2022/10/31(月) - 16:35
デローザやアルゴン18、カスク、セッレイタリアといった定番ブランドを数多く扱う日直商会が展示会を開催。国内展開待たれるアルゴン18のSUMや、KOOの新作アイウェア、復刻刺繍ロゴのセッレイタリア FLITE 1990など、多くの新製品をお披露目した。
日直商会の2022年展示会に際し、カスク本社からはアジア・パシフィック圏担当のステファノ・コリッヴァ氏が来日。展示会自体が久しぶりということもあり、コリッヴァ氏は「重要視している日本でカスクとKOOを紹介できて嬉しいよ」と顔をはにかませる。
そんなコリッヴァ氏は「カスクは何よりも頭部の安全性を大切にし、次に目のプロテクションを大事にしているブランド」と安全性をアピール。回転衝撃に対するテスト「WG11」にも積極的に取り組み、ラインアップされるヘルメットの安全性は全て確認されているとのことだ。
カスクが今回の展示会でお披露目したのはMojito Cubeのダズル迷彩デザイン。戦艦の洋上迷彩に端を発し、自動車のプロトタイプに使われることもある不規則なゼブラ模様のヘルメットは目を引く存在。人と同じものを使いたくない方にはピッタリのはず。
カスクが手がけるアイウェアブランド「KOO(クー)」からは2種類のアイウェア「NOVA 2.0」と「COSMO」が登場。NOVA 2.0はSUPERNOVAから派生した、ちょっとレンズが小さめのモデル。深い前傾姿勢のために設計されたレンズ上部がアレンジされ、自転車だけではなくランニングなどにもフィットするようになった。
COSMOはウェリントン型を採用するカジュアルなアイウェアだ。KOOはCalifolniaというカジュアルモデルを展開してきたが、COSMOはもう少しだけスポーティーな装いでアウトドアアクティビティを楽しみたい方にもおすすめだ。
「カスクは研究だけではなく、強豪チームと緊密な関係を持ち製品を開発できることを誇りに思っているんだ」とコリッヴァ氏は言う。ツール・ド・フランスでイネオス・グレナディアーズが着用していた新型ヘルメットは今回の展示会には登場しなかったが、これからのアナウンスに注目したいところ。
アルゴン18からもセールス担当のジェフ・ハモンド氏が来日した。紹介するのはもちろん新型エアロオールラウンダーのSUMシリーズだ。「GALLIUMの軽量性、NITROGENのエアロダイナミクス、KRYPTONの快適性を全て足した合計(SUM)がこのバイク。アルゴン18のエンジニアリング、イノベーション、研究開発の経験を結集しています」とハモンド氏は胸を張る。
それに公式資料では触れられなかったことだが、なんとSUMはNITOROGENをわずかに上回るエアロダイナミクスをも実現しているのだとか。それでいてNITROGENよりも軽量で快適。重量面こそGALLIUM PROに譲るが、それと比較してもよりエアロで快適に仕上げられていると言う。
次世代のエアロオールラウンダーとして期待が大きいSUM PROだが、日本ではまだ展開されていない。ハモンド氏は「COVID-19によってサプライチェーンに影響が出ましたが、日本をはじめ多くの国への出荷はこの数ヶ月での開始を予定しています」とのこと。SUMシリーズの国内販売の日も遠くなさそうだ。
また今回の展示会にはアルゴン18がサポートするフランスのVélo Sport Valletaisに所属する蠣崎優仁も来場。「GALLIUM PROはとにかく癖が無いバイクです。乗り慣れた別ブランドのバイクから乗り換えた時も違和感が全くなくスッと乗り出せました。リムブレーキからディスクブレーキ版に替えた時も、リム版で不足を感じていた剛性感を補いつつ、GALLIUM PROというバイクのDNAが継承されていて、すごくいいバイクだな、と」と蠣崎は言う。
加えて「アルゴン18に長い期間乗ったことがある人は、アルゴン18の新型に乗り換えたとしても自然に乗れるほど"色"がはっきりしているブランドです。レーサー目線では、GALLIUM PROはレースのためバイクということを乗っていてひしひしと感じるんですが、そこが魅力なんですよね」とも。
