「勝利はもちろんマイヨヴェールのポイントを加算できて嬉しい」とツール8日目を制したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)は語る。また、惜しくも破れたマシューズやポガチャルなどのコメントを紹介します。



区間優勝&マイヨヴェール ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)

圧巻のスプリントで勝利したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)圧巻のスプリントで勝利したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
もちろん勝利できてスーパーハッピーだが、同時にマイヨヴェール獲得に必要なスプリントポイントも獲得することができた。今日は特にポイントを大量に獲得できるステージだったので、逃げの追走に尽力してくれたチームには感謝したい。その走り報いるためにも、今日は勝ちたかった。

4%の勾配が約4.5kmに渡って続き、途中に平坦区間があったものの登り区間のは急勾配と厳しい登りだった。そこでポガチャルや彼のチームメイトに食らいつき、フィニッシュ手前が平坦基調だと知っていたので、我慢して掴んだ勝利だった。

残り200〜300mで囲まれて行き場をなくすという、決して簡単な勝利ではなかった。驚いたのは集団前方に集まった総合勢たちが、なかなかスプリントを開始しなかったこと。一瞬パニックに陥ったものの、スペースを見つけ前に出ることができた。

今大会2勝目を挙げたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)今大会2勝目を挙げたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto AYANO
ーチームメイトであるログリッチの現状についてどう思っているか?

もちろん彼はいま、僕たちが望んでいたような総合順位にいない。しかしルーベステージ(第5ステージ)で落車してもなお、戦い続けている彼の姿を誇りに思う。徐々に回復することができれば、次の2週間でも勝負に絡むことができるだろう。

ーレース前と後に必ず囲み取材があるが、メディア対応に疲れは感じるか?

これも仕事の一部だと思っているし、コロナでよりシステマティックなったこの時間を使い、質問に対し正確に答えたい。

区間2位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)

真っ先にスプリントを開始したマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)真っ先にスプリントを開始したマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) photo:CorVos
2日前(区間2位だった第6ステージ)から真っ先にスプリントする重要性を学んだ。だからその通り一番に踏み始めたのだが、ワウト(ファンアールト)に敗れてしまった。自分がミスしたとは思えないから、単純に彼が僕よりも強かったまでだ。

残り200mでタデイ(ポガチャル)とワウトが囲まれているのを見て、勝てると思い踏み込んだのだがスピードが足りなかったみたいだね。

ベストは尽くしたし、チームも必要な所まで僕を連れて行ってくれた。しかしまた2位だ。次は是非とも勝利がほしいね。

区間3位&マイヨジョーヌ&マイヨブラン タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)

ステージ3位に入り、ボーナスタイムを得たタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)ステージ3位に入り、ボーナスタイムを得たタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto AYANO
勝利まであと少しだったから少し残念だね。でも楽しい争いだった。今日は長く、次第に暑さが増していき、コース上に危険な箇所も多かった。最後の登りは僕向きで、踏み込みを少し躊躇してまったのが敗因だろう。もちろん残念だが3位は良い結果だ。

小さな頃、僕は背が低くスプリントしてもいつもビリだった。それがいまはマシューズやファンアールトほどではないにせよ、5kmほどの登りなら強い選手たちと対等にスプリントすることができる。

今日は逃げ切りのステージになるから集団で一休みできると思っていた。だがユンボ・ヴィスマとバイクエクスチェンジが集団を牽引したので、僕たちも勝利を狙ったんだ。

落車に巻き込まれたものの怪我はない。いままでで最も着地が上手く行った落車だったからね。だから何も問題なく集団に復帰することができた。

(コロナ陽性でレースを去った)ラエンゲンの存在は大きく、平坦はもちろん登りでも集団を牽引してくれる選手だ。チームにとっては大きな衝撃だが、7人でも変わらず戦い続ける自信がある。

区間4位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル)

最後の登りではただ前に食らいつくことを考えていた。そうしたら突然スプリントが始まり、僕には彼らを追い抜く脚がなかった。ツールデビューの僕としては上々な結果だろう。

総合3位 ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

調子は良い。ただ初日のタイムトライアルとルーベステージで力を出しきれなかった自分に少しだけ苛立っている。

ポガチャルの才能は言葉にするまでもなく、彼はチームメイトを1人失ったものの、それが直接影響することはないだろう。僕たちは総合上位に入っている人数を活かして勝負をするだけだ。

ブラッドリー・ウィギンスとの不仲が騒がれていた2012年大会を振り返るクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)

あのようなシチュエーションでは、ある程度の緊張状態は珍しくもないことだ。そんな中でも僕たちは大きな問題もなくレースを進めることができた。その結果が1位(ウィギンス)と2位(フルーム)だ。いま彼とはたまに話す程度の仲で、あの時のことはお互い水に流しているよ。

text:Sotaro.Arakawa

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