2022/12/17(土) - 23:34
12月17・18日の2日間開催のUCIレース2連戦となる宇都宮シクロクロス初日。織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が独走勝利を飾り、9連勝を決めた。 女子は小川咲絵(AX cyclocross team)が圧勝。寒空のなかホットなレースの模様をレポートします。
12月17日、ジャパンカップと同じく新型コロナウイルスの影響で中止が続いていた宇都宮シクロクロスが3年ぶりに開催されることになった。2日間ともにUCIレースということもあり、全日本選手権を来月に控える中、UCIポイントを獲得するために日本全国からトップシクロクロッサーが宇都宮に集結した。
会場となった栃木県宇都宮市の「道の駅うつのみや ろまんちっく村」特設コースはどんよりとした曇り模様。最高気温は6℃と冷え込みが強く、選手もレース直前までジャケットを着込んでいた。
テクニカルなキャンバーの折り返しや登り返し、森林のパンプトラック、砂、砂利、芝、泥、シケインといったシクロクロスに登場するすべての要素を取り入れた、あらゆるスキルが求められるコースとなっている。
さらに、男子エリートと女子エリート、ジュニアの3カテゴリーにオーストラリアからの選手団の参戦もあり、いつもとは違った雰囲気で2日間に渡るレースが開幕した。
男子エリート:沢田時を下し、織田聖が連勝記録を上書き
地元栃木のレースということもあり、全日本チャンピオンジャージを着用する小坂光(宇都宮ブリッツェン)に注目が集まる。そして、今季負けなしの7連勝中の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、沢田時(チームブリヂストンサイクリング)、竹内遼(GHISALLO RACING)が最前列に並ぶ。そしてオーストラリアからはチャンドラー・マルクスとホブソン・マックス、ケイン・フィンの3名が出場した。
村上裕二郎(明治大学)がロケットスタートを決め、スタートを得意とする織田や小坂を抑えてホールショット。その後の芝区間を抜けて、サンドセクションに先頭で現れたのは織田、次いで小坂、村上裕二郎の順だった。
砂地獄で有名な祖父江ワイルドネイチャープラザのレースでも優勝している織田はあらゆるセクションをスムーズにクリアしていく。副島達海(大阪産業大学)もポジションアップし、織田と沢田、副島のパックが形成される。その後、小坂も追いつき4名のパックになった。
中盤に差し掛かると織田と沢田がさらに抜け出し、2人でペースを上げていく。沢田のミスをきっかけに織田が独走を開始し、2位以降との差が開いていく。後方の3位争いでは副島と小坂のパックがあったが、小坂が単独で先頭2名を追いかける展開に。
レース終盤、織田はシケインを得意のバニーホップで軽快にクリアし、後続との差を広げていく。後方では沢田に小坂が追いつき、2位争いが激化。4位は副島、5位争いは竹内と竹之内悠が争う展開。
中盤から独走を開始した織田が観客とハイタッチをしながら喜びを共有し、見事8連勝目を決めた。2位は沢田、3位は小坂が表彰台を死守し、地元レースで意地を見せた。
優勝した織田は喜びを語る。「宇都宮で勝ったことがなかったので、やっと勝てたなという感じです。レース中盤は沢田さんと交代しながら走ったりして良いペースで走れました。沢田さんのミスで離れてしまったんですが、テクニカル区間でミスがないように心がけて、最後まで走りきって勝てました。明日に向けてしっかりリカバリーして、Day2も優勝します!」。
ホームレースをチャンピオンジャージで走った小坂は「レース序盤に出遅れてしまったんですが、皆さんのたくさんの応援が力になり、表彰台を獲得できました。ありがとうございました」と話した。
女子エリート:小川咲絵が独走勝利
フロントローにはJCFシリーズチャンピオンを獲得し、JCXシリーズのランキングトップを直走る小川咲絵(AX cyclocross team)、現全日本チャンピオンの渡部春雅(明治大学)や小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、石田唯と大蔵こころ(ともに早稲田大学)などが並ぶ。女子エリートにもオーストラリアから来日したシンプソン・タリアとシンプソン・アヌーク、ファンデホーフ・アランナの3人が出場した。
