2010/07/08(木) - 11:39
7月7日、ツール・ド・フランス第4ステージが行われ有力スプリンターによる集団スプリントを、アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィニ)が制し区間2勝目を飾った。
カンブレ〜ランス間で行われた第4ステージは、153.5kmと距離は短め。山岳ポイントも、前半に4級のものがひとつあるだけの、平坦ステージ。しかし起伏に富むツールならではの平坦ステージの味付けは、逃げ切りたい選手にとっても可能性のあるコースだ。
この日は1km地点のアタックから決まった。仕掛けたのはディミトリ・シャンピオン(フランス、アージェードゥーゼル)で、そこにニコラ・ヴォゴンディ(フランス、Bboxブイグテレコム)、イニャキ・イサーシ(スペイン、エウスカルテル)、イバン・マヨス(スペイン、フットオン・セルヴェット)、フランシス・デグレーフ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)の4人が合流。
メイン集団はこの逃げを容認。しかし距離が短いため、大きなタイム差までもは容認しない。20km地点で3分あった差は、83km地点で1分40秒差に。集団のコントロールはともにスプリンターを抱えるチームHTCコロンビアとランプレ・ファルネーゼヴィーニが1名ずつ。
マイヨジョーヌのファビアン・カンチェラーラ(スイス)を擁するサクソバンクがこの2名の後ろに隊列を組むが、その後ろにはレディオシャック勢が人数を揃えて集団を牛耳る。昨日のステージでタイムを失ったランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)だが、まだツールを失ったわけではないことをチーム力で示す。
逃げる5人のペースはスロー気味。早い段階で逃げグループをつかまえたくないメイン集団もこのペースに合わせたため、タイム差は1分台と大きく変動すること無くレースは距離を消化していく。
残り30km地点からいよいよスプリンターチームが動き出す。マイヨヴェールのトル・フースホフト(ノルウェー)擁するサーヴェロ・テストチームと、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)のチームHTCコロンビアが集団前方に人数を集め、ペースアップを開始。逃げグループを捕まえにかかる。
この動きを受けて、逃げる5人も全力で踏み始める。この時点でタイム差は33秒だが、残り20km地点でもタイム差は35秒。集団と逃げグループのペースはほぼ一緒のまま、レースは終盤へ。
脚を残しながら逃げていた5人は、粘り強い走りで集団に抵抗。残り15kmでも23秒差、残り10kmで15秒差。捕まりそうで捕まらないままゴールが近づくが、残り6kmで初日のTT2位のトニ・マルティン(ドイツ、チームHTCコロンビア)が牽引を開始。
残り3km地点で集団はこの逃げグループを吸収。最後の最後まで連携のとれた逃げグループだったが、集団の圧力に屈した。しかし、逃げを吸収するために力を使ったチームHTCコロンビアは、いつものような列車を形成できず、人数不足で残り2kmを先頭で通過。
残り1kmですうっと先頭に出たのは第1ステージでもいい牽引を見せたダニーロ・ホンド(ドイツ、ランプレ・ファルネーゼヴィーニ)。エースのアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィニ)をいい位置に運ぶ。
その隣にはマーク・レンショー(オーストラリア、チームHTCコロンビア)に伴われたカヴェンディシュと、ブレット・ランカスター(オーストラリア、サーヴェロ・テストチーム)に伴われたフースホフト。それぞれがタイミングをうかがう中、最初に飛び出したのはペタッキ。
残り200mで迷いの無いロングスプリントを仕掛けたペタッキに、カヴェンディッシュやフースホフトは虚をつかれた。俊敏なロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)がペタッキの後ろにつくが、ペタッキのスピードに前へ出ることができない。
ジュリアン・ディーン(ニュージーランド、ガーミン・トランジションズ)、エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)が追い上げを見せるが時すでに遅し。パワーで押し切ったペタッキが今ツール2勝目を飾った。
総合を狙う選手たちは大集団内でゴールし、総合順位に変動はない。同じ集団できっちりゴールしている新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)は54位に入り、総合で72位につけている。
ツール・ド・フランス2010第4ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィニ)3h34'55"
2位 ジュリアン・ディーン(ニュージーランド、ガーミン・トランジションズ)
3位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
4位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
5位 ロバート・ハンター(南アフリカ、ガーミン・トランジションズ)
6位 セバスティアン・テュルゴー(フランス、Bboxブイグテレコム)
7位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケスデパーニュ)
8位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・ドイモ)
9位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
10位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
54位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) 18h28'55"
2位 ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +23"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング) +39"
4位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ) +46"
5位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ) +1'01"
6位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) +1'09"
7位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム) +1'19"
8位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +1'31"
9位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) +1'40"
10位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)+1'42"
73位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) +3'47"
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)63pts
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィニ)70pts
3位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)62pts
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)13pts
2位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)8pts
3位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)8pt
マイヨブラン(新人賞)
1位 ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)18h29'18"
2位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+46"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス・ドイモ)+2'01"
チーム総合成績
1位 サクソバンク 55h30'40"
2位 ガーミン・トランジションズ+0'11"
3位 チームスカイ +0'25"
text:Yufta Omata
photo:Makoto Ayano
カンブレ〜ランス間で行われた第4ステージは、153.5kmと距離は短め。山岳ポイントも、前半に4級のものがひとつあるだけの、平坦ステージ。しかし起伏に富むツールならではの平坦ステージの味付けは、逃げ切りたい選手にとっても可能性のあるコースだ。
この日は1km地点のアタックから決まった。仕掛けたのはディミトリ・シャンピオン(フランス、アージェードゥーゼル)で、そこにニコラ・ヴォゴンディ(フランス、Bboxブイグテレコム)、イニャキ・イサーシ(スペイン、エウスカルテル)、イバン・マヨス(スペイン、フットオン・セルヴェット)、フランシス・デグレーフ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)の4人が合流。
メイン集団はこの逃げを容認。しかし距離が短いため、大きなタイム差までもは容認しない。20km地点で3分あった差は、83km地点で1分40秒差に。集団のコントロールはともにスプリンターを抱えるチームHTCコロンビアとランプレ・ファルネーゼヴィーニが1名ずつ。
マイヨジョーヌのファビアン・カンチェラーラ(スイス)を擁するサクソバンクがこの2名の後ろに隊列を組むが、その後ろにはレディオシャック勢が人数を揃えて集団を牛耳る。昨日のステージでタイムを失ったランス・アームストロング(アメリカ、レディオシャック)だが、まだツールを失ったわけではないことをチーム力で示す。
逃げる5人のペースはスロー気味。早い段階で逃げグループをつかまえたくないメイン集団もこのペースに合わせたため、タイム差は1分台と大きく変動すること無くレースは距離を消化していく。
残り30km地点からいよいよスプリンターチームが動き出す。マイヨヴェールのトル・フースホフト(ノルウェー)擁するサーヴェロ・テストチームと、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)のチームHTCコロンビアが集団前方に人数を集め、ペースアップを開始。逃げグループを捕まえにかかる。
この動きを受けて、逃げる5人も全力で踏み始める。この時点でタイム差は33秒だが、残り20km地点でもタイム差は35秒。集団と逃げグループのペースはほぼ一緒のまま、レースは終盤へ。
脚を残しながら逃げていた5人は、粘り強い走りで集団に抵抗。残り15kmでも23秒差、残り10kmで15秒差。捕まりそうで捕まらないままゴールが近づくが、残り6kmで初日のTT2位のトニ・マルティン(ドイツ、チームHTCコロンビア)が牽引を開始。
残り3km地点で集団はこの逃げグループを吸収。最後の最後まで連携のとれた逃げグループだったが、集団の圧力に屈した。しかし、逃げを吸収するために力を使ったチームHTCコロンビアは、いつものような列車を形成できず、人数不足で残り2kmを先頭で通過。
残り1kmですうっと先頭に出たのは第1ステージでもいい牽引を見せたダニーロ・ホンド(ドイツ、ランプレ・ファルネーゼヴィーニ)。エースのアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィニ)をいい位置に運ぶ。
その隣にはマーク・レンショー(オーストラリア、チームHTCコロンビア)に伴われたカヴェンディシュと、ブレット・ランカスター(オーストラリア、サーヴェロ・テストチーム)に伴われたフースホフト。それぞれがタイミングをうかがう中、最初に飛び出したのはペタッキ。
残り200mで迷いの無いロングスプリントを仕掛けたペタッキに、カヴェンディッシュやフースホフトは虚をつかれた。俊敏なロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)がペタッキの後ろにつくが、ペタッキのスピードに前へ出ることができない。
ジュリアン・ディーン(ニュージーランド、ガーミン・トランジションズ)、エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)が追い上げを見せるが時すでに遅し。パワーで押し切ったペタッキが今ツール2勝目を飾った。
総合を狙う選手たちは大集団内でゴールし、総合順位に変動はない。同じ集団できっちりゴールしている新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)は54位に入り、総合で72位につけている。
ツール・ド・フランス2010第4ステージ結果
1位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィニ)3h34'55"
2位 ジュリアン・ディーン(ニュージーランド、ガーミン・トランジションズ)
3位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
4位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
5位 ロバート・ハンター(南アフリカ、ガーミン・トランジションズ)
6位 セバスティアン・テュルゴー(フランス、Bboxブイグテレコム)
7位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケスデパーニュ)
8位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・ドイモ)
9位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)
10位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
54位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) 18h28'55"
2位 ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +23"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング) +39"
4位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・トランジションズ) +46"
5位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ) +1'01"
6位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) +1'09"
7位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム) +1'19"
8位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +1'31"
9位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) +1'40"
10位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)+1'42"
73位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) +3'47"
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)63pts
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィニ)70pts
3位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)62pts
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 ジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)13pts
2位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)8pts
3位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)8pt
マイヨブラン(新人賞)
1位 ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)18h29'18"
2位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)+46"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス・ドイモ)+2'01"
チーム総合成績
1位 サクソバンク 55h30'40"
2位 ガーミン・トランジションズ+0'11"
3位 チームスカイ +0'25"
text:Yufta Omata
photo:Makoto Ayano
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