今回の展示会での日直商会イチオシが、セッレイタリアとコラボした別注サドル「FLITE 1990」だ。現在ラインアップされるサドルにはプリントでロゴがあしらわれることが一般的だが、日直商会はかつて主流だった刺繍ロゴに着目。あえて刺繍ロゴを世のサイクリストに届けたいという思いからプロジェクトはスタートしたという。
クラシカルな装いで統一するべく、サドルは定番モデル「FLITE 1990」をチョイスし、ロゴ自体も旧作を復活させた。さらにこだわったのはノーズのFLITEロゴ。通常は黄色で彩られているが、あえて赤色とすることで、別注モデルとしての特別感を演出している。
この限定モデルは当初限定300個とアナウンスされていたが、予想以上に注文が多かったため通常ラインナップに追加されることになったということも、このサドルの注目度の高さを窺わせる。気になる方は販売店でぜひチェックしてもらいたい。
さらに、セッレイタリアの3モデルがNJS(競輪の競走車部品認定基準適合部品)に認定されたことも発表。非常に限られた製品のみが認められるだけに、認定を取得するモデルを競輪選手との協議を重ね決定、そのサドルの図面を本国から取り寄せ提出し、ようやく登録が完了したという。日直商会から出荷されるFLITE 1990 NJS embroidery BLK L、FLITE 1990 NJS L、SLR TM SUPERFLOW NJS Lには、認定シールが貼られる。
認定サドルの中でも競輪選手から好評だったのはFLITE 1990だったという。現在競輪界でポピュラーなサドルと座面形状が似ていながら、クッションが多く搭載されているため、快適に走れるのだとか。旧ロゴ復活や、NJS認定など今回の展示会の主役?となったFLITE 1990は定番モデルとして多くのサイクリストに愛されたサドル。今一度、注目しても良さそうだ。
さらに3Dプリント製のSLR BOOSTなども登場しているが、国内での流通はもう少し先とのこと。販売開始のタイミングで製品の詳細情報を紹介する予定。
ポンプで名を馳せるシリカは、本拠地をアメリカに移してからはチタン製のボトルケージや超高級ポンプなど意欲的な新製品開発が目立つブランド。現在特に力を入れているのがケミカル類で、チェーンルブリカントのSYNERGTICは注目の一品だ。さらに最大5mmのパンクホールを埋めることのできるタイヤシーラントのデモンストレーションも行われ、来場者の注目を集めていた。
カンパニョーロは定番のコンポーネントに加え、SUPERRECORDにステージズサイクリングのパワーメーターを搭載した左クランクとクランクセットのパッケージ販売のスタートや、ライフスタイル系バックパックを展示。バックパックは使い勝手がよく、通勤通学に最適そうなので、店舗などで一度チェックしてもらいたい。
今回の展示会では、魅力あるオリジナルブランドを展開する東京サンエスもブースを構え、渋くも使い勝手の良いアイテムを多くラインアップした。
例えば、シルバーパーツ復興の波に乗った、ワンバイエス・スージーステムのシルバーカラーは、スチールバイクはもちろんネオクラシックなグラベルロードとも相性の良いアイテム。さらにRoutewerksというブランドのハンドルバーバッグを参考出品した。型崩れしないハードケースとされていたり、ショルダーバッグとして使うためのコードが備えられていたり、着脱しやすい独自のマウントシステムを採用していたりと使い勝手が良さそう。本格的に取り扱いが開始されるのが待ち遠しい製品だ。
他にもロコゴワのミニウォレットなど魅力的な製品が多く登場しており、シクロワイアードでも追って紹介したい。また、東京サンエスが今夏より荒川サイクリングロード沿線で営業しているソフトクリームショップ/カフェ「KURU」では、11月からの温かいスープの提供もアナウンス。荒川を走るサイクリストの憩いの場もどんどんパワーアップしている様子だ。
