2023/02/04(土) - 15:23
名古屋に拠点を構える総合部品問屋フカヤが大規模な展示会を開催。エンデュランスロードGE-110の販売開始が目の前に迫ったオリジナルブランドはこれからも充実したラインアップとなっていくという。ミノウラやキャットアイなど国内メーカーや、セッレイタリアやデダ・エレメンティの新製品と合わせて紹介しよう。
2021年にダボスのD-604を発表してから矢継ぎ早に新型バイク、アイテムをリリースしてきたフカヤ。ランドナーで定評のあったダボス、ファストツーリングのギザロのリブランドを世に問い、ダボスからは3車種、ギザロからは2車種をローンチ。同時にフカヤと関係の深い国内外のメーカーとのコラボレーションも積極的に行い、特にダボスというブランド一つでアクセサリーまでを揃えられるほどラインアップを拡充してきた。
その間わずか2年。水面下の開発期間を含めても5年で数多くの製品を揃え、ネオランドナーやネオスポルティーフという形で、かつて隆盛した自転車の遊び方をサイクリストに再提案。自由な自転車の遊び方を模索する方に新たなコンセプトは浸透し、各バイクがそれぞれ人気を得ているという。特にギザロのシクロクロスバイクGX-110はレース会場で見かける機会は多く、この冬に出荷開始されるエンデュランスバイクのGE-110の注目度もまた大きい。
特にGE-110はレジェンドの三船雅彦さんが参加した超長距離ライド「ロンドン〜エディンバラ〜ロンドン」での快走を支え、尚かつイベント翌日も80km走れてしまうほど体力を残せるバイクに仕上がっていることで知られる。シクロワイアードのインプレッションでも、ブルベという枠に捉われず、長距離を速く走りたい人におすすめできると評価を得ている。その記事はこちらをチェックしてもらいたい。
レース以外の遊び方をカバーできるラインアップが揃った現時点までを「リブランディングの第1フェーズである」とフカヤのスタッフは言う。そして「第2フェーズへと移行する構えだ」とも。その詳細はまだ発表されていないものの、より多くの人がダボスやギザロを選びやすいラインアップとしたり、車体の開発で得た知見やトレンドの移り変わり、実際のニーズに合わせたモディファイが行われたりと、ブラッシュアップが予定されているという。
またオリジナルブランドがフレームセットのみを用意するのは「カスタムを楽しんでもらいたいから」だという。ショップとコミュニケーションを取りながら自分好みの自転車を作り上げていく楽しさを、今改めて感じてもらいたいとの想いだ。これもかつては当たり前だったフレームセットからパーツを選定して組み上げる楽しみをフックアップしようとする動きであり、車体のスタイルから遊び方までのコンセプトが一気通貫している。
フカヤが取り扱う膨大なパーツから見繕うのも良し、各ショップのこだわりのパーツで組み上げるも良し。ユーザー次第で好みの自転車に仕上げられるブランドとなっている。
今回展示車としてフィーチャーされたM-605で掲げられたコンセプトは「オールテレインバイク(ATB)」。グラベルやマウンテンバイクなどが定着した今、M-605がオールテレイン(=全地形型)として用意された理由は、ユーザー次第でどのような遊び方にも使えるから。
気の抜けた街乗りで使ってもいいし、キャンパーとしてやグラベルバイクとしてもOK。フレームセットではクロモリのリジッドフォークが搭載されているが、サスペンションフォークに差し替えればマウンテンバイクとして里山トレイルを十分に楽しめる。まさにダボスが考える自由な遊び方ができる1台とも言える。そんなダボスの第2フェーズは期待したいところ。
また、昨年代表取締役社長に就任した谷内氏は「フカヤはユーザーやショップとメーカーの間に立って日本の市場にあった解釈を製品に反映させられる立場にあります。問屋として製品を紹介していくだけではなく、皆様からいただいたアイデアをフカヤなりの解釈でメーカーに伝え、新製品にチャレンジすることができます。自社開発品やコラボを通じて、面白いことをやっているなと思っていただいたり、期待していただけると嬉しいです」という。
