2022/09/08(木) - 17:18
名古屋に拠点を構える輸入代理店のフタバ商店が8月末にプロショップ向けの展示会を開いた。BMCの2023年カラーや新しく取り扱いを開始する台湾ブランドのベローシ、FSA、フォースなど海外ブランドなどを中心とした新製品をピックアップして紹介しよう。
フタバ商店が取り扱う数多くのブランドの中でも一際注目を集めるのがスイスの自転車ブランド"BMC"だ。2022年はAG2Rシトロエンを中心に、ファンビアン・カンチェラーラが興したチューダー・プロサイクリングにもバイクを供給し、世界レースで戦うブランドだ。
今回の展示会では2023年の新色とラインアップの紹介が中心で、ボブ・ユンゲルスがツール・ド・フランスで使用した超スペシャルバイクのMasterpieceは、受注生産のため実車を見ることは叶わなかった。Masterpieceシリーズは日本でも購入可能であり、BMC取扱のプロショップにてオーダーができるとのことだ。
そしてBMCのニュースといえば、MTB世界選手権XCO女子エリートでポーリン・フェランプレヴォがハードテールのTwostrokeを使用し優勝を果たしたことだろう。ハードトレーニングを積んだフェランプレヴォの能力を引き出したTwostrokeも国内での取り扱いはもちろんあるとのこと。東京五輪MTB XCO男子エリート優勝者のトーマス・ピドコックが駆るロゴなしバイクもBMCのFourstrokeであり、これも順次入荷予定。
BMC2023モデルから展示されていた新カラーはALL RED/BLACKとCARBON/WHITEの2種類。いずれもステム一体型ハンドルを含めたトータルカラーコーディネートが特徴であり、一体感を演出している。横位置からだと単色に見えるが、トップチューブの上部はグラデーションで彩られている。
CARBON/WHITEは先述したチューダー・プロサイクリングに供給されるカラーであり、一般カラーにはないチェーンステーのBMCロゴが供給カラーであることを示している。AG2Rが使うTEAM WHITE/NEON REDも実はチェーンステーにロゴがあしらわれる特別仕様。BMCのカラーリングをチェックする時に、チェーンステーのロゴの有無を確認してみても面白いだろう。
また、BMCが開発するアパレルADICTA LABの展示も行われていた。サマーシーズン中盤から国内での展開が始まったウェアだけに細部までチェックできるのは、この展示会が初めての機会となった。バイクブランドであるBMCがアパレルプロジェクトのADICTA LABを行う目的は、ライダーのパフォーマンスを引き出し、快適なライド環境を提供することにある。
ハイエンドのVALENTは37.5テクノロジーといった技術を使っていることはもちろん、ボディ部、サイド部ともにメッシュ生地とされており高い通気性を期待させる作りとされている。ALATEのレディースモデルはサイド部にメッシュが設けられた仕様で、高温多湿となる日本の夏にぴったりの1着といえそうだ。BMCが本格始動させたアパレルブランドのADICTA LABの今後には注目だ。
フタバ商店は台湾のベローシというブランドの取り扱いを順次開始するという。ベローシは自転車だけではなく、クランクやハンドル、ヘッドパーツ、ホイール、バーテープなど小物も手掛ける総合ブランド。ベローシはアメリカを中心に広がるビスポークバイク文化を感じさせるブランドであり、米国ブランドやドメスティックブランドが牽引するストリートやグラベルカルチャーへの入り口的な存在となってくれそうだ。
「台湾は自転車製造で有名ですが、アメリカを中心とするこのようなスタイルが台湾でも育まれている」とはフタバ商店の村井さん。国内でも先駆者たちが築き上げてきたカッコいいスタイルの自転車遊びを始めるためのファーストステップをベローシと共に歩み、その後に憧れのパーツやバイクを手にするのというのもありだろう。
ベローシのバイクラインアップはグラベルバイクのJIMMYを筆頭に、オールロードのROAD PLUS、DISKO 80’、シングルスピードのOLD STREETなど。どれも台湾でハンドメイドされるスチールフレームにポップなロゴなどがあしらわれ、シンプルすぎない見た目が特徴だ。人とは違うものが欲しいという方はチェックしておこう。
クロスバイクの展開も始まったチェコの総合ブランド、フォースも注目の存在。フォースはUCIワールドチームのアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオのサプライヤーとして、ヘルメットなどをチームに供給し、BMC同様に世界の第一線で戦うブランドだ。
今年のワンティは活躍が目立ち、ジロ・デ・イタリアではビニヤム・ギルマイがステージ優勝を果たし、世界のトップスプリンターの一角にのしあがった。また、ベテランスプリンターのアレクサンダー・クリストフも復活を遂げツアー・オブ・ノルウェー等で勝利、ブエルタ・ア・エスパーニャではルイス・メインチェスが待望のステージ優勝を掴み、プロトンの中でも存在感を強めている。
そんなワンティが着用するフォースのヘルメットLYNXのチームカラーが国内に数量限定で入荷したという。プロスペックであることはもちろん、ベースカラーの蛍光イエローが被視認性を高めるため、安全なサイクリングに一役買ってくれそうだ。
