2022/08/25(木) - 14:14
1931年に初開催された歴史あるステージレース「ドイツ・ツアー」が開幕。初日は2.6kmという短い距離の個人タイムトライアルが行われ、TT世界選手権3連覇を目指し調整を進めるフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が勝利した。
ドイツ中部から南部シュツットガルトにかけた地域を舞台に、第37回ドイツ・ツアー(正式名称はドイッチュラント・ツアー)が開幕した。初開催が1931年と歴史あるステージレースは2005年からはUCIプロツアーカレンダーに組み込まれていたものの、ドイツ国内での相次ぐドーピングスキャンダルによってスポンサーが撤退。2018年に10年振りに復活し、現在は上から2つ目のカテゴリーであるプロツアーとして開催されている。
全5日間の行程は初日のプロローグ(個人タイムトライアル)をはじめ、スプリントステージから丘陵、山岳フィニッシュと多種多様。そのため総合勢にはツール・ド・フランスを走ったアダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)やロマン・バルデ(フランス、チームDSM)が、スプリンターではファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)やカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)など様々な脚質を持つ豪華メンバーが集結した。
大会は復活前最後の大会であった2008年以来となるプロローグで幕開け。2.6kmと極めて短い平坦個人TTの舞台となったのは「ワイマール憲法」で知られる街ヴァイマル。タイムトライアルバイクやエアロヘルメット、スキンスーツなどの使用が禁止され、いつもの個人TTとは違った装いで行われた。走行時間およそ3分という超短距離コースに向け、ドイツ籍のボーラ・ハンスグローエを含む14のワールドチーム、全119名の選手たちが飛び出した。
多くの選手が3分台でフィニッシュするなか、2分56秒のトップタイムを叩き出したのは現TT世界王者であるフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)だった。1.6km地点の中間計測トップこそオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)に譲ったガンナだったが、出走者で唯一の平均時速53kmを超えるハイスピードでヴァイマルの街を駆け抜けた。
「今日のコースはとても短く、ビッグエンジンを積んだ僕に向いた距離だった。TTバイクではない少し奇妙なTTとなったものの、ノーマルバイクでベストを尽くした。とても良い走りができたんじゃないかな」と、6月のTTイタリア選手権以来となる優勝を挙げたガンナは語った。
そしてこの結果によりガンナはリーダージャージとポイント賞ジャージを獲得。「僕たちにはアダム(イェーツ)とエガン(ベルナル)という2人の良いクライマーがいる。またベン・トゥレットも良い登坂力の持ち主で、この後のステージで良いショーを披露することができるだろう」と、翌日からの4ステージに向けて意気込みを語っている。
そのガンナに2秒差と迫ったのは、6月にトム・デュムランを下し、自身初となるTTオランダ選手権王者に輝いたバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)。ガンナと同じく3分の壁を破りながらも敗れたモレマは「ロードバイクで距離も短く、コース全体を通してコーナーがたったの2つしかない個人TTだった。この3分間のために準備をして、これ以上ない走りができた。新しいマドンのおかげだね」と2位ながらも満足そうな表情を見せた。
3位には3秒差でニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が入り、総合勢ではイェーツが7位(6秒遅れ)と好走。また大怪我からの復帰レースとなったポストノルド・デンマーク・ルントを途中棄権したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)は、17秒遅れ(73位)とまずまずのタイムでフィニッシュしている。
翌日の第1ステージはヴァイマルからマイニンゲンまでの171.7km。コース中盤の1級と2級山岳を越え、終盤に2級山岳とボーナスポイントが設定された丘が登場する、逃げ向きのレイアウトだ。だがその頂上からフィニッシュまでは約20kmの下り〜平坦路が続くため、展開によれば集団スプリントも考えられる。
ドイツ中部から南部シュツットガルトにかけた地域を舞台に、第37回ドイツ・ツアー(正式名称はドイッチュラント・ツアー)が開幕した。初開催が1931年と歴史あるステージレースは2005年からはUCIプロツアーカレンダーに組み込まれていたものの、ドイツ国内での相次ぐドーピングスキャンダルによってスポンサーが撤退。2018年に10年振りに復活し、現在は上から2つ目のカテゴリーであるプロツアーとして開催されている。
全5日間の行程は初日のプロローグ(個人タイムトライアル)をはじめ、スプリントステージから丘陵、山岳フィニッシュと多種多様。そのため総合勢にはツール・ド・フランスを走ったアダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)やロマン・バルデ(フランス、チームDSM)が、スプリンターではファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)やカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)など様々な脚質を持つ豪華メンバーが集結した。
大会は復活前最後の大会であった2008年以来となるプロローグで幕開け。2.6kmと極めて短い平坦個人TTの舞台となったのは「ワイマール憲法」で知られる街ヴァイマル。タイムトライアルバイクやエアロヘルメット、スキンスーツなどの使用が禁止され、いつもの個人TTとは違った装いで行われた。走行時間およそ3分という超短距離コースに向け、ドイツ籍のボーラ・ハンスグローエを含む14のワールドチーム、全119名の選手たちが飛び出した。
多くの選手が3分台でフィニッシュするなか、2分56秒のトップタイムを叩き出したのは現TT世界王者であるフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)だった。1.6km地点の中間計測トップこそオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)に譲ったガンナだったが、出走者で唯一の平均時速53kmを超えるハイスピードでヴァイマルの街を駆け抜けた。
「今日のコースはとても短く、ビッグエンジンを積んだ僕に向いた距離だった。TTバイクではない少し奇妙なTTとなったものの、ノーマルバイクでベストを尽くした。とても良い走りができたんじゃないかな」と、6月のTTイタリア選手権以来となる優勝を挙げたガンナは語った。
そしてこの結果によりガンナはリーダージャージとポイント賞ジャージを獲得。「僕たちにはアダム(イェーツ)とエガン(ベルナル)という2人の良いクライマーがいる。またベン・トゥレットも良い登坂力の持ち主で、この後のステージで良いショーを披露することができるだろう」と、翌日からの4ステージに向けて意気込みを語っている。
そのガンナに2秒差と迫ったのは、6月にトム・デュムランを下し、自身初となるTTオランダ選手権王者に輝いたバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)。ガンナと同じく3分の壁を破りながらも敗れたモレマは「ロードバイクで距離も短く、コース全体を通してコーナーがたったの2つしかない個人TTだった。この3分間のために準備をして、これ以上ない走りができた。新しいマドンのおかげだね」と2位ながらも満足そうな表情を見せた。
3位には3秒差でニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が入り、総合勢ではイェーツが7位(6秒遅れ)と好走。また大怪我からの復帰レースとなったポストノルド・デンマーク・ルントを途中棄権したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)は、17秒遅れ(73位)とまずまずのタイムでフィニッシュしている。
翌日の第1ステージはヴァイマルからマイニンゲンまでの171.7km。コース中盤の1級と2級山岳を越え、終盤に2級山岳とボーナスポイントが設定された丘が登場する、逃げ向きのレイアウトだ。だがその頂上からフィニッシュまでは約20kmの下り〜平坦路が続くため、展開によれば集団スプリントも考えられる。
ドイツ・ツアー2022プロローグ結果
1位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 02:56 |
2位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:02 |
3位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:03 |
4位 | ミック・ファンダイケ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 0:05 |
5位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
6位 | ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
7位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:06 |
8位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
9位 | トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ) | |
10位 | キム・ハイドゥク(ドイツ、イネオス・グレナディアーズ) |
個人総合成績
1位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | :02:56 |
2位 | バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) | 0:02 |
3位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:03 |
4位 | ミック・ファンダイケ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 0:05 |
5位 | イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
6位 | ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
7位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:06 |
8位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
9位 | トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ) | |
10位 | キム・ハイドゥク(ドイツ、イネオス・グレナディアーズ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) |
山岳賞 | オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) |
ヤングライダー賞 | ミック・ファンダイケ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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