今回の展示会でも様々なコラボアイテムが並べられており、キャットアイブースではフカヤとのコラボ品が用意されていた。オリジナルデザインのAMPPは既にリリースされていたが、次なるコラボAMPPも用意されていた。今回はボディサイド部分に迷彩柄があしらわれたシンプルなデザインで、どのような自転車にもマッチしそうな見た目。何よりも迷彩に猫が隠れているのが、キャットアイらしく、可愛いグラフィックとなっている。ぜひ、販売される際はチェックしてもらいたい。
キャットアイといえば新型のVOLT400 NEOとVOLT800 NEOの情報が気になるところ。展示会で伺ったところ、VOLT800 NEOの出荷がスタートするとのこと。この記事が掲載されている頃にはユーザーが入手できる状態だろう。店頭販売限定なのでショップに足を運んでもらいたい。シクロワイアードでも追って新作を試用する機会もあり、今から待ち遠しいことこの上ない。
フカヤはこのように国内メーカーと密な関係にあり、その中でも緊密なのはミノウラだ。2023年はハイブリッドローラーの新作FG550Aがローンチされる。ハイブリッドローラーとはフォークを台座に固定し、後輪は3本ローラーのようなユニットに乗せるだけというシンプルなトレーナーのこと。フォークが固定されているため、トレーニング中にローラー台から落下する心配がないまま、3本ローラーのような練習を行えることがメリットだ。
新作はローラーユニットとフレームの間に振動吸収素材を配置することで、タイヤとローラーが摩擦することで発生する振動を床に伝えない機能を獲得。室内トレーナーの騒音はユニットの駆動音だけではなく、振動が床に伝わることで発生するため、FG550Aはその一つの要因を小さくすることで、集合住宅でも使いやすいホームトレーナーに仕上がっている。
また3本ローラーのR730-Rという新作も用意される。これは後輪のローラーユニットに磁石式の負荷装置を組み込んだモデルであり、これまで以上に自然な負荷が得られるようになっているという。このローラー自体は単体販売も予定されているとのことで、ミノウラユーザーであれば手持ちの3本ローラーに組み込むことが可能だ。
毎年1月に開催されるフカヤの総合展示会ではカブトやIRC、シマノ、オーストリッチ、カーボンドライジャパンなどメーカーの製品が並ぶのも魅力でもある。カブトはヘルメット着用努力義務化に合わせてCampusシリーズにBMXヘルメットライクなクロスシリーズを用意し、さらに多くの方の好みに合わせられるラインアップに整備している。
またカブトのAERO-R2は前作の人気を引き継ぎ、非常に注目されている製品だという。2023年モデルではメタリックの赤色やパステルカラーの新色が追加されているため、サイクルモードなどで実物を確認してもらいたい。VOLZZAのイリディセントカラーも2023年の注目カラーだ。
IRCは年初に発表されたタイヤインサート"INNER SAVER"が気になるところ。チューブレスタイヤのリム打ちパンクなどを防げるアイテムとしてオフロードバイクでは知られるプロダクトであり、現在はシクロクロス向けのサイズが展開されている。パンクした際もランフラットタイヤのようにある程度走れる性能も期待されているため、今後MTBやロードモデルなどが用意されることを待ちたい。
オーストリッチは限定モデルの色使いが人気のPOTARIと、そのコンパクトモデルは引き続き注目。やや大きめのサドルバッグもPOTARIと同じ素材を使っているのだが、より軽く、より薄い生地を使ったプロトタイプもお披露目されていた。この冬にテストが行われるとのことなので、製品化されるのを楽しみにしたい。
またフカヤはセッレイタリアやデダ・エレメンティ、スパカズ、ウルフトゥースなどインポートブランドも充実している。セッレイタリアのSLR BOOST 3Dは出荷が開始されており、老舗イタリアンサドルブランドが最新テクノロジーを駆使したモデルを堪能できるという。
デダ・エレメンティからはZERO 100など定番ステムでもケーブルのセミ内装(S-DCR)に対応できるようなコラムスペーサーが登場。これはステム直下に這わせたケーブルを見た目よくヘッドに挿入するためのパーツで、定番ステムでの内装カスタムをスマートに行うことができる。ポジションの関係で一般的なステムを使いたい方にはおすすめの製品だ。
他にも海外ブランドは各々の新製品発表のタイミングでアナウンスがあるとのこと。今年も様々なニュースがあるとのことなので、フカヤからのリリースやサイクルモードでのブースは注目したい。