パーツブランドのFSAとVISIONからはハンドルやホイールなど新製品が登場しているが、今回の展示会で見つけたのはフレームブランドが専用設計しているヘッドパーツに適合するFSAのトップキャップ。トレックのEmondaやスペシャライズドのTarmac SL7で、FSAのケーブル内装システムを利用するためのパーツだ。ステム一体型ハンドルなどでポジションに困った時に活躍してくれるだろう。
高グリップ力のバーテープでお馴染みのリザードスキンズからは、ウィンター用のサーマルグローブがリリースされる。パッドなしと割り切った仕様のロングフィンガーグローブは、これから訪れる秋冬で確かなグリップ力をライダーに提供してくれるだろう。また、マッカスキルモデルのグリップや、ブレーキレバー用のグリップテープなども充実しており、オフロードライダーは改めてチェックしてみてはいかがだろうか。
アメリカのアウトドアブランド、ジェリーも今回の展示会に出展。Pocketableバックパックは、超薄手のナイロン生地を使い、非常にコンパクトに収納できることが特徴だ。荷物になりにくいバッグのため、これまでのサイクリングで諦めてたお土産の購入や、荷物が多くなりがちな輪行旅などで活躍してくれそうだ。
光を受けると再帰反射で光って見えるバックパックやウエストポーチなども登場。ぱっと見は普通のバックパックに見えるため街中で使っていても違和感がないものの、光を受けた時のみ輝いてくれるため、自転車と電車を併用して通勤通学する方にピッタリだ。また、フタバ商店とのコラボで自転車向けのモデルも検討しているとのことなので今後に期待したい。
また、TAPE JAPANのリカバリという製品も注目だ。簡単に説明すると穴あきのテーピングシートであり、この穴が通常のテープにはない刺激を皮膚に与え、マッサージに似たような効果を生み出してくれるというもの。体の気になる部分に貼るだけのため、一般的なテーピングのように使い方に習熟する必要もなく、一般ユーザーでも扱いやすいことが特徴だ。
自転車プロショップでも販売されるため、ロングライドやレース前の準備の一環として手に入れやすいのも魅力。昨年プロを引退したMTB XCOのトップアスリートである山本幸平らも実戦で使用する実績もあり、リカバリへの期待は大きい。
フタバ商店は国内ブランドとのコラボを積極的に進めており、ステンレス製卓上用品のプロデュースに長けるアトラスとタッグを組みステンレスボトルを製作中とのことだ。ボトルが傷つかないようなコーティングや、内部を清潔に保てる鏡面仕上げなどにこだわっており、製品版としてリリースされるのが楽しみだ。
text : Gakuto Fujiwara
フタバ商店が取り扱う数多くのブランドの中でも一際注目を集めるのがスイスの自転車ブランド"BMC"だ。2022年はAG2Rシトロエンを中心に、ファンビアン・カンチェラーラが興したチューダー・プロサイクリングにもバイクを供給し、世界レースで戦うブランドだ。
今回の展示会では2023年の新色とラインアップの紹介が中心で、ボブ・ユンゲルスがツール・ド・フランスで使用した超スペシャルバイクのMasterpieceは、受注生産のため実車を見ることは叶わなかった。Masterpieceシリーズは日本でも購入可能であり、BMC取扱のプロショップにてオーダーができるとのことだ。
そしてBMCのニュースといえば、MTB世界選手権XCO女子エリートでポーリン・フェランプレヴォがハードテールのTwostrokeを使用し優勝を果たしたことだろう。ハードトレーニングを積んだフェランプレヴォの能力を引き出したTwostrokeも国内での取り扱いはもちろんあるとのこと。東京五輪MTB XCO男子エリート優勝者のトーマス・ピドコックが駆るロゴなしバイクもBMCのFourstrokeであり、これも順次入荷予定。
BMC2023モデルから展示されていた新カラーはALL RED/BLACKとCARBON/WHITEの2種類。いずれもステム一体型ハンドルを含めたトータルカラーコーディネートが特徴であり、一体感を演出している。横位置からだと単色に見えるが、トップチューブの上部はグラデーションで彩られている。
CARBON/WHITEは先述したチューダー・プロサイクリングに供給されるカラーであり、一般カラーにはないチェーンステーのBMCロゴが供給カラーであることを示している。AG2Rが使うTEAM WHITE/NEON REDも実はチェーンステーにロゴがあしらわれる特別仕様。BMCのカラーリングをチェックする時に、チェーンステーのロゴの有無を確認してみても面白いだろう。
また、BMCが開発するアパレルADICTA LABの展示も行われていた。サマーシーズン中盤から国内での展開が始まったウェアだけに細部までチェックできるのは、この展示会が初めての機会となった。バイクブランドであるBMCがアパレルプロジェクトのADICTA LABを行う目的は、ライダーのパフォーマンスを引き出し、快適なライド環境を提供することにある。