text&photo:Gakuto Fujiwara
日直商会の2022年展示会に際し、カスク本社からはアジア・パシフィック圏担当のステファノ・コリッヴァ氏が来日。展示会自体が久しぶりということもあり、コリッヴァ氏は「重要視している日本でカスクとKOOを紹介できて嬉しいよ」と顔をはにかませる。
そんなコリッヴァ氏は「カスクは何よりも頭部の安全性を大切にし、次に目のプロテクションを大事にしているブランド」と安全性をアピール。回転衝撃に対するテスト「WG11」にも積極的に取り組み、ラインアップされるヘルメットの安全性は全て確認されているとのことだ。
カスクが今回の展示会でお披露目したのはMojito Cubeのダズル迷彩デザイン。戦艦の洋上迷彩に端を発し、自動車のプロトタイプに使われることもある不規則なゼブラ模様のヘルメットは目を引く存在。人と同じものを使いたくない方にはピッタリのはず。
カスクが手がけるアイウェアブランド「KOO(クー)」からは2種類のアイウェア「NOVA 2.0」と「COSMO」が登場。NOVA 2.0はSUPERNOVAから派生した、ちょっとレンズが小さめのモデル。深い前傾姿勢のために設計されたレンズ上部がアレンジされ、自転車だけではなくランニングなどにもフィットするようになった。
COSMOはウェリントン型を採用するカジュアルなアイウェアだ。KOOはCalifolniaというカジュアルモデルを展開してきたが、COSMOはもう少しだけスポーティーな装いでアウトドアアクティビティを楽しみたい方にもおすすめだ。
「カスクは研究だけではなく、強豪チームと緊密な関係を持ち製品を開発できることを誇りに思っているんだ」とコリッヴァ氏は言う。ツール・ド・フランスでイネオス・グレナディアーズが着用していた新型ヘルメットは今回の展示会には登場しなかったが、これからのアナウンスに注目したいところ。
アルゴン18からもセールス担当のジェフ・ハモンド氏が来日した。紹介するのはもちろん新型エアロオールラウンダーのSUMシリーズだ。「GALLIUMの軽量性、NITROGENのエアロダイナミクス、KRYPTONの快適性を全て足した合計(SUM)がこのバイク。アルゴン18のエンジニアリング、イノベーション、研究開発の経験を結集しています」とハモンド氏は胸を張る。
それに公式資料では触れられなかったことだが、なんとSUMはNITOROGENをわずかに上回るエアロダイナミクスをも実現しているのだとか。それでいてNITROGENよりも軽量で快適。重量面こそGALLIUM PROに譲るが、それと比較してもよりエアロで快適に仕上げられていると言う。
次世代のエアロオールラウンダーとして期待が大きいSUM PROだが、日本ではまだ展開されていない。ハモンド氏は「COVID-19によってサプライチェーンに影響が出ましたが、日本をはじめ多くの国への出荷はこの数ヶ月での開始を予定しています」とのこと。SUMシリーズの国内販売の日も遠くなさそうだ。
また今回の展示会にはアルゴン18がサポートするフランスのVélo Sport Valletaisに所属する蠣崎優仁も来場。「GALLIUM PROはとにかく癖が無いバイクです。乗り慣れた別ブランドのバイクから乗り換えた時も違和感が全くなくスッと乗り出せました。リムブレーキからディスクブレーキ版に替えた時も、リム版で不足を感じていた剛性感を補いつつ、GALLIUM PROというバイクのDNAが継承されていて、すごくいいバイクだな、と」と蠣崎は言う。
加えて「アルゴン18に長い期間乗ったことがある人は、アルゴン18の新型に乗り換えたとしても自然に乗れるほど"色"がはっきりしているブランドです。レーサー目線では、GALLIUM PROはレースのためバイクということを乗っていてひしひしと感じるんですが、そこが魅力なんですよね」とも。