text:Gakuto Fujiwara
2021年にダボスのD-604を発表してから矢継ぎ早に新型バイク、アイテムをリリースしてきたフカヤ。ランドナーで定評のあったダボス、ファストツーリングのギザロのリブランドを世に問い、ダボスからは3車種、ギザロからは2車種をローンチ。同時にフカヤと関係の深い国内外のメーカーとのコラボレーションも積極的に行い、特にダボスというブランド一つでアクセサリーまでを揃えられるほどラインアップを拡充してきた。
その間わずか2年。水面下の開発期間を含めても5年で数多くの製品を揃え、ネオランドナーやネオスポルティーフという形で、かつて隆盛した自転車の遊び方をサイクリストに再提案。自由な自転車の遊び方を模索する方に新たなコンセプトは浸透し、各バイクがそれぞれ人気を得ているという。特にギザロのシクロクロスバイクGX-110はレース会場で見かける機会は多く、この冬に出荷開始されるエンデュランスバイクのGE-110の注目度もまた大きい。
特にGE-110はレジェンドの三船雅彦さんが参加した超長距離ライド「ロンドン〜エディンバラ〜ロンドン」での快走を支え、尚かつイベント翌日も80km走れてしまうほど体力を残せるバイクに仕上がっていることで知られる。シクロワイアードのインプレッションでも、ブルベという枠に捉われず、長距離を速く走りたい人におすすめできると評価を得ている。その記事はこちらをチェックしてもらいたい。
レース以外の遊び方をカバーできるラインアップが揃った現時点までを「リブランディングの第1フェーズである」とフカヤのスタッフは言う。そして「第2フェーズへと移行する構えだ」とも。その詳細はまだ発表されていないものの、より多くの人がダボスやギザロを選びやすいラインアップとしたり、車体の開発で得た知見やトレンドの移り変わり、実際のニーズに合わせたモディファイが行われたりと、ブラッシュアップが予定されているという。
またオリジナルブランドがフレームセットのみを用意するのは「カスタムを楽しんでもらいたいから」だという。ショップとコミュニケーションを取りながら自分好みの自転車を作り上げていく楽しさを、今改めて感じてもらいたいとの想いだ。これもかつては当たり前だったフレームセットからパーツを選定して組み上げる楽しみをフックアップしようとする動きであり、車体のスタイルから遊び方までのコンセプトが一気通貫している。
フカヤが取り扱う膨大なパーツから見繕うのも良し、各ショップのこだわりのパーツで組み上げるも良し。ユーザー次第で好みの自転車に仕上げられるブランドとなっている。
今回展示車としてフィーチャーされたM-605で掲げられたコンセプトは「オールテレインバイク(ATB)」。グラベルやマウンテンバイクなどが定着した今、M-605がオールテレイン(=全地形型)として用意された理由は、ユーザー次第でどのような遊び方にも使えるから。
気の抜けた街乗りで使ってもいいし、キャンパーとしてやグラベルバイクとしてもOK。フレームセットではクロモリのリジッドフォークが搭載されているが、サスペンションフォークに差し替えればマウンテンバイクとして里山トレイルを十分に楽しめる。まさにダボスが考える自由な遊び方ができる1台とも言える。そんなダボスの第2フェーズは期待したいところ。
また、昨年代表取締役社長に就任した谷内氏は「フカヤはユーザーやショップとメーカーの間に立って日本の市場にあった解釈を製品に反映させられる立場にあります。問屋として製品を紹介していくだけではなく、皆様からいただいたアイデアをフカヤなりの解釈でメーカーに伝え、新製品にチャレンジすることができます。自社開発品やコラボを通じて、面白いことをやっているなと思っていただいたり、期待していただけると嬉しいです」という。
今回の展示会でも様々なコラボアイテムが並べられており、キャットアイブースではフカヤとのコラボ品が用意されていた。オリジナルデザインのAMPPは既にリリースされていたが、次なるコラボAMPPも用意されていた。今回はボディサイド部分に迷彩柄があしらわれたシンプルなデザインで、どのような自転車にもマッチしそうな見た目。何よりも迷彩に猫が隠れているのが、キャットアイらしく、可愛いグラフィックとなっている。ぜひ、販売される際はチェックしてもらいたい。
