2022/09/10(土) - 12:40
コロナ禍で2年連続で中止となったカナダのワールドツアー2連戦初戦、GPケベックが3年振りに開催された。残り2.2km地点でブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン)がアタックを成功させ、豪華スプリンターたちを退け勝利した。
集団の先頭でスタートを待つワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
世界選手権を見据え出場したペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) photo:gpcqm.ca
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック2022 コースマップ&プロフィール image:gpcqm.ca
スペインでブエルタ・ア・エスパーニャが佳境を迎える中、カナダにはツール・ド・フランスを沸かせた選手や世界屈指のクラシックハンターたちが集結。フランス語圏を舞台に繰り広げられるグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(GPケベック)と、その2日後に行われるグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)のワールドツアー2連戦が開催中で、9月9日にまずは第1戦ケベックが開催された。
コースは例年通りセント・ローレンス川に面したケベック市内に設定された12.6kmを16周回する201.6km。周回後半からは名称の付けられた登坂が4つ登場し、フィニッシュへの登り「グラン・ダリー」は登坂距離1000m/平均勾配4%。それぞれの難易度は低くないものの連続して登坂をこなすため総獲得標高は2976mにものぼり、波状攻撃が掛かれば集団分断も起こりうる。毎年パンチャーによるアタックが掛かるものの、ゴール勝負は決まって登りスプリントで決着するのが通例だ。
ゼッケン1を付けるのは2018年、19年と2連覇中のマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)。その他にも今年のツール・ド・フランスを沸かせ、2週間後のロード世界選手権を見据えるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)やワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)などが集結。また登りスプリントに強いビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)やペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)も顔を揃えた。
カナダ・ケベックに設定された12.6kmの周回コース photo:gpcqm.ca
集団スプリントに備えるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:gpcqm.ca
3年振りの開催かつ例年に増してスター選手が集ったことで多くの観客が沿道に詰めた。そんな中で逃げグループを作ったのはベテランのダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)とセバスティアン・グリニャール(ベルギー、ロット・スーダル)ら若手による5名。タイム差は最大4分半差まで広がったが、バイクエクスチェンジ・ジェイコやユンボ・ヴィスマがタイトにコントロールしたことでそれ以上広がることはなかった。
レースは後半戦に突入し、トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ)が力強い牽引を披露したことでプロトンと逃げの差は一気に縮小。1分差まで詰まった残り41kmでプロトンからクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)がアタックし、抑えの役割を果たすべく追従したオランダ王者パスカル・エーンコーン(ユンボ・ヴィスマ)を含む5名が第2集団を形成した。
しかしジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)が牽引したプロトンが逃げ集団を吸収し、慌ただしさを増したレース展開は落ち着きを取り戻す。最終周回に入りマイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマ・エフデジ)がアタックを試みるも大集団を振り切るには至らない。そしてファンアールトのためにユンボ・ヴィスマが集団前方で集結する中、残り2.2kmの登坂でブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン)が飛び出した。
残り2.2kmでアタックしたブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン) photo:gpcqm.ca
独走で勝利を飾ったブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン) photo:gpcqm.ca
この動きを驚異と見なさず静観したスプリンターチームだったが、その予想に反してコスヌフロワはリードを広げていく。そして各チームのアシストたちの追走も叶わず、コスヌフロワが先頭でフィニッシュラインを通過。昨年のブルターニュクラシック・ウェストフランス以来となるワールドツアー勝利を掴み取った。
「素晴らしい!この勝利という事実をいまだ飲み込めていない。まさにあそこでアタックする計画をたてていた。もしそれが上手くいなかったら、グレッグ・ファンアーヴェルマートのスプリント勝負に切り替える予定だった。ラスト2kmの飛び出しから逃げ切れるとは思わなかったので、本当に嬉しいよ」とコスヌフロワは語った。4秒遅れでやってきた集団は大会3連覇を目指したマシューズが先着。3位にはファンアールトを上回ったギルマイが入り、見事表彰台に上がっている。
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック2022表彰台 photo:CorVos
セルフィーを撮るマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) photo:gpcqm.ca



スペインでブエルタ・ア・エスパーニャが佳境を迎える中、カナダにはツール・ド・フランスを沸かせた選手や世界屈指のクラシックハンターたちが集結。フランス語圏を舞台に繰り広げられるグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(GPケベック)と、その2日後に行われるグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)のワールドツアー2連戦が開催中で、9月9日にまずは第1戦ケベックが開催された。
コースは例年通りセント・ローレンス川に面したケベック市内に設定された12.6kmを16周回する201.6km。周回後半からは名称の付けられた登坂が4つ登場し、フィニッシュへの登り「グラン・ダリー」は登坂距離1000m/平均勾配4%。それぞれの難易度は低くないものの連続して登坂をこなすため総獲得標高は2976mにものぼり、波状攻撃が掛かれば集団分断も起こりうる。毎年パンチャーによるアタックが掛かるものの、ゴール勝負は決まって登りスプリントで決着するのが通例だ。
ゼッケン1を付けるのは2018年、19年と2連覇中のマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)。その他にも今年のツール・ド・フランスを沸かせ、2週間後のロード世界選手権を見据えるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)やワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)などが集結。また登りスプリントに強いビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)やペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)も顔を揃えた。


3年振りの開催かつ例年に増してスター選手が集ったことで多くの観客が沿道に詰めた。そんな中で逃げグループを作ったのはベテランのダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)とセバスティアン・グリニャール(ベルギー、ロット・スーダル)ら若手による5名。タイム差は最大4分半差まで広がったが、バイクエクスチェンジ・ジェイコやユンボ・ヴィスマがタイトにコントロールしたことでそれ以上広がることはなかった。
レースは後半戦に突入し、トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ)が力強い牽引を披露したことでプロトンと逃げの差は一気に縮小。1分差まで詰まった残り41kmでプロトンからクイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)がアタックし、抑えの役割を果たすべく追従したオランダ王者パスカル・エーンコーン(ユンボ・ヴィスマ)を含む5名が第2集団を形成した。
しかしジョージ・ベネット(ニュージーランド、UAEチームエミレーツ)が牽引したプロトンが逃げ集団を吸収し、慌ただしさを増したレース展開は落ち着きを取り戻す。最終周回に入りマイケル・ストーラー(オーストラリア、グルパマ・エフデジ)がアタックを試みるも大集団を振り切るには至らない。そしてファンアールトのためにユンボ・ヴィスマが集団前方で集結する中、残り2.2kmの登坂でブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン)が飛び出した。


この動きを驚異と見なさず静観したスプリンターチームだったが、その予想に反してコスヌフロワはリードを広げていく。そして各チームのアシストたちの追走も叶わず、コスヌフロワが先頭でフィニッシュラインを通過。昨年のブルターニュクラシック・ウェストフランス以来となるワールドツアー勝利を掴み取った。
「素晴らしい!この勝利という事実をいまだ飲み込めていない。まさにあそこでアタックする計画をたてていた。もしそれが上手くいなかったら、グレッグ・ファンアーヴェルマートのスプリント勝負に切り替える予定だった。ラスト2kmの飛び出しから逃げ切れるとは思わなかったので、本当に嬉しいよ」とコスヌフロワは語った。4秒遅れでやってきた集団は大会3連覇を目指したマシューズが先着。3位にはファンアールトを上回ったギルマイが入り、見事表彰台に上がっている。


グランプリ・シクリスト・ド・ケベック2022結果
1位 | ブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン) | 4:46:56 |
2位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 0:04 |
3位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
4位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | |
5位 | イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) | |
6位 | ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
7位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
8位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
9位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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