今回の展示会での日直商会イチオシが、セッレイタリアとコラボした別注サドル「FLITE 1990」だ。現在ラインアップされるサドルにはプリントでロゴがあしらわれることが一般的だが、日直商会はかつて主流だった刺繍ロゴに着目。あえて刺繍ロゴを世のサイクリストに届けたいという思いからプロジェクトはスタートしたという。
クラシカルな装いで統一するべく、サドルは定番モデル「FLITE 1990」をチョイスし、ロゴ自体も旧作を復活させた。さらにこだわったのはノーズのFLITEロゴ。通常は黄色で彩られているが、あえて赤色とすることで、別注モデルとしての特別感を演出している。
この限定モデルは当初限定300個とアナウンスされていたが、予想以上に注文が多かったため通常ラインナップに追加されることになったということも、このサドルの注目度の高さを窺わせる。気になる方は販売店でぜひチェックしてもらいたい。
さらに、セッレイタリアの3モデルがNJS(競輪の競走車部品認定基準適合部品)に認定されたことも発表。非常に限られた製品のみが認められるだけに、認定を取得するモデルを競輪選手との協議を重ね決定、そのサドルの図面を本国から取り寄せ提出し、ようやく登録が完了したという。日直商会から出荷されるFLITE 1990 NJS embroidery BLK L、FLITE 1990 NJS L、SLR TM SUPERFLOW NJS Lには、認定シールが貼られる。
認定サドルの中でも競輪選手から好評だったのはFLITE 1990だったという。現在競輪界でポピュラーなサドルと座面形状が似ていながら、クッションが多く搭載されているため、快適に走れるのだとか。旧ロゴ復活や、NJS認定など今回の展示会の主役?となったFLITE 1990は定番モデルとして多くのサイクリストに愛されたサドル。今一度、注目しても良さそうだ。
さらに3Dプリント製のSLR BOOSTなども登場しているが、国内での流通はもう少し先とのこと。販売開始のタイミングで製品の詳細情報を紹介する予定。
ポンプで名を馳せるシリカは、本拠地をアメリカに移してからはチタン製のボトルケージや超高級ポンプなど意欲的な新製品開発が目立つブランド。現在特に力を入れているのがケミカル類で、チェーンルブリカントのSYNERGTICは注目の一品だ。さらに最大5mmのパンクホールを埋めることのできるタイヤシーラントのデモンストレーションも行われ、来場者の注目を集めていた。
カンパニョーロは定番のコンポーネントに加え、SUPERRECORDにステージズサイクリングのパワーメーターを搭載した左クランクとクランクセットのパッケージ販売のスタートや、ライフスタイル系バックパックを展示。バックパックは使い勝手がよく、通勤通学に最適そうなので、店舗などで一度チェックしてもらいたい。
今回の展示会では、魅力あるオリジナルブランドを展開する東京サンエスもブースを構え、渋くも使い勝手の良いアイテムを多くラインアップした。
例えば、シルバーパーツ復興の波に乗った、ワンバイエス・スージーステムのシルバーカラーは、スチールバイクはもちろんネオクラシックなグラベルロードとも相性の良いアイテム。さらにRoutewerksというブランドのハンドルバーバッグを参考出品した。型崩れしないハードケースとされていたり、ショルダーバッグとして使うためのコードが備えられていたり、着脱しやすい独自のマウントシステムを採用していたりと使い勝手が良さそう。本格的に取り扱いが開始されるのが待ち遠しい製品だ。
他にもロコゴワのミニウォレットなど魅力的な製品が多く登場しており、シクロワイアードでも追って紹介したい。また、東京サンエスが今夏より荒川サイクリングロード沿線で営業しているソフトクリームショップ/カフェ「KURU」では、11月からの温かいスープの提供もアナウンス。荒川を走るサイクリストの憩いの場もどんどんパワーアップしている様子だ。
text&photo:Gakuto Fujiwara
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