キャットアイといえば新型のVOLT400 NEOとVOLT800 NEOの情報が気になるところ。展示会で伺ったところ、VOLT800 NEOの出荷がスタートするとのこと。この記事が掲載されている頃にはユーザーが入手できる状態だろう。店頭販売限定なのでショップに足を運んでもらいたい。シクロワイアードでも追って新作を試用する機会もあり、今から待ち遠しいことこの上ない。
フカヤはこのように国内メーカーと密な関係にあり、その中でも緊密なのはミノウラだ。2023年はハイブリッドローラーの新作FG550Aがローンチされる。ハイブリッドローラーとはフォークを台座に固定し、後輪は3本ローラーのようなユニットに乗せるだけというシンプルなトレーナーのこと。フォークが固定されているため、トレーニング中にローラー台から落下する心配がないまま、3本ローラーのような練習を行えることがメリットだ。
新作はローラーユニットとフレームの間に振動吸収素材を配置することで、タイヤとローラーが摩擦することで発生する振動を床に伝えない機能を獲得。室内トレーナーの騒音はユニットの駆動音だけではなく、振動が床に伝わることで発生するため、FG550Aはその一つの要因を小さくすることで、集合住宅でも使いやすいホームトレーナーに仕上がっている。
また3本ローラーのR730-Rという新作も用意される。これは後輪のローラーユニットに磁石式の負荷装置を組み込んだモデルであり、これまで以上に自然な負荷が得られるようになっているという。このローラー自体は単体販売も予定されているとのことで、ミノウラユーザーであれば手持ちの3本ローラーに組み込むことが可能だ。
毎年1月に開催されるフカヤの総合展示会ではカブトやIRC、シマノ、オーストリッチ、カーボンドライジャパンなどメーカーの製品が並ぶのも魅力でもある。カブトはヘルメット着用努力義務化に合わせてCampusシリーズにBMXヘルメットライクなクロスシリーズを用意し、さらに多くの方の好みに合わせられるラインアップに整備している。
またカブトのAERO-R2は前作の人気を引き継ぎ、非常に注目されている製品だという。2023年モデルではメタリックの赤色やパステルカラーの新色が追加されているため、サイクルモードなどで実物を確認してもらいたい。VOLZZAのイリディセントカラーも2023年の注目カラーだ。
IRCは年初に発表されたタイヤインサート"INNER SAVER"が気になるところ。チューブレスタイヤのリム打ちパンクなどを防げるアイテムとしてオフロードバイクでは知られるプロダクトであり、現在はシクロクロス向けのサイズが展開されている。パンクした際もランフラットタイヤのようにある程度走れる性能も期待されているため、今後MTBやロードモデルなどが用意されることを待ちたい。
オーストリッチは限定モデルの色使いが人気のPOTARIと、そのコンパクトモデルは引き続き注目。やや大きめのサドルバッグもPOTARIと同じ素材を使っているのだが、より軽く、より薄い生地を使ったプロトタイプもお披露目されていた。この冬にテストが行われるとのことなので、製品化されるのを楽しみにしたい。
またフカヤはセッレイタリアやデダ・エレメンティ、スパカズ、ウルフトゥースなどインポートブランドも充実している。セッレイタリアのSLR BOOST 3Dは出荷が開始されており、老舗イタリアンサドルブランドが最新テクノロジーを駆使したモデルを堪能できるという。
デダ・エレメンティからはZERO 100など定番ステムでもケーブルのセミ内装(S-DCR)に対応できるようなコラムスペーサーが登場。これはステム直下に這わせたケーブルを見た目よくヘッドに挿入するためのパーツで、定番ステムでの内装カスタムをスマートに行うことができる。ポジションの関係で一般的なステムを使いたい方にはおすすめの製品だ。
他にも海外ブランドは各々の新製品発表のタイミングでアナウンスがあるとのこと。今年も様々なニュースがあるとのことなので、フカヤからのリリースやサイクルモードでのブースは注目したい。
text:Gakuto Fujiwara
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