フランドルを駆けるスプリントレース　テイッセンがアッカーマン下し、批判を一蹴

いまだ肌寒いフランドル地方で第21回ブレーデネ・コクサイデ・クラシックが開催。スプリンターによる争いをパスカル・アッカーマンを下したヘルベン・テイッセン（ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ）が勝利した。

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フランドルクラシックの中でも比較的若い、今年で21回目を迎えるブレーデネ・コクサイデ・クラシック（UCI1.Pro）が開催された。フランドル地方で行われるレースのほとんどが石畳や急坂を含むなか、本レースは舗装路かつ平坦路。そのため過去2度制しているパスカル・アッカーマン（ドイツ、UAEチームエミレーツ）や2日前に勝利を挙げたティム・メルリール（ベルギー、スーダル・クイックステップ）などトップスプリンターたちが集結した。

コースはその名の通りベルギーの海岸線の街ブレーデネを出発し、一度内陸に進んでから同じく海沿いのコクサイデにフィニッシュする191.6km。中盤で難易度の低い丘を越え、それ以外は平坦路のため例年集団スプリントに持ち込まれるシンプルなレイアウトだ。

序盤から飛び出したのはベルギーとオランダのコンチネンタルチームによって構成された4名。その逃げを許したメイン集団はアルペシン・ドゥクーニンクがコントロールし、最大6分のリードを許しながら順調に距離を消化していった。

逃げとの距離が縮まってきた残り53km地点で2021年大会の覇者メルリールやヴィクトル・カンペナールツ（ベルギー、ロット・デスティニー）、ユーゴ・オフステテール（フランス、アルケア・サムシック）などを含む落車が発生する。メルリールはチーム総出の牽引により、無事集団に復帰。逃げを捉えたプロトンはコクサイデの周回コースに突入し、予想通り集団スプリントが幕開けた。

直前のグランプリ・ド・ドナンを制したフアン・モラノ（コロンビア、UAEチームエミレーツ）がアッカーマンを引き連れ最終ストレートに突入する。落車の影響からかメルリールが番手を下げる一方で、絶好のリードアウトからアッカーマンが発射。しかしその背後でタイミングを図っていたヘルベン・テイッセン（ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ）が残り25mで飛び出し、アッカーマンから勝利を奪い取った。

「モラノのリードアウトは驚くほど速かったが、相当な力を使い何とかアッカーマンの背後に食らいついた。でも僕はアッカーマンを追い抜くことができると思っていた。チームの走りに報いることができて嬉しいよ。僕にはスプリント勝利に足る脚があることを証明することができた」とテイッセンは語った。

テイッセンは2018年にプロデビューを果たした24歳のベルジャンスプリンター。昨年はワールドツアーでの勝利を含む3勝を挙げると、今月5日のGPモンセレ（UCI1.1）にて元チームメイトのカレブ・ユアン（オーストラリア、ロット・デスティニー）と写真判定にもつれ込む接戦を制した。

「その勝利には多くの批判が集まっており、フラストレーションが溜まっていた」と語るように、公開された写真ではユアンが勝利しているように見えたことからテイッセンに批判が集まっていた。しかし、テイッセンは「その鬱憤を晴らすシーズン2勝目を挙げることができ、本当に嬉しいよ」と勝利を喜んだ。