ホールショットを獲得したのは小川咲絵(AX cyclocross team)。小川はそのままサンドセクションを先頭でクリアし、三段坂に差し掛かる。次いで、渡部、小林、大蔵、石田の順でクリアしていく。
2周回目に差し掛かるところで、小川と渡部の2人が抜け出し、抜きつ抜かれつの攻防が続いていく。森林区間を抜けた階段のセクションで渡部が転倒してしまい、その一瞬を突いた小川がトップに躍り出る。渡部はすぐに体勢を立て直し、小川を追従していく。
ここから小川はペースアップし、独走を開始する。後続では2位を走っていた渡部に小林が追いつき、その勢いのまま抜き去っていった。4位争いは早稲田大学の大蔵と石田のチームメイト同士が争う展開になっていた。
小川はその後も落ち着いた走りを見せ、後続との差を1分近くに広げていった。そして優勝を確信し、ガッツポーズでフィニッシュ。2位は小林、3位は渡部。
優勝した小川は次のようにレースを振り返った。「勝ちたいと思っていたので勝てて一安心です。レース前半は冷静に走っていて、自分な得意なところで仕掛けて独走に持ち込めました。そのあとは所々ミスをしてしまったんですが、最後まで落ち着いて走ることができて、なんとか勝つことができました。JCFシリーズで優勝したので、JCXシリーズも優勝したいので、明日も頑張ります!」
UCIカテゴリー以外にもAJOCCカテゴリーのレースやエンデューロなど、多くの種目が実施されていた。レース以外にもブース出展が多数。メリダやボーマのバイク展示や宇都宮名物である餃子などフードエリアも充実していた。写真で紹介していこう。
12月17日、ジャパンカップと同じく新型コロナウイルスの影響で中止が続いていた宇都宮シクロクロスが3年ぶりに開催されることになった。2日間ともにUCIレースということもあり、全日本選手権を来月に控える中、UCIポイントを獲得するために日本全国からトップシクロクロッサーが宇都宮に集結した。
会場となった栃木県宇都宮市の「道の駅うつのみや ろまんちっく村」特設コースはどんよりとした曇り模様。最高気温は6℃と冷え込みが強く、選手もレース直前までジャケットを着込んでいた。
テクニカルなキャンバーの折り返しや登り返し、森林のパンプトラック、砂、砂利、芝、泥、シケインといったシクロクロスに登場するすべての要素を取り入れた、あらゆるスキルが求められるコースとなっている。
さらに、男子エリートと女子エリート、ジュニアの3カテゴリーにオーストラリアからの選手団の参戦もあり、いつもとは違った雰囲気で2日間に渡るレースが開幕した。
男子エリート:沢田時を下し、織田聖が連勝記録を上書き
地元栃木のレースということもあり、全日本チャンピオンジャージを着用する小坂光(宇都宮ブリッツェン)に注目が集まる。そして、今季負けなしの7連勝中の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、沢田時(チームブリヂストンサイクリング)、竹内遼(GHISALLO RACING)が最前列に並ぶ。そしてオーストラリアからはチャンドラー・マルクスとホブソン・マックス、ケイン・フィンの3名が出場した。
村上裕二郎(明治大学)がロケットスタートを決め、スタートを得意とする織田や小坂を抑えてホールショット。その後の芝区間を抜けて、サンドセクションに先頭で現れたのは織田、次いで小坂、村上裕二郎の順だった。
砂地獄で有名な祖父江ワイルドネイチャープラザのレースでも優勝している織田はあらゆるセクションをスムーズにクリアしていく。副島達海(大阪産業大学)もポジションアップし、織田と沢田、副島のパックが形成される。その後、小坂も追いつき4名のパックになった。
中盤に差し掛かると織田と沢田がさらに抜け出し、2人でペースを上げていく。沢田のミスをきっかけに織田が独走を開始し、2位以降との差が開いていく。後方の3位争いでは副島と小坂のパックがあったが、小坂が単独で先頭2名を追いかける展開に。
レース終盤、織田はシケインを得意のバニーホップで軽快にクリアし、後続との差を広げていく。後方では沢田に小坂が追いつき、2位争いが激化。4位は副島、5位争いは竹内と竹之内悠が争う展開。
中盤から独走を開始した織田が観客とハイタッチをしながら喜びを共有し、見事8連勝目を決めた。2位は沢田、3位は小坂が表彰台を死守し、地元レースで意地を見せた。
