2022/04/06(水) - 18:51
華やかな雰囲気の中で閉幕したサイクルモード。シクロワイアード編集部チームの目に留まったブースと、話題のプロダクトを連載形式で紹介する第3弾。今回はIRCやトライスポーツ、チャンピオンシステムを取り上げます。
IRC:大注目の新型クリンチャーASPITE PRO。オートバイ用コンパウンドを投入したプロトMTBタイヤも
サイクルモード初日となる土曜日に、IRCブースで華々しく初お披露目されたクリンチャータイヤがASPITE PRO。2014年の先代デビューから8年の時を経て、遂にフルモデルチェンジを果たした話題作は、やはり来場者の関心を大きく集めていた。
「チューブレスに迫る強さとグリップ力」というコンセプトのもと、新型コンパウンドや完全新設計のトレッドパターンを採用した(詳しい説明は発表記事をチェックのこと)ASPITE PRO。チューブレスタイヤの技術を応用してフックレスリムにも対応しており、ブースで話を聞いた担当者は「ここまでやってるのはウチだけ。特にフックレス対応のクリンチャーはおそらく世界初ですね」と自信のほどをうかがわせていた。
また、よりタイヤ性能を高く細かいレベルで判断するため、開発にあたってはおびただしい資金を投じて新型試験機を導入したという話も聞くことができた。同じく国内のライバルブランドであるパナレーサーもフラッグシップタイヤ「AGILIST」をデビューさせており、今後国内のタイヤシェアは大きく変化しそうな予感。
その一方、ブース奥のオフロードタイヤコーナーにはアドベンチャー用タイヤ「TANKEN(タンケン)TLR」に新型コンパウンドを採用した参考出品モデルもあった。これはIRCがオフロードバイク、特にハードエンデューロカテゴリーで圧倒的なシェアを誇るガミータイヤ(耐久性に目をつぶった超ソフトコンパウンドで究極のグリップを目指したもの)「GEKKOTA(ゲコタ)」のコンパウンドを流用したものだという。
木の根や沢、濡れた岩盤で確実なグリップ力を得るために作られたゴムだけに、実際にノブを触ると少しの力でぐにゃっと倒れるほどの柔らかさ。ガミータイヤは登場するや否やオフロードバイクのエンデューロタイヤ選びを変えた革新的なアイテムだけに、MTBでの可能性にも期待が掛かる。もしかしたらMTBタイヤ界の勢力図をひっくり返すエポックメイキングなものになり得るのかも?
機材ファンの熱烈視線を集め続けるトライスポーツ
このサイクルモードの中で一番質素なブースだったかもしれないけれど、その一方で機材ファンの熱烈な視線を集めたのがおなじみトライスポーツ。ファクターのバイクやコリマのホイールなどはもちろんのこと、ダリモやアルピチュードといった軽量カーボンパーツブランドの製品は、その軽さでもって来場者を驚かせ続けた。
大きな話題としては、買い求めやすい価格で定評を得る「4iiii(フォーアイ)」の左クランク式パワーメーター「PRECISION」がモデルチェンジを果たしたこと。従来品と比べて重量はそのままに電池寿命を800時間まで延長し、物理的にも2mm薄くなった。精度誤差も+/-1%と高精度を維持しており、入門パワーメーターとして素晴らしい仕上がりに。
また、ダリモからはステム一体型の超軽量カーボンハンドル「Nezum」がデビューを飾った。気になる重量は幅400mm/ステム100mmサイズで実測197gと世界最軽量クラスであり、税込価格は118,800円とこちらも世界最高峰レベル。
かつてエンヴィのホイールをコンクリ床に叩きつけて堅牢さをアピールしてみたり、自転車用塗料のスプレーバイクを実演(!)してみたり、いつも包丁の実演販売ばりの製品アピールに勤しむのがトライスポーツの中原代表。今年はタイヤの付けはずしを一発で決める(?)Tyre Glider(タイヤグライダー)を持ち込み、ロードタイヤをつけたり外したり(何百回実演していたのだろう.…..)。
このタイヤグライダーは、「タイヤ交換はいつでも面倒。出回っているタイヤレバーは折れるし、いつだって親指頼みでとにかく苦労する(公式HPより)」という不満をなんとかすべく、イギリスで生まれたアイディア商品。実際に触らせてもらったところ確かにとても簡単で、チューブレスタイヤや、引っ掛かり部分を加工することでフックレスリムにも対応できるんだとか。中原代表によれば1つ2,090円とリーズナブルな価格を予定しているとのことなので、これからどの家庭にも一つの定番アイテムとなりうるのかに注目。
チャンピオンシステム:ケープラスのヘルメットに新作、アイウェア「KU」も先行公開
人気オーダーウェアブランド、チャンピオンシステムの目玉は輸入販売代理店を務めるケープラスの新型ヘルメットとアイウェア。代表を務める棈木氏によればケープラスは輸入が追いつかないほど売れ行きが盛況で、特にチャンピオンシステムジャパンが運営するカフェCROSS COFFEEでは飛ぶように売れてしまうんだとか。
このサイクルモード東京で初披露されたのは、グラベルやトレイルライドにぴったりな、取り外し式バイザーを装備した「META」。バイザー無しの状態ではロードヘルメットとしても全く違和感ないデザインが特徴で、ケープラスらしい豊富なカラーリングも魅力的。
また、参考出品されたKU(クー)は、ケープラス初となるアイウェア。アジアンブランドだけに日本人にもベストフィットするよう設計されていて、最近のトレンドかつ、オリジナリティあふれる一眼式デザインも魅力的。詳細はまだ未発表であるものの、棈木代表によれば12,000〜15,000円程度を予定しているとのこと。ケープラスユーザー以外も注目すべきアイテムになりそうだ。
text:So Isobe
IRC:大注目の新型クリンチャーASPITE PRO。オートバイ用コンパウンドを投入したプロトMTBタイヤも
サイクルモード初日となる土曜日に、IRCブースで華々しく初お披露目されたクリンチャータイヤがASPITE PRO。2014年の先代デビューから8年の時を経て、遂にフルモデルチェンジを果たした話題作は、やはり来場者の関心を大きく集めていた。
「チューブレスに迫る強さとグリップ力」というコンセプトのもと、新型コンパウンドや完全新設計のトレッドパターンを採用した(詳しい説明は発表記事をチェックのこと)ASPITE PRO。チューブレスタイヤの技術を応用してフックレスリムにも対応しており、ブースで話を聞いた担当者は「ここまでやってるのはウチだけ。特にフックレス対応のクリンチャーはおそらく世界初ですね」と自信のほどをうかがわせていた。
また、よりタイヤ性能を高く細かいレベルで判断するため、開発にあたってはおびただしい資金を投じて新型試験機を導入したという話も聞くことができた。同じく国内のライバルブランドであるパナレーサーもフラッグシップタイヤ「AGILIST」をデビューさせており、今後国内のタイヤシェアは大きく変化しそうな予感。
その一方、ブース奥のオフロードタイヤコーナーにはアドベンチャー用タイヤ「TANKEN(タンケン)TLR」に新型コンパウンドを採用した参考出品モデルもあった。これはIRCがオフロードバイク、特にハードエンデューロカテゴリーで圧倒的なシェアを誇るガミータイヤ(耐久性に目をつぶった超ソフトコンパウンドで究極のグリップを目指したもの)「GEKKOTA(ゲコタ)」のコンパウンドを流用したものだという。
木の根や沢、濡れた岩盤で確実なグリップ力を得るために作られたゴムだけに、実際にノブを触ると少しの力でぐにゃっと倒れるほどの柔らかさ。ガミータイヤは登場するや否やオフロードバイクのエンデューロタイヤ選びを変えた革新的なアイテムだけに、MTBでの可能性にも期待が掛かる。もしかしたらMTBタイヤ界の勢力図をひっくり返すエポックメイキングなものになり得るのかも?
機材ファンの熱烈視線を集め続けるトライスポーツ
このサイクルモードの中で一番質素なブースだったかもしれないけれど、その一方で機材ファンの熱烈な視線を集めたのがおなじみトライスポーツ。ファクターのバイクやコリマのホイールなどはもちろんのこと、ダリモやアルピチュードといった軽量カーボンパーツブランドの製品は、その軽さでもって来場者を驚かせ続けた。
大きな話題としては、買い求めやすい価格で定評を得る「4iiii(フォーアイ)」の左クランク式パワーメーター「PRECISION」がモデルチェンジを果たしたこと。従来品と比べて重量はそのままに電池寿命を800時間まで延長し、物理的にも2mm薄くなった。精度誤差も+/-1%と高精度を維持しており、入門パワーメーターとして素晴らしい仕上がりに。
また、ダリモからはステム一体型の超軽量カーボンハンドル「Nezum」がデビューを飾った。気になる重量は幅400mm/ステム100mmサイズで実測197gと世界最軽量クラスであり、税込価格は118,800円とこちらも世界最高峰レベル。
かつてエンヴィのホイールをコンクリ床に叩きつけて堅牢さをアピールしてみたり、自転車用塗料のスプレーバイクを実演(!)してみたり、いつも包丁の実演販売ばりの製品アピールに勤しむのがトライスポーツの中原代表。今年はタイヤの付けはずしを一発で決める(?)Tyre Glider(タイヤグライダー)を持ち込み、ロードタイヤをつけたり外したり(何百回実演していたのだろう.…..)。
このタイヤグライダーは、「タイヤ交換はいつでも面倒。出回っているタイヤレバーは折れるし、いつだって親指頼みでとにかく苦労する(公式HPより)」という不満をなんとかすべく、イギリスで生まれたアイディア商品。実際に触らせてもらったところ確かにとても簡単で、チューブレスタイヤや、引っ掛かり部分を加工することでフックレスリムにも対応できるんだとか。中原代表によれば1つ2,090円とリーズナブルな価格を予定しているとのことなので、これからどの家庭にも一つの定番アイテムとなりうるのかに注目。
チャンピオンシステム:ケープラスのヘルメットに新作、アイウェア「KU」も先行公開
人気オーダーウェアブランド、チャンピオンシステムの目玉は輸入販売代理店を務めるケープラスの新型ヘルメットとアイウェア。代表を務める棈木氏によればケープラスは輸入が追いつかないほど売れ行きが盛況で、特にチャンピオンシステムジャパンが運営するカフェCROSS COFFEEでは飛ぶように売れてしまうんだとか。
このサイクルモード東京で初披露されたのは、グラベルやトレイルライドにぴったりな、取り外し式バイザーを装備した「META」。バイザー無しの状態ではロードヘルメットとしても全く違和感ないデザインが特徴で、ケープラスらしい豊富なカラーリングも魅力的。
また、参考出品されたKU(クー)は、ケープラス初となるアイウェア。アジアンブランドだけに日本人にもベストフィットするよう設計されていて、最近のトレンドかつ、オリジナリティあふれる一眼式デザインも魅力的。詳細はまだ未発表であるものの、棈木代表によれば12,000〜15,000円程度を予定しているとのこと。ケープラスユーザー以外も注目すべきアイテムになりそうだ。
text:So Isobe
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