ハイエンドのVALENTは37.5テクノロジーといった技術を使っていることはもちろん、ボディ部、サイド部ともにメッシュ生地とされており高い通気性を期待させる作りとされている。ALATEのレディースモデルはサイド部にメッシュが設けられた仕様で、高温多湿となる日本の夏にぴったりの1着といえそうだ。BMCが本格始動させたアパレルブランドのADICTA LABの今後には注目だ。
フタバ商店は台湾のベローシというブランドの取り扱いを順次開始するという。ベローシは自転車だけではなく、クランクやハンドル、ヘッドパーツ、ホイール、バーテープなど小物も手掛ける総合ブランド。ベローシはアメリカを中心に広がるビスポークバイク文化を感じさせるブランドであり、米国ブランドやドメスティックブランドが牽引するストリートやグラベルカルチャーへの入り口的な存在となってくれそうだ。
「台湾は自転車製造で有名ですが、アメリカを中心とするこのようなスタイルが台湾でも育まれている」とはフタバ商店の村井さん。国内でも先駆者たちが築き上げてきたカッコいいスタイルの自転車遊びを始めるためのファーストステップをベローシと共に歩み、その後に憧れのパーツやバイクを手にするのというのもありだろう。
ベローシのバイクラインアップはグラベルバイクのJIMMYを筆頭に、オールロードのROAD PLUS、DISKO 80’、シングルスピードのOLD STREETなど。どれも台湾でハンドメイドされるスチールフレームにポップなロゴなどがあしらわれ、シンプルすぎない見た目が特徴だ。人とは違うものが欲しいという方はチェックしておこう。
クロスバイクの展開も始まったチェコの総合ブランド、フォースも注目の存在。フォースはUCIワールドチームのアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオのサプライヤーとして、ヘルメットなどをチームに供給し、BMC同様に世界の第一線で戦うブランドだ。
今年のワンティは活躍が目立ち、ジロ・デ・イタリアではビニヤム・ギルマイがステージ優勝を果たし、世界のトップスプリンターの一角にのしあがった。また、ベテランスプリンターのアレクサンダー・クリストフも復活を遂げツアー・オブ・ノルウェー等で勝利、ブエルタ・ア・エスパーニャではルイス・メインチェスが待望のステージ優勝を掴み、プロトンの中でも存在感を強めている。
そんなワンティが着用するフォースのヘルメットLYNXのチームカラーが国内に数量限定で入荷したという。プロスペックであることはもちろん、ベースカラーの蛍光イエローが被視認性を高めるため、安全なサイクリングに一役買ってくれそうだ。
パーツブランドのFSAとVISIONからはハンドルやホイールなど新製品が登場しているが、今回の展示会で見つけたのはフレームブランドが専用設計しているヘッドパーツに適合するFSAのトップキャップ。トレックのEmondaやスペシャライズドのTarmac SL7で、FSAのケーブル内装システムを利用するためのパーツだ。ステム一体型ハンドルなどでポジションに困った時に活躍してくれるだろう。
高グリップ力のバーテープでお馴染みのリザードスキンズからは、ウィンター用のサーマルグローブがリリースされる。パッドなしと割り切った仕様のロングフィンガーグローブは、これから訪れる秋冬で確かなグリップ力をライダーに提供してくれるだろう。また、マッカスキルモデルのグリップや、ブレーキレバー用のグリップテープなども充実しており、オフロードライダーは改めてチェックしてみてはいかがだろうか。
アメリカのアウトドアブランド、ジェリーも今回の展示会に出展。Pocketableバックパックは、超薄手のナイロン生地を使い、非常にコンパクトに収納できることが特徴だ。荷物になりにくいバッグのため、これまでのサイクリングで諦めてたお土産の購入や、荷物が多くなりがちな輪行旅などで活躍してくれそうだ。
光を受けると再帰反射で光って見えるバックパックやウエストポーチなども登場。ぱっと見は普通のバックパックに見えるため街中で使っていても違和感がないものの、光を受けた時のみ輝いてくれるため、自転車と電車を併用して通勤通学する方にピッタリだ。また、フタバ商店とのコラボで自転車向けのモデルも検討しているとのことなので今後に期待したい。
また、TAPE JAPANのリカバリという製品も注目だ。簡単に説明すると穴あきのテーピングシートであり、この穴が通常のテープにはない刺激を皮膚に与え、マッサージに似たような効果を生み出してくれるというもの。体の気になる部分に貼るだけのため、一般的なテーピングのように使い方に習熟する必要もなく、一般ユーザーでも扱いやすいことが特徴だ。
自転車プロショップでも販売されるため、ロングライドやレース前の準備の一環として手に入れやすいのも魅力。昨年プロを引退したMTB XCOのトップアスリートである山本幸平らも実戦で使用する実績もあり、リカバリへの期待は大きい。
フタバ商店は国内ブランドとのコラボを積極的に進めており、ステンレス製卓上用品のプロデュースに長けるアトラスとタッグを組みステンレスボトルを製作中とのことだ。ボトルが傷つかないようなコーティングや、内部を清潔に保てる鏡面仕上げなどにこだわっており、製品版としてリリースされるのが楽しみだ。
text : Gakuto Fujiwara
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