優勝した織田は喜びを語る。「宇都宮で勝ったことがなかったので、やっと勝てたなという感じです。レース中盤は沢田さんと交代しながら走ったりして良いペースで走れました。沢田さんのミスで離れてしまったんですが、テクニカル区間でミスがないように心がけて、最後まで走りきって勝てました。明日に向けてしっかりリカバリーして、Day2も優勝します!」。
ホームレースをチャンピオンジャージで走った小坂は「レース序盤に出遅れてしまったんですが、皆さんのたくさんの応援が力になり、表彰台を獲得できました。ありがとうございました」と話した。
女子エリート:小川咲絵が独走勝利
フロントローにはJCFシリーズチャンピオンを獲得し、JCXシリーズのランキングトップを直走る小川咲絵(AX cyclocross team)、現全日本チャンピオンの渡部春雅(明治大学)や小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、石田唯と大蔵こころ(ともに早稲田大学)などが並ぶ。女子エリートにもオーストラリアから来日したシンプソン・タリアとシンプソン・アヌーク、ファンデホーフ・アランナの3人が出場した。
ホールショットを獲得したのは小川咲絵(AX cyclocross team)。小川はそのままサンドセクションを先頭でクリアし、三段坂に差し掛かる。次いで、渡部、小林、大蔵、石田の順でクリアしていく。
2周回目に差し掛かるところで、小川と渡部の2人が抜け出し、抜きつ抜かれつの攻防が続いていく。森林区間を抜けた階段のセクションで渡部が転倒してしまい、その一瞬を突いた小川がトップに躍り出る。渡部はすぐに体勢を立て直し、小川を追従していく。
ここから小川はペースアップし、独走を開始する。後続では2位を走っていた渡部に小林が追いつき、その勢いのまま抜き去っていった。4位争いは早稲田大学の大蔵と石田のチームメイト同士が争う展開になっていた。
小川はその後も落ち着いた走りを見せ、後続との差を1分近くに広げていった。そして優勝を確信し、ガッツポーズでフィニッシュ。2位は小林、3位は渡部。
優勝した小川は次のようにレースを振り返った。「勝ちたいと思っていたので勝てて一安心です。レース前半は冷静に走っていて、自分な得意なところで仕掛けて独走に持ち込めました。そのあとは所々ミスをしてしまったんですが、最後まで落ち着いて走ることができて、なんとか勝つことができました。JCFシリーズで優勝したので、JCXシリーズも優勝したいので、明日も頑張ります!」
UCIカテゴリー以外にもAJOCCカテゴリーのレースやエンデューロなど、多くの種目が実施されていた。レース以外にもブース出展が多数。メリダやボーマのバイク展示や宇都宮名物である餃子などフードエリアも充実していた。写真で紹介していこう。
男子エリート結果
1位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 0:57:30 |
2位 | 沢田時(チームブリヂストンサイクリング) | +0:31 |
3位 | 小坂光(宇都宮ブリッツェン) | +0:43 |
4位 | 副島達海(大阪産業大学) | +1:13 |
5位 | 竹之内悠 | +1:19 |
女子エリート結果
1位 | 小川咲絵(AX cyclocross team) | 0:48:47 |
2位 | 小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +0:54 |
3位 | 渡部春雅(明治大学) | +2:24 |
4位 | 石田唯(早稲田大学) | +3:30 |
5位 | 大蔵こころ(早稲田大学) | +4:16 |
その他カテゴリー結果
男子ジュニア | 長島慧明(北桑田高校) |
男子エリート2 | 岡山優太 |
男子エリート3 | 成田光志(Dream Seeker jr. Racing Team) |
男子エリート4 | 岡篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム) |
女子エリート2+3 | 小林碧(ProRide) |
女子マスターズ | 林口ゆきえ(gufo cycleworks) |
エンデューロ | Team imeZi |
text&photo:Michinari TAKAGI
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