2022/08/05(金) - 09:03
総合優勝の行方が決する最終日前日のポローニュ6日目は、最大勾配10.3%を駆け上がる11.8km個人TT。22歳のテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)がプロ初勝利を挙げ、区間3位のイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が逆転で総合優勝に王手を掛けた。
スタートを待つヨセフ・チェルニー(チェコ、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
ツール・ド・ポローニュ2022 第6ステージ コースプロフィール (c)Tour de Pologneポーランド最大のステージレース「ツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)」も残すところあと2日。翌日の最終日が平坦フィニッシュのため、シャフラリからヴィエーフ・ルシンスキーまでを結ぶ6日目の11.8kmの個人タイムトライアルは実質的に総合成績の行方を決める場に。緩やかな登りが続き、終盤は最大勾配10.3%(距離2.2km/平均勾配6.1%)の丘を駆け上がってから2kmの平坦路を駆け抜ける。
前日の第5ステージ終了時で総合首位セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)と2位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)との差は僅かに6秒。今大会は本格山岳ステージがなかったこともあり、総合12位までが10秒差の中にひしめき合う接戦のなか、総合成績最下位のパトリク・ストッシュ(ポーランドナショナルチーム)から順にコースへと駆け出していった。
ステージ優勝したテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
2分18秒遅れと登坂TTでは結果が残せなかったアレックス・ドーセット(イギリス、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos
コモンウェルス・ゲーム出場のため、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)を含む8名が去ったこの日、前半スタート組で好タイムを出したのは18分46秒でフィニッシュしたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)だった。しかしイネオス・グレナディアーズの20歳マグナス・シェフィールド(アメリカ)がそれを59秒上回る17分47秒を叩き出し、長らくホットシートを温めた。
しかしそのタイムを圧倒的な走りで上回ったのが、22歳の若手クライマーであるテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)だった。「スタッフとチームの準備がすべて的確だったおかげ」と謙遜するアレンスマンは、急勾配区間でもペースを落とすことなく出走選手の中で唯一平均時速40kmを上回るペースで踏み続け、ワールドツアー初勝利を掴み取った。
「今日は決して絶好調の日ではなかったものの、勝利には十分だった。このチームでプロ初勝利を挙げることができて嬉しい。しかもワールドツアーのTTだ。この勝利は僕とチームが共にタイムトライアル向上に時間を費やしたおかげ。だからチーム全員に感謝したい」と、総合でも2位まで順位を上げたアレンスマンは喜んでいる。
32秒遅れ(18分12秒)と沈んだセルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
区間3位で総合優勝に王手をかけたイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
自身のプロ初勝利が決定し、頭を抱えるテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
一方で総合2位だったビルバオはトップから32秒遅れ(18分12秒)、総合首位イギータも50秒遅れ(18分30秒)でフィニッシュ。この結果をもって、リーダージャージはアレンスマンの8秒遅れの17分48秒を叩き出したイギリスTT王者であるイーサン・ヘイター(イネオス・グレナディアーズ)の手に渡った。
総合優勝をほぼ決定させたたヘイターだが、「ツール・ド・フランスのパリ(最終日)ではなく、まだ僕たちは180kmの戦いが残っている。何が起きてもおかしくないのでフィニッシュラインを越えるまで油断できない」と気持ちを引き締めている。
翌日は1級と3級山岳を連続して登坂する丘陵ステージ。しかし後半戦は低難易度の丘(4級山岳を含む)と平坦路がフィニッシュまで続くため、集団スプリントが予想されている。
表彰式でプロ初勝利を喜ぶテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
リーダージャージに袖を通したイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
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前日の第5ステージ終了時で総合首位セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)と2位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)との差は僅かに6秒。今大会は本格山岳ステージがなかったこともあり、総合12位までが10秒差の中にひしめき合う接戦のなか、総合成績最下位のパトリク・ストッシュ(ポーランドナショナルチーム)から順にコースへと駆け出していった。
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コモンウェルス・ゲーム出場のため、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)を含む8名が去ったこの日、前半スタート組で好タイムを出したのは18分46秒でフィニッシュしたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)だった。しかしイネオス・グレナディアーズの20歳マグナス・シェフィールド(アメリカ)がそれを59秒上回る17分47秒を叩き出し、長らくホットシートを温めた。
しかしそのタイムを圧倒的な走りで上回ったのが、22歳の若手クライマーであるテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)だった。「スタッフとチームの準備がすべて的確だったおかげ」と謙遜するアレンスマンは、急勾配区間でもペースを落とすことなく出走選手の中で唯一平均時速40kmを上回るペースで踏み続け、ワールドツアー初勝利を掴み取った。
「今日は決して絶好調の日ではなかったものの、勝利には十分だった。このチームでプロ初勝利を挙げることができて嬉しい。しかもワールドツアーのTTだ。この勝利は僕とチームが共にタイムトライアル向上に時間を費やしたおかげ。だからチーム全員に感謝したい」と、総合でも2位まで順位を上げたアレンスマンは喜んでいる。
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一方で総合2位だったビルバオはトップから32秒遅れ(18分12秒)、総合首位イギータも50秒遅れ(18分30秒)でフィニッシュ。この結果をもって、リーダージャージはアレンスマンの8秒遅れの17分48秒を叩き出したイギリスTT王者であるイーサン・ヘイター(イネオス・グレナディアーズ)の手に渡った。
総合優勝をほぼ決定させたたヘイターだが、「ツール・ド・フランスのパリ(最終日)ではなく、まだ僕たちは180kmの戦いが残っている。何が起きてもおかしくないのでフィニッシュラインを越えるまで油断できない」と気持ちを引き締めている。
翌日は1級と3級山岳を連続して登坂する丘陵ステージ。しかし後半戦は低難易度の丘(4級山岳を含む)と平坦路がフィニッシュまで続くため、集団スプリントが予想されている。
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ツール・ド・ポローニュ2022第6ステージ結果
1位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | 17:40 |
2位 | マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) | 0:07 |
3位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:08 |
4位 | レミ・カヴァニャ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 0:20 |
5位 | マルコ・ブレンナー(ドイツ、チームDSM) | 0:26 |
6位 | ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:28 |
7位 | サムエーレ・バティステッラ(イタリア、アスタナカザフスタン) | 0:30 |
8位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 0:31 |
9位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:32 |
10位 | マーク・パデュン(ウクライナ、EFエデュケーション・イージーポスト) | 0:35 |
個人総合成績
1位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 24:27:03 |
2位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | 0:11 |
3位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:18 |
4位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | 0:23 |
5位 | ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 0:25 |
6位 | レミ・カヴァニャ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル) | 0:31 |
7位 | サムエーレ・バティステッラ(イタリア、アスタナカザフスタン) | 0:32 |
8位 | セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | 0:45 |
10位 | ブルーノ・アルミライル(フランス、グルパマ・エフデジ) | 0:50 |
その他の特別賞
山岳賞 | カミル・マウェツキー(ポーランド、ロット・スーダル) |
ポイント賞 | アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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