"が展開するブランドのKinetiXx（キネティックス）。自転車用グローブのスプリング/サマーコレクションからLedriをピックアップする。手の甲側のメッシュ生地とカットオフ仕様の作り、そしてボリューミーなクッションによる快適性が魅力のグローブの使用感をお届けしよう。

クロスカントリースキーやノルディック複合などウィンタースポーツで高い支持を得ているスポーツ向けグローブブランドのキネティックス。1928年に創業したW+Rという総合グローブメーカーのスポーツ部門として設立したブランドであり、産業用、警察、軍組織など様々な部門からの知見を活かしてグローブを開発していることが特徴だ。

そんなキネティックスは2021年より自転車用グローブに参入し、豊富なノウハウをもとにサイクリスト向けのプロダクト開発を行っている。その最新モデルが今回ピックアップするハーフフィンガーグローブのLedri（レドリ）。

これまでキネティックスがラインアップしてきたハーフフィンガーグローブと大きく異なるのは、手首周りをカットオフ仕様としたこと。手首まで覆うような長めのカフと、素材の伸縮性によって体にぴたりとフィットさせる作りは、快適な着用感を実現させるためのもの。そのために手のひら側素材の一部が合成皮革からライクラに切り返されている。

一般的にスウェットパッドとなりがちな親指部分も含め、手の甲側の生地は全てメッシュ生地とすることで通気性を高めていることもポイントだ。手の平側のマイクロスエードにもパンチング加工が施されており、通気性に配慮する意図を感じ取れる。

そして、Ledriの最大の特徴は非常にボリューミーなパッドがあつらえられていること。キネティックス独自の配置と、Xxフォームという独自素材を採用することで、ハンドルから伝わる衝撃を効率的にカットする設計となっている。また、中指と薬指部分にはプルオフ用のループ、手首にはプラーが備えられているため着脱も容易だ。

ラインアップはブラック、ブラック/グレー、ベリー/ブラックの3種類。サイズはXS、S、M、L、XL、XXL。価格は4,950円（税込）。

–編集部インプレッション

サイクリング中に身につける物に重要なのは自然な着用感。縫い目が肌に当たったり、生地が突っ張ったりするとライド中に気になってしまいライドの集中を妨げることになる。自転車とライダーの接点となり、自転車への荷重を引き受ける手、グローブには適切なフィット感を求めたいもの。

個人的な経験（大体が縫い目が当たる、パッドの位置がしっくりこない）から可能な限りグローブの着用を避けたいというのが本音。しかし、グローブは安全装具でもあり、落車時に手の怪我から守ってくれるという重大な役割が与えられているため、装着することは絶対的に正義でもある。グローブをするときはもっぱらパッドなし、ベルクロなしを選んでいる。

今回テストを行ったキネティックスのLedriには大胆なパッドが装備されており、果たして自分にフィットするかは装着前の心配事だった。Ledriのパッドは比較的厚めに盛られているため存在が消えることはなかったが、特殊な配置によって自然な使用感を実現しており、パッドによる違和感は消し去られていた。

具体的に説明すると、Ledriのパッドは手のひら全体に配置されており、ハンドルバーとも面で接する。ある一箇所だけが盛り上がっており、手の握りを変えようとするとパッドのすわりが悪く、不快な感覚を受ける物とは一線を画するフィーリングがある。加えて絶妙な谷間の設計によって手の開閉動作を妨げることは一切ない。

面で接するようなパッド造形によって、ハンドルバーを握った時のフィーリングはグローブとハンドルバーの間に厚手の層があるように感じる。パッドを手で押した時はふわふわした感触なのだが、ハンドルバーを握るとコシのあるような印象を受ける。これによって振動の角を吸収し、腕へと伝わる不快感が軽減されている。

そして、手の甲側の伸縮性に富む素材によるフィット性の高さは好印象だ。今回はジャストフィットのSサイズを試したのだが、手の甲に沿うようなフィット感と手の動きを妨げない柔軟性、熱を素早くグローブ内側から排出する通気性によって、手の甲側は非常に快適。一般的に汗拭きパッドとなりがちな親指部分もメッシュ生地なのは暑がりな